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Channel: 感染症診療の原則
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日本の基幹病院をコロナから守るために必要な軸

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まあ、聞いて頂けないと知りつつ、現場で危険と隣り合わせで働く仲間のためにひと言。
日本の基幹病院は新型コロナ以前で既に写真のトラックのような状態でした。そして新型コロナが加わった分だけ心筋梗塞や交通外傷が減るわけではなく、更にこの荷台に新型コロナを乗せようとしているのです。既に一杯の荷台に人を乗せるのですから、どうしても必要な人だけ乗せる工夫が必要です。
荷台に乗せるどうかの判断は「新型コロナであるか否か」ではなく「病院のケアが必要かどうか」です。 原因微生物が新型コロナでも、インフルエンザでも、肺炎球菌でも病院のケアが必要な人です。
でも現時点では・・「海外への渡航歴や接触歴は無関係に、37.5℃以上の発熱が4日以上、高齢者や合併症があれば2日以上(≒風邪?) ⇒ 保健所は帰国者接触者外来へ紹介」 ⇒ 原因を問わずノイローゼを含む軽症者が基幹病院へ ⇒ 基幹病院崩壊(保健所は無条件に帰国者接触者外来設置病院を教えるだけでトリアージなどしてません。 ≒非「非公開」)
繰り返しますが、重要な軸は「基幹病院のケアが必要か否か」であり、「コロナであるか否か」ではないという事です。 日本の感染症の世界が微生物中心(≒微生物名・検査Oriented)であり、臨床的・疫学的視点が脆弱であるという病理が結局、このように繰り返し、繰り返し、表現され続けているのです。
タイトル写真はネットから(http://www.nbcnews.com/id/29494356/ns/world_news-africa/t/refugees-flood-darfur-camp-after-fighting/#.XksjsC09xUM)

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