若セミとその周辺

若セミとその周辺を彩る物語が、長年の若セミファンから送られてきます。

以前の話です。
休診日に初診で高齢女性が、かぜをひいた
ようだとご主人に連れられてきました。
玄関で見た時は、にこやかに立っておられました。
診察室までご案内し、お話を伺ったところ
“庭の縁石に足をかけた瞬間に頭痛がして
何となく頭重感がある“とのことでした。
そんなひどい頭痛ではないといいます。
高血圧ではなく、普通に歩けますし、話せます。
ただ血圧を測定した時、腕にうっすら汗をかいていました。

突発的な頭痛、冷汗かもしれない。
血圧は高くないけど、普段は低い方なのかもしれない。

これだけの根拠で、日曜日の救急当番病院に
くも膜下出血の疑いで救急搬送しました。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血で手術をしていただき
今も後遺症なく当院通院中です。
やはり普段血圧は低めの方でした。

若セミ初回を聞くときいつも思い出します。
本当の若い先生方もこの講義を聞いていると
こんな経験をすることがあると思います。

新年度もよろしくお願い申し上げます。

本康宗信（グラム染色をする循環器医師）

10年以上も支えて下さる裏方にも感謝