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Channel: 感染症診療の原則
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イースターエッグ と その周辺

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4月1日はエイプリルフールでイースター(復活祭)でした。

Twitterを見ていたら、「イースターパフェ」の話、というツイートがありました。

モアイ像がのっかったパフェではありません(!)。

クリスマス、バレンタイン、ハロウィンと商業ベースにのった季節のイベントはいろいろあるのですが、キリスト教の重要イベントであるイースターの名前がついたスイーツがあるとは!と思いきや、話はそこであはりませんでした(^^;)。

背景や話を知らなくても仮装イベントとして広がっているハロウィン。
イースターは(よくわからないけど)卵とウサギでしょ?というかたちで定着するのかどうか。

・・もしかしてこんなことが起こるのかと考えないでもありません。
以下の事例は昔のお話なのですが実話です。

Staphylococcal food poisoning associated with an Easter egg hunt
JAMA. 1984 Aug 24-31;252(8):1019-22.


イースターの卵の周辺に黄色ブドウ球菌。

参加した800人のうち300人が発症という、分母すごいが分子もすごいよ?!なアウトブレイクです。

なんでそんなことががががが?ですが、

prepared the eggs three to five days before the hunt and which he left unrefrigerated

誰だよ!こんなことしたのは!?

卵の殻はプラスチックや鋼ではなく、内側と外側は通じていますので、汚染された手指をつっこんだ水の中にドブンとつけて冷やしたりすると、内部にいろいろ・・・(以下略)なわけですね。

たくさんの人に飲食物を提供する際には、一般家庭とは異なるレベルの衛生管理、「調理後の」管理が必要です。

臨床では、似たような消化器症状の事例に出くわした時、「似たような因子」に気づいて、「もっと他にもいるのでは?」な予感がします(ぜひ感じて下さい)。

そんな時は保健所に電話。「いやー、気になる事例があるんですけど!」と伝えておきます。
同じような電話が実は他の地域の医師からも入っているかもしれません。

共通点は・・「あの食材(お店)では?」といったことがわかります。
今どきは、検体から同じ遺伝子情報の菌やウイルスが!と検証も早くなっています。
食べ物関係は広域になりやすいので、1人でも苦しむ人を減らすために迅速に動きましょう。

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