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Q&A「Naと水と利尿薬の基本的な考え方」

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ファイザー主催 2月20日開催「薬剤師の為のベッドサイドティーチング」
藤田芳郎先生ご講演の「Naと水と利尿薬の基本的な考え方」のQ&Aです。

下記は、セミナーに参加した人がそこでの情報を元にしたものです。
特定の症例について参考にする際は、ご自身の責任でお願いいたします(免責事項)。

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質問1: 汗を大量にかいた場合、汗の成分が何なのか分からないのですが、単に「水」が出て行くと考えると、「細胞内脱水」と考えればよいのでしょうか。又は、「Na+K」が失われると考えると、「細胞内浮腫」+「脱Na」なのでしょうか。

汗は大量にかくとかなりNa濃度の濃いものが出ます。濃度としては、30−120 mmol/Lの変動で、少量の汗は薄く、大量の汗は再吸収する暇がなく、Na濃度は濃くなるようです。
「細胞内脱水」か「細胞内浮腫」があるかどうかは、血液検査を見ればわかります。高Na血症であれば、「細胞内脱水」であり、低Na血症を呈していれば、高血糖でなければ、「細胞内浮腫」であろうと思います。

質問2: Na吸収阻害薬使用時の格言 1,2を再度教えてください。

格言1:浮腫がない肝硬変の腹水患者は、腹水減少のための「利尿剤」投与によって、1日につき 0.3〜0.5 kg以上に体重を減少させてはいけない。
肝硬変による腹水から血管への移行は、1日に300から900 mL に限られているからである。
格言2:美容のための利尿剤(主に女性に多くみられる「特発性浮腫」に対する長期の利尿薬の乱用)は、腎機能を悪化させる。


質問3: 生体肝移植後、レシピエントに大量の5%gluを使用する理由はなんですか。

申し訳ありません。私は肝移植の経験がないのでわかりません。周囲にもいないので現時点でこの質問には答えられません。


質問4:実際にどれくらいの高血糖(BSいくつ?)の時に、低Na血症なのに細胞内脱水になるのでしょうか。

おおざっぱに言って血糖値が100 mg/dL上がるごとに血清Na値は1.6から2.5 mmol/L下がるといわれております。したがって、それだけ水が細胞内から細胞外へ移動することになります。100 mg/dLから400 mg/dLに上昇すればNaは140から135になるということになり、これも細胞内から細胞外への水の移動により薄められているということで、かなりの細胞内脱水ということになります。


質問5 Na吸収と水ホルモンだけ薬の使用方法を変えれば良いのでしょうか。
質問6  低Na血症を呈する心不全の人もう一度教えてください。

心不全は、細胞外液が多くなると考えられており、Na過剰の状態があると考えられております。加えて低Na血症を呈する場合は、細胞内浮腫ということで、細胞内浮腫+Na過剰と考えてよいと思います。


質問7: 化学療法で5%G 500mlを90分で入れているレジメンがありますが、大丈夫でしょうか。

血糖値や血清カリウム値に注意する必要があると思います。


質問8: ラシックスの投与量の特徴として、ある閾値を超えないと効果が出ないとされている一方、単回で高用量を入れても、生理機能の関係で十分な効果の持続はしにくいので、持続でラシックスを投与した方が、かなり利尿をかけたいときに有効とされると言われていますが、この考え方は臨床的にあっているでしょうか。また、その閾値を見極める所見(尿量の出方など)はあるのでしょうか。

おっしゃる通りです。ラシックスは効くなら4時間以内に効いてくるはずです。たとえば、20mg投与して4時間以内に尿量上昇などみられなければ、倍量投与します。同様に繰り返し、尿量上昇する量が見つかれば、1日2回投与します。ただし、糸球体濾過量20−50ml/分では、1回160mg(糸球体濾過量20ml/分以下ではラシックス200mg、ネフローゼではラシックス120mg、肝硬変で正常糸球体濾過量ならラシックス80mg、心不全で正常糸球体濾過量ならラシックス80mg)以上は投与しないようです。耳毒性などの副作用もあるからです。持続投与の方が副作用も少なくて、1000mgを超える量が投与できて効果もよいという意見があります(糸球体濾過量<25ml/分では、ラシックス20-40 mg/時間、糸球体濾過量が25−70ml/分ではラシックス10-20mg/時間、糸球体濾過量>75ml/分ではラシックス10mg/時間)が、Cochrane data base (Cochrane Database Syst Rev(3):CD003178,2005.)では結論が出ていません。

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藤田先生ご回答&コメントありがとうございました。

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