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Channel: 感染症診療の原則
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日本にとっても非常に大きな問題です。

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さてふと目にした記事ですが日本にとっても非常に大きな問題です。

詳細は元の論文を読んで頂きたいのですが、平たく言えば「新しい耐性菌の出現、新しい抗菌薬の開発に、耐性検査が追いついていない・・」という現実です。
ブレイクポイントを、どこに設定するのか、検査室での「MIC」が臨床的な効果「S」「I」「R」と相関しているのか・・
このような検討は時間がかかり、当然、耐性菌の出現、新しい抗菌薬の開発に追いつけなくなります。

さて、それでもClinical & Laboratory Standards Institute: CLSIのような組織がある国では、何とか追いつけば良いだけの話しですが、日本の場合はより深刻です。それは・・

日本では公的機関が責任を持って、[各医療機関が菌名を正確に同定し、感受性「S」「I」「R」を決定し臨床現場に報告できている]という事を継続的に調査し担保していないのです。

伊勢志摩で色々な耐性菌に関する話し合いがなされ、目標なども設定されましたが、もし日本に本当に菌名を同定し、耐性を検出する精度保証が無ければ(実際、無いのですが・・)伊勢志摩サミットの声明は「画餅」となるでしょう。

Humphries RM, Hindler JA.
Emerging Resistance, New Antimicrobial Agents  …  but No Tests! The Challenge of Antimicrobial Susceptibility Testing in the Current US Regulatory Landscape.
Clin Infect Dis. 2016 Jul 1;63(1):83-8.
PMID: 27025822


8月ですね・・家族旅行・家庭サービスなどでお忙しい日々と想像します。ご自愛下さい。







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