春休み旅行と麻疹（はしか）

2012年は麻疹排除宣言をめざしている日本なのですが、2012年1月から昨年をうわまわるペースで報告があります。
愛知県は豊田市を中心にすでに20例規模の麻疹報告があるそうです。

麻疹ウイルスの大好きな季節はこれから（春）です。

ヨーロッパなどで流行しているウイルスを、卒業旅行や春休み旅行の学生が国内に持ち帰らないことを祈りましょう。

イギリスはフランスやスペイン等とくらべれば麻疹の再流行規模は小さいといわれています。
イギリスの特徴として、その医療システムから、診断や治療のデータ収集がしやすいということがあります。
サベイランスを担当する人にとってはうらやましいお話。

歴史的に各地域が保健医療関係のデータをまとめています。下記はHPAのイングランドとウェールズについての麻疹報告。2012年1月分。

Measles cases in England and Wales: update to end-January 2012

1月の麻疹確定症例（発症日で計算）は37例で、11月の66例、12月の57例と比較して減少。
南東地区からの報告が中心でした。
リバプールでの麻疹集団発生事例、それに続く北ウェールズのアウトブレイクは調査中で、2月の報告は1月よりも増加するとみこまれています。

昨年、この地域で報告された麻疹のラボ診断確定例は1086例、2010年は380例、2009年は1144例でした。
もっとも報告が多かったのはロンドン、南東地区で、2010年と2011年の特徴としてより年上の子ども（14歳以上）や大人が40％となっています。
（2009年は20％程度でした）。
全体の14％は旅行歴がある、または同居者が海外旅行歴がある人でした。
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米国ではインディアナ州で麻疹拡大が問題になってはいますが、そうたくさんの人が観光で行く場所ではないと思います。
英国の場合はロンドンなど都市部でも流行しているため、観光客が曝露する可能性はありますね。

潜伏期間がありますので、感受性者が発症するのは通常帰国してから。

しかし。春休みなので長く現地に滞在していると現地で発症もあるかもしれません。電車や飛行機に乗れなくなり、予定の便を逃すと数十万円の予定外の出費になります。
飛行機の中で発症したとなると追跡調査などおおがかりになります。
同じ飛行機に未接種の赤ちゃんなどがいるとこれまたたいへんなことに。

これから出かける方で、未接種、1回しか接種していない人は1回追加してから出発しましょう。