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寺澤秀一@若手医師セミナー Q&A

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寺澤先生より先日の感動的なセミナに寄せられた質問に対するご回答を頂きました。ご覧下さい。


2015年8月21日開催 第4回若手医師セミナー 質問一覧

①質問者 : 医師 プライマリケア 40代
質問内容 : 最近、医療の現場で悩んでいる研修医の先生が少しづつでしょうか...以前より増えているような気がします。どのように接したらいいのでしょうか。どのように声をかけて、これからがんばっていったらいいのでしょうか。

回答
指導する我々の研修医時代と比較せずに、今の研修医の先生方がどのような家庭で育ち、どのような高校時代、大学時代を生きてきたのかを知ってあげることが大事だと思います。言い換えますと、彼等の人生に寄り添えば、自然と接し方が見えてくると思います。


②質問者 : 胸筋がすごい研修医
質問内容 : 寺澤先生、青木先生おつかれさまです。
寺澤先生と青木先生の昔のお写真をみて驚きました。
私の病院にも性格は破天荒ですが、何か光るものを持っている同期がいます。どこか飄々としていて頭が抜けている感じです。
将来、良い医師になる上で大切なファクターとは一体なんだと思いますか。

回答
自分のために医師(主役)をするのではなく、患者さんとその御家族のために医師(脇役)をするという本来の軸がぶれないことですね。他の医師と競争しないで、患者さんとその御家族のことを最優先に考えられる自分のペースを持っていることでしょうか。それと、「文句を言わないこと」ですね(笑)。全てを受け入れる謙虚さがあれば、文句など言いませんね。謙虚な人は必ず優秀な臨床医になれます。


③質問者 : 医師 プライマリケア 40代
質問内容 : 今日で最後なんて言わないでください!また来年もお願いします!!

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。後進の若い医師達に講演するチャンスをあげたいのです。何故なら講演することで一番進歩するのが自分だからです。どうぞ御理解の程、お願い申し上げます。


④質問者 : 神経内科医  60代
質問内容 : 適切な病歴を取り、理学的所見をとって、補助検査に依存せずに病巣部位を決めて、病因を推定し、臨床診断ができる機会を持つために、臨床能力の高い指導医の存在が必要かと考えます。一人で、患者さんから学ぶ姿勢は大切でしょうが、患者さんが犠牲となる可能性があります。病院の大小でなく、できる臨床医のもとで臨床を学ぶことが大切でしょう。

回答
御指摘、ありがとうございます。同感です。十分な訓練をしないで、一人で診療するだけでは患者さんが危険です。初期研修~専攻研修のうちに、御指摘の「適切な病歴を取り、理学的所見をとって、補助検査に依存せずに病巣部位を決めて、病因を推定し、臨床診断ができる」機会をもち、その後になら一人で自己研鑽していくのも十分可能だと述べたかったのですが、誤解を招くような言い方になってしまいました。すみませんでした。


⑤質問者 : 救急と脳外科の専門医 50代
質問内容 : 含蓄のある講演でした。
 私も、研修医に行きたい科以外の科で研修する事を勧めるようにしています。でも、大抵は拒否されます。どの様にすればよいでしょうか?

回答
研修医の先生方は同年代の研修医と競争しているような錯覚に陥っているので、同年代の同じ領域を目指す研修医より早く自分の専門領域を研修したがるのでしょう。それが無意味だったとわかるのには時間がかかるのですね。彼等に、自分の目指す領域以外の研修こそが、患者のため、そして今の自分にこんなふうに役に立っていると事例をあげて話してあげることです。


⑥質問者 : 医師 総合内科医 30代
質問内容 : 私は医師5年目~8年目に離島(奄美大島)の病院・診療所で働いていました。
資格などは取れませんでしたが、良い経験ができたと思っています。
寺澤先生のお話を聞いて自分の3年間は無駄ではなかったと感じ嬉しくなりました。
ありがとうございました。

回答
無駄ではなく、先生の将来に大きなものを培ったはずです。胸を張って研修医の先生方に先生の離島での経験が今このように役立っているという例をあげて話してあげて下さい。


⑦質問者 : 医師 放射線科医 30代
質問内容 : 僕は内科医、救急医、集中治療医をして、現在放射線科医をして10年目となっています。患者さんのためになる医師となっていると自負はありますが、周りからの評価はあまり高いものではありません。このような自分をかえりみると、やはり同僚から評価される医師を目指すのは止む終えないなかといま感じています(周りからの評価、給与面で)。このような状態をどういう風に自分の中で咀嚼していけばよいでしょうか?
ちなみに今回の講義の中で腹腔動脈解離等を診断するために、放射線科研修を始めました。
今後は放射線科医から、また救急医に戻ろうと考えています。
福井大学卒業で、寺沢先生の大きな影響を受けたうちの一人です。

回答
若い頃は、他の医師から評価されたい、高給で優遇されたい、有名になりたい、いいポジションに就きたい---という不純な動機で勉強する、頑張るのでもいいのです。しかし、そういう不純な動機でやっていますと、いつまでたっても他の医師から評価されず、高給で優遇されず、有名にもならず、いいポジションにも就けないのです。ある時期にそういう不純な動機ではなく、患者さんやその御家族のために---研鑽する自分が発生しますと、いつの間にか、他の医師から評価され、高給で優遇され、有名になり、いいポジションに就かされているものです。「求めると得られず、求めないと得られる」ようになっているようです(笑)。


⑧質問者 : 理学療法士 40代
質問内容 : 医師ではないので、先生のお話が聞ける機会は本セミナーのみでした。頻度が減っても良いので是非とも継続して頂きたいと思います。先生の哲学を聞きたいです。

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。後進の若い医師達に講演するチャンスをあげたいのです。何故なら講演することで一番進歩するのが自分だからです。どうぞ御理解の程、お願い申し上げます。


⑨質問者 : 内科医 30代
質問内容 : 寺沢先生の話を研修医の時に聴いて、感動したことをよく覚えています。いつも勇気をたくさんいただくお話しをありがとうございました。ぜひ、続けてくださると本当に嬉しいです。

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。後進の若い医師達に講演するチャンスをあげたいのです。何故なら講演することで一番進歩するのが自分だからです。どうぞ御理解の程、お願い申し上げます。先生の今後の医師人生が幸せなものでありますよう祈念いたしております。



⑩質問者 : 医師
質問内容 : 父を今年亡くした研修医です。父の死に対して、医師としての立場、家族としての立場を抱え、消化できぬまま複雑な気持ちで救急研修に取り組んでいました。先生の語られたエピソードで心が軽くなった気がします。ありがとうございました。

回答
医師は自分が患者になったり、大事な人を失う経験をしたりしてから、患者さんやその御家族の心情を本能的に感じるとることができるようになり、本当の医師に近づくようです。


⑪質問者 : 医師 離島医師 30代
質問内容 : こんばんは。
OCH出身で、沖縄最北端の離島診療所で働いています。
若手医師セミナーは初回から聴講させて頂いていますが、今までのセミナーで一番勉強になりました。ありがとうございます。来年も先生のお話を聴けるのを楽しみにしています。
質問でなくて申し訳ございません。

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。後進の若い医師達に講演するチャンスをあげたいのです。何故なら講演することで一番進歩するのが自分だからです。どうぞ御理解の程、お願い申し上げます。先生の今後の医師人生が幸せなものでありますよう祈念いたしております。



⑫質問者 : 30代小児科医
質問内容 : ER帰宅後の患者さんに電話する場合は、寺澤先生ご自身が電話されるのですか?看護師や研修医が電話するのですか?

回答
私自身が電話しています。何故なら電話は声だけなので、診療した医師が話さないと患者さんやその御家族に余計な不安を与えてしまうと思うからです。


⑬質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 静岡感染症セミナー、キューラ、若セミで寺澤先生のご講演を拝聴し、何とか今も診療ができています。本日は医学生、研修医だけでなく、私の年代でもとてもためになるお話でした。診療所では、ともすると一人で判断しがちになり、自分を主役にしてしまうところがあります。1年に1回、寺澤先生のお話を伺って、反省できています。来年からはどうしたらよいでしょう。先生のお話を楽しみにしているのは若手だけではありません。先生の生のお声を拝聴する機会を設けていただきたいと思っています。本日が区切りとのこと、今までありがとうございました。

回答
こちらこそ、ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。後進の若い医師達に講演するチャンスをあげたいのです。何故なら講演することで一番進歩するのが自分だからです。先生の今後の医師人生が幸せなものでありますよう祈念いたしております。


⑭質問者 : 医師 精神科 30代後半
質問内容 : 医師7年目になりましたが、毎年先生の講演を拝聴していました。本日も医師として大切なことを教えていただきありがとうございました。これからも先生のお言葉を忘れずに、自分を磨いていきます。

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。先生の今後の医師人生が幸せなものでありますよう祈念いたしております。



⑮質問者 : 医師 呼吸器内科
質問内容 : 失敗が怖くて、研修医に指導する時に完璧を求めてしまいます。どう心がければよいでしょうか

回答
自分の研修医の頃を思い出せばいいのです。研修医の頃、先生も完璧にはできなかったと思います。そうするとできない研修医を許せます。次に、勿論、失敗は良くないし、ゼロを目指すべきですが、人がやる以上、どんなに努力しても失敗はゼロにはなりません。だとしたら、失敗をゼロにする努力とともに重要なのは、失敗した後の対応です。失敗した後の対応ができるようになると、後輩の失敗を恐れず、「やってみなさい、失敗したら、私がなんとかしてあげるよ」とにっこり笑って言ってあげられるようになります。

⑯質問者 : 医師 やぶ医者 40代
質問内容 : 今日の再放送を、ぜひお願いします!

回答
ファイザー(株)さんに頼んでみますが---。



⑰質問者 : 小児科医(小児救急) 40代
質問内容 : 小児救急でも、その場での親の感情に寄り添って蘇生などの処置を施すべきでしょうか? その場面では助けて欲しい一心ですが、その後の障害児としての長期管理に直面すると社会的サポートが整っていないこともあり、現実問題として困難を極める家族が多いと感じます。医者としてそれも考えて引き際も提示するのが良いのか、常に家族の思いに全力で答えるのが良いのか、悩んでいます。

回答
簡単に答えが見つからない問題ですね。医師が一生、悩み続けるべきテーマだと思います。今、悩んでおられることがとてもいいと思います。先生の御経験が増えるにつれて、御家族に先生の率直な意見も言えるようになり、御家族と一緒に悩んで決断するshared decision making が可能になると思います。




⑱質問者 : 医師 産婦人科 40代
質問内容 : 一回目から毎回拝聴させて頂いております。寺沢先生のメッセージは毎回心を打つものがありました。本当に今までお疲れさまでした。出来うるなら、もう少し講義を続けて頂きたいと思います。
また懐かしい御尊顔を拝見出来ました。苦しく楽しかった中部病院時代が思い出されました。

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。後進の若い医師達に講演するチャンスをあげたいのです。何故なら講演することで一番進歩するのが自分だからです。先生の今後の医師人生が幸せなものでありますよう祈念いたしております。



⑲質問者 :
質問内容 : 最高の講演会です。
タイムシフトで途中から聞きなおしています。

回答
ありがとうございます。そう言っていただけるのは一番嬉しいことです。先生の今後の医師人生が幸せなものでありますよう祈念いたしております。



⑳質問者 : 二年次初期研修医
質問内容 : 大変心に残るご講義ありがとうございました。
病院や指導者を選んではいけないというお話は耳が痛かったですが、寺澤先生など優れた先生方はやはり、沖縄中部やアメリカなどで研修を積んだ方々が多いように思います。先生のこれまでの研修の経験を思い出されても、やはり優れた指導者や良い環境を選ぶべきではないとお考えになられますか?

回答
僕が応募する前年まで、沖縄県立中部病院の研修医数は定員割れしていました。当時は決して有名な研修病院ではなかったのです。僕は沖縄県立中部病院が有名な研修病院だったから応募したのではありません。将来、当直の際に専門外で患者さんに不利益を与えるような医師にならないために、一年目の医師にスーパーローテーションさせてくれる施設を探したら、当時は3施設しか見つけられませんでした。その3つ施設の1つが、たまたま沖縄県立中部病院だったのです。
何を学ぶべきかわかっていない医師が有名指導医につき、有名施設で、海外留学をしても優秀な臨床医にはなれません。そういう医師をたくさん見てきました。何を学ぶべきかをわかっている医師で、有名指導医につかず、有名施設で研修せず、海外留学をしないで素晴らしい臨床医になった医師もたくさん見てきました。何処で、誰に教わるかではなく、何を学ぶべきかを認識できているかどうかが大事なようです。



㉑質問者 : 看護師 医療介護病棟勤務 40代
質問内容 : 以前勤務していました、120床程の整形外科、消化器内科で大学病院から、脳外科、外科、整形、の医師が外来診療をされる病院ですが、救急輪番もありました。救急隊から受け入れ要請があり、電話での情報と来られた時の患者の状態が違う、1度寝たきりで排泄もそのまま、カビだらけの患者を受け、「変な患者を受けた!」と言われたことがありました。また、1度断った救急を1時間後また、どうしてもとって下さい!と電話があり、要するに1時間他の病院も断っていたことであり、広島市内ならば直ぐにとってくれそうであるが、実際は面倒で医師が断る場合もあります。患者の生命の存続が危ぶまれます。まずはどんな患者も断らないことが重要と先生も講義でおっしゃられてましたが、本当にそう思います。

回答
この国で、約40年近く、断らない救急医をしてきましたが、最近の救急車受け入れ拒否の問題はとても残念です。「医師は求めがあったら診療を拒んではならない」という原点はいつからずれたのでしょうね。

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