「コンドーム使わないセックスありました?」ときかれて「まったくありません」と言い切れる人が少ないため、HIVの場合は(頻度は低いにしても)そうか、感染の機会もあったかもしれない、と思う訳です。
B型肝炎もどうようです。特に日本人は子どものときに予防接種をしてもらえていない子どもが多いため、「ワクチンしてなかったんですか?」と聞くのは酷な状況です。(診察室でワクチンがあったんですか!と泣き崩れる当人や保護者はいますが)
C型肝炎の場合は、異性間での性感染はごく稀で(男性どうしのセックスではアウトブレイクもおきています)、輸血もしていないし、血液製剤もないし、手術もしていないし、刺青も、ピアスもないし。歯医者くらいしか思い当たらない。他になにかあったかなあ・・・・で、健診などで突然指摘されて驚く方が多いです。
まれに感染経路不明の院内感染も報告されます。
「沈黙の臓器」といわれるように、自分で「肝臓の調子がおかしいな」と気づくことはとても難しいです。
日本にはどれくらいの感染者がいるかというと、古い感染研の数字ですが、
「2000年時点の年齢に換算して集計したHCV抗体陽性率は、 16〜19歳で0.13%、20〜29歳で0.21%、30〜39歳で0.77%、40〜49歳で1.28%、50〜59歳で 1.80%、60〜69歳で3.38%である。HCV抗体陽性者の7割がHCV持続感染者(HCVキャリア) であるとすると、15〜69歳までの年齢層の中で100万人近い人々が、HCVに感染していることを 知らずに生活していることになる。」
です、
HIV感染症は治療薬の進歩によって、「早期に診断され」「治療の最適タイミングを逃さなければ」感染してない人と数年しかかわらないほど長生きできるというデータが出ています。
日本の場合は受診の遅れ、診断の遅れが問題ですが、日本よりうんとはやく診断される他の先進国で問題になっているのは肝炎ウイルスの合併です。
HIVに感染していなくても、肝炎単独でHIVをうわまわる疾病負荷があるという報告。
The Increasing Burden of Mortality From Viral Hepatitis in the United States Between 1999 and 2007
Annals of Internal Medicine February 21, 2012 vol. 156 no. 4 271-278
WHOによりますと、170,000,000(1億7千万)人がHCVに感染していると推定されていますが、無症状の人が多いため実際にはこれよりはるかに多いと考えれています。
エジプトは世界でもっともHCV感染が深刻といわれており、人口の22%が感染しています。
米国では、HIVよりもHCVで死亡する人が多くなっています。
2007年の死亡をみてみると、15,100人がHCVが原因で死亡。HIV関連出の死亡は12,7000でした。
HIV関連死亡は1999から2007年にかけて減少していますが、HCVは増加傾向です。
これは死亡診断データを元にしていますが、多くの人は感染にづいていないため、HCVはこれよりもっと多いだろうと考えられています。
米国のHCV感染者の3分の2は1945-1964年にうまれた「ベビーブーマー」で、1960〜1980年代に薬物使用が広がった時代の人たちです。
この時代、針や注射器を共有するのはふつうのことでした。
他の感染経路には輸血や血液製剤の使用、臓器移植がありますが、臓器移植の際のユニバーサルスクリーニングがはじまったのは1992年
現在も、多くの国では献血で提供された血液でのC型肝炎スクリーニグをしていません。費用がかかるからです。
この世代は治療の進歩の恩恵にもあずかっているのは事実です。
20年前に有効な治療はありませんでした。
しかし、現在はリバビリンとインターフェロンによって45-80%の患者ーウイルスの遺伝子型による;欧米で多い1型の治療は難しいーは根治できるようになりました。
2011年の春、米国FDAは新しい経口治療薬を承認。リバビリンやインターフェロンの併用により、治療が難しい1型の患者で45-70%奏功するといわれています。シェーリングブラウの開発したboveprevir(Victrelis)と、VertexとJohnson & Johnsonによるtelaprevir (Incivek) です。
治療薬にかかる費用はtelaorevirで5万ドル(80円計算で400万円)、boveprevirは期間によって26,000ドルから48,000ドル(280万円〜384万円)です。
2012年2月7日現在、臨床試験が始まっているHCVの治療薬の一覧はこちら
ワクチンはどうでしょう?
HCVワクチンはまだ開発途上です。
先日メディアが扱っていたのはオックスフォード大学のグループによるものです。41人の健康なボランティアを対象に接種をしたところ、強い免疫反応が得られたとのことです(有為な副反応なし)
カナダのアルバータ大学の研究者の開発も話題になっています。
B型肝炎もどうようです。特に日本人は子どものときに予防接種をしてもらえていない子どもが多いため、「ワクチンしてなかったんですか?」と聞くのは酷な状況です。(診察室でワクチンがあったんですか!と泣き崩れる当人や保護者はいますが)
C型肝炎の場合は、異性間での性感染はごく稀で(男性どうしのセックスではアウトブレイクもおきています)、輸血もしていないし、血液製剤もないし、手術もしていないし、刺青も、ピアスもないし。歯医者くらいしか思い当たらない。他になにかあったかなあ・・・・で、健診などで突然指摘されて驚く方が多いです。
まれに感染経路不明の院内感染も報告されます。
「沈黙の臓器」といわれるように、自分で「肝臓の調子がおかしいな」と気づくことはとても難しいです。
日本にはどれくらいの感染者がいるかというと、古い感染研の数字ですが、
「2000年時点の年齢に換算して集計したHCV抗体陽性率は、 16〜19歳で0.13%、20〜29歳で0.21%、30〜39歳で0.77%、40〜49歳で1.28%、50〜59歳で 1.80%、60〜69歳で3.38%である。HCV抗体陽性者の7割がHCV持続感染者(HCVキャリア) であるとすると、15〜69歳までの年齢層の中で100万人近い人々が、HCVに感染していることを 知らずに生活していることになる。」
です、
HIV感染症は治療薬の進歩によって、「早期に診断され」「治療の最適タイミングを逃さなければ」感染してない人と数年しかかわらないほど長生きできるというデータが出ています。
日本の場合は受診の遅れ、診断の遅れが問題ですが、日本よりうんとはやく診断される他の先進国で問題になっているのは肝炎ウイルスの合併です。
HIVに感染していなくても、肝炎単独でHIVをうわまわる疾病負荷があるという報告。
The Increasing Burden of Mortality From Viral Hepatitis in the United States Between 1999 and 2007
Annals of Internal Medicine February 21, 2012 vol. 156 no. 4 271-278
WHOによりますと、170,000,000(1億7千万)人がHCVに感染していると推定されていますが、無症状の人が多いため実際にはこれよりはるかに多いと考えれています。
エジプトは世界でもっともHCV感染が深刻といわれており、人口の22%が感染しています。
米国では、HIVよりもHCVで死亡する人が多くなっています。
2007年の死亡をみてみると、15,100人がHCVが原因で死亡。HIV関連出の死亡は12,7000でした。
HIV関連死亡は1999から2007年にかけて減少していますが、HCVは増加傾向です。
これは死亡診断データを元にしていますが、多くの人は感染にづいていないため、HCVはこれよりもっと多いだろうと考えられています。
米国のHCV感染者の3分の2は1945-1964年にうまれた「ベビーブーマー」で、1960〜1980年代に薬物使用が広がった時代の人たちです。
この時代、針や注射器を共有するのはふつうのことでした。
他の感染経路には輸血や血液製剤の使用、臓器移植がありますが、臓器移植の際のユニバーサルスクリーニングがはじまったのは1992年
現在も、多くの国では献血で提供された血液でのC型肝炎スクリーニグをしていません。費用がかかるからです。
この世代は治療の進歩の恩恵にもあずかっているのは事実です。
20年前に有効な治療はありませんでした。
しかし、現在はリバビリンとインターフェロンによって45-80%の患者ーウイルスの遺伝子型による;欧米で多い1型の治療は難しいーは根治できるようになりました。
2011年の春、米国FDAは新しい経口治療薬を承認。リバビリンやインターフェロンの併用により、治療が難しい1型の患者で45-70%奏功するといわれています。シェーリングブラウの開発したboveprevir(Victrelis)と、VertexとJohnson & Johnsonによるtelaprevir (Incivek) です。
治療薬にかかる費用はtelaorevirで5万ドル(80円計算で400万円)、boveprevirは期間によって26,000ドルから48,000ドル(280万円〜384万円)です。
2012年2月7日現在、臨床試験が始まっているHCVの治療薬の一覧はこちら
ワクチンはどうでしょう?
HCVワクチンはまだ開発途上です。
先日メディアが扱っていたのはオックスフォード大学のグループによるものです。41人の健康なボランティアを対象に接種をしたところ、強い免疫反応が得られたとのことです(有為な副反応なし)
カナダのアルバータ大学の研究者の開発も話題になっています。