感染症リスクコミュニケーション的な話。
WHOミッションが韓国MERS対応の支援をしての1番の功績は、出てくる数字が疫学情報になったことです。
重要なのはヒト、時間、場所情報です。
当初ニュースではまったくわからず、ただ検査陽性数と死亡数が流れ、病院や感染がおきたであろう場所(接触ポイント)がありませんでした。 これが不安、疑心暗鬼要素となりました。
また、各国の専門家からは韓国CDCの情報が政府や韓国語でしかでてこないことも疑問視されていました。
過去のSARSの教訓がありますので、韓国の関係者は意図的に隠していたわけではありません。
現場対応や国内批判対応でいっぱいいっぱいだったことを聞いています。
WHOの専門家ミッションが入ることにより、アウトブレイクの全体像や現時点のスナップショット的な情報がわかるようになりました。
エボラ対策支援のリベリアやシエラレオネでは現地の医療者や市民とも英語で会話や印刷情報を共有できましたが、今回は英語-韓国語通訳を入れないと作業が進まなかったと思いますが。
それまでは、ニュースであらたに何例、とあっても、そもそもどんなひとなのか、症状がある患者なのか、無症状だけど拡大検査の中で捕捉された陽性のひとのかが不明でした。
メディアの発表数をその日の発症のように誤解する人もいました。
いつの検査なのか、そもそも発症日はいつなのか。
どの病院での曝露なのか。
整理の日時: 6/15 18時
症例情報:
検査対象者情報無し。
今回の流行での総数:検査診断は合計150例
6/15の時点の症例数は120例
症例の概要: 103例は安定(stable)、17例は注意が必要な状態( unstable)
6/14-15にかけての24時間以内の新規診断は5例。
退院4例、死亡2例。
全体で見ると症例の47%が入院中の感染、36%が面会者(家族など)、17%が医療者。
source ProMED http://promedmail.org/direct.php?id=20150615.3437614
日本ではどうか?ですが、
そもそも毎週の感染症週報やイベント情報をリアルタイムで英語で出せているのか?
複数病院で同時にアウトブレイク案件があったときに疫学調査にかかれる人員はどれくらいいるのか(普段から訓練されているのか)、保健所の感染担当者は必ずしも感染症専門家ではないが、結核初め日常の業務をしながら危機対応ができるのか、相互に応援しあうことになっているのか(国、自治体、県や市の連携)、応援に来る人の宿泊や日常支援を担当するロジは想定しているのか、など、今回のことから学ぶことはまだまだたくさんありそうです。
弱点を洗いだし予算やマンパワーを見直すよい機会でもあります。
1番の弱点はnever eventへの備えのマインドがないことですけども。
起きてほしくないこと起きたら困ることは想定や検討さえしない組織は危機に脆弱。
WHOミッションが韓国MERS対応の支援をしての1番の功績は、出てくる数字が疫学情報になったことです。
重要なのはヒト、時間、場所情報です。
当初ニュースではまったくわからず、ただ検査陽性数と死亡数が流れ、病院や感染がおきたであろう場所(接触ポイント)がありませんでした。 これが不安、疑心暗鬼要素となりました。
また、各国の専門家からは韓国CDCの情報が政府や韓国語でしかでてこないことも疑問視されていました。
過去のSARSの教訓がありますので、韓国の関係者は意図的に隠していたわけではありません。
現場対応や国内批判対応でいっぱいいっぱいだったことを聞いています。
WHOの専門家ミッションが入ることにより、アウトブレイクの全体像や現時点のスナップショット的な情報がわかるようになりました。
エボラ対策支援のリベリアやシエラレオネでは現地の医療者や市民とも英語で会話や印刷情報を共有できましたが、今回は英語-韓国語通訳を入れないと作業が進まなかったと思いますが。
それまでは、ニュースであらたに何例、とあっても、そもそもどんなひとなのか、症状がある患者なのか、無症状だけど拡大検査の中で捕捉された陽性のひとのかが不明でした。
メディアの発表数をその日の発症のように誤解する人もいました。
いつの検査なのか、そもそも発症日はいつなのか。
どの病院での曝露なのか。
整理の日時: 6/15 18時
症例情報:
検査対象者情報無し。
今回の流行での総数:検査診断は合計150例
6/15の時点の症例数は120例
症例の概要: 103例は安定(stable)、17例は注意が必要な状態( unstable)
6/14-15にかけての24時間以内の新規診断は5例。
退院4例、死亡2例。
全体で見ると症例の47%が入院中の感染、36%が面会者(家族など)、17%が医療者。
source ProMED http://promedmail.org/direct.php?id=20150615.3437614
日本ではどうか?ですが、
そもそも毎週の感染症週報やイベント情報をリアルタイムで英語で出せているのか?
複数病院で同時にアウトブレイク案件があったときに疫学調査にかかれる人員はどれくらいいるのか(普段から訓練されているのか)、保健所の感染担当者は必ずしも感染症専門家ではないが、結核初め日常の業務をしながら危機対応ができるのか、相互に応援しあうことになっているのか(国、自治体、県や市の連携)、応援に来る人の宿泊や日常支援を担当するロジは想定しているのか、など、今回のことから学ぶことはまだまだたくさんありそうです。
弱点を洗いだし予算やマンパワーを見直すよい機会でもあります。
1番の弱点はnever eventへの備えのマインドがないことですけども。
起きてほしくないこと起きたら困ることは想定や検討さえしない組織は危機に脆弱。