Quantcast
Channel: 感染症診療の原則
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

ICAAC2014 Online 心内膜炎の治療#9

$
0
0
ICAAC2014 Online
本日もManagement of Endocarditis: An Update

本日からBruno Hoen先生の「手術(弁膜)による心内膜炎による脳梗塞予防」です。

結論から先に言うと「早期手術で脳梗塞予防をすると良い」という証拠は無いです。
でも、全く無意味な論議でもない・・。非常にSelectionされた状況ではあり。
実際、欧州ではExpertOpinionとして推奨されている。

#:IEと脳梗塞について:一般的な事
・IEの15-40%は脳梗塞を起こしている。そのうちの半分は診断・治療が始まる前。
・脳梗塞で診断される事もある。
・抗菌薬で脳梗塞はへる。抗菌薬が1週間使用された後でおこるのは3%のみ。
・脳梗塞例は予後も悪い。
・MRIは無症状の脳梗塞も診断(最高で82%に生じている)下図参照


Misfieldら, J Thorac Cardiovasc Surg 2014;147:1837-46

#:どのような要素が脳梗塞起こしやすいか
1)黄色ブドウ球菌
2)僧帽弁
3)疣贅のサイズが1cm以上で”Mobile”である。

#:IEで手術が本当に必要な場合 (研修医は、これだけ暗記)
1)Heart failure
2)Severe anatomical/functional valve damages
3)Uncontrolled infection

#:欧州での心臓外科の適応
・症例の半分は外科的な治療を受けている。
・適応例:
congestive heart failure (60%),
refractory sepsis (40%),
embolic complications (20%),
vegetation size (50%),
Tomos Pら, Heart 2005;91:571-575

#:早期手術の効果(韓国からの報告)
・早期手術(ランダム化後48時間以内)はOutcomeを変えるか?
・主たるOutcome:病院内死亡、6週間以内の梗塞
・結果:手術したほうが良い結果(特に梗塞が減った)
・研究の問題:一つの施設の経験。患者は若い(平均46歳)。殆どの起炎菌は連鎖。
Kang DHら, N Engl J Med 2012;366:2466-73

#:演者の結論
・詳細は下図を参照。
・大雑把には
1)黄色ブドウ球菌、疣贅がM弁、Mobility+、サイズでかい・・ならば手術を考慮
2)更に他の手術適応(例:心不全)があれば


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

Trending Articles