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Channel: 感染症診療の原則
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残念な豊橋市のHIV検査ポスター

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12月1日は世界エイズデーイベント。

6月にはHIV検査啓発週間があります。

ふだんは平日昼間しか検査をしない自治体も、夜間検査、土日検査、1週間結果を待たなくてもいい「即日検査」rapid test等を計画します。
臨時検査の情報はHIV検査相談マップのイベントページ

豊橋市の啓発ポスターがネットで話題になっていました。

いろいろな意味で残念です。

こちら↓
豊橋市のFacebookの記事で紹介

まず日本のHIV感染症の流行状況ですが、東京 大阪 愛知 福岡などの都市部と若い人口がそう多くない地域では様子がちがいます。


ポスターは制服の男女 →検査啓発のターゲットとして10代男女の優先順位が高いのか?

愛知県エイズインフォメーションというサイトでみることができる疫学データには、なんと!感染症の説明に重要な性別と年齢の情報がありません。 びっくりしました。

豊橋市は数としても多いのか分かりませんが・・・(分母の人口とでないと語れない)。

都市部では男性とセックスをする男性(MSM)で流行しているというのは、国のエイズ発生動向委員会でも毎回指摘されていることです。

また、「壁ドン」というのだそうですが、されてウレシイどMな人もいるのかもしれませんが、威嚇行動ともとれます。嫌いな人にされたら不愉快じゃないですか?

この命令口調の台詞はなんですかね?

保健所の「自発検査」は自分でリスクを検討して受けるかどうかきめればいいのであって、こんな上から目線の言われ方で検査に行く必要がありません。

このようなポスターは若年層にpower relationやジェンダー間の様々な問題を擦り込むリスクもあり、上記のような公衆衛生の問題だけでなく、教育上の残念もありますね。

こういったものが違和感なく、関係部署でポスターとして決定されて公開されていることに、豊橋市だいじょうぶか?と不安になった案件でした。

[参考]コミュニケーションや啓発の勉強になる 過去のエイズ啓発ポスター

こちらも全然意味が分からないポスター 「わかってる?」「うん わかってる」

限られた予算を本当にサービスを必要としている人のために使おうと考えている教育や公衆衛生の人がいるのか不安になった案件でした。

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