麻疹とポストエボラ症候群

WHOは21日×2倍の42日の観察期間をもって、リベリアのエボラの流行が止まったことを確認。

Liberia is declared Ebola free

新規感染をとめるためには、症例の隔離、接触者の観察（発症したらすぐ隔離）という基本をひたすらやることなのですが、リベリアは米国が中心となってその対策がすすみました。


しかし、「その後」問題も忘れてはいけません。

エボラの流行時、学校が休校になったり、従来の乳幼児の予防接種プログラムや母子保健プログラムが止まったり脆弱になりました。
この結果、リベリアでは現在麻疹が流行し始めています。

As Ebola Leaves Liberia, Measles Makes A Forceful Comeback


回復した人たちの「その後」の話題も。

マールブルグとかエボラなどの出血熱ウイルスは感染症法上の「一類感染症」で、検査の検体の中には血液以外にも精液や前眼房水などがならんでいます。

血液でウイルスが陰性化しても、精液や眼からは長くウイルスが検出できることはこれまでにもわかっていたことですが、
アウトブレイクが落ち着いたリベリアで新規報告された症例が、サバイバー男性からの感染ではないか？ということと、エモリー大学に入院していた症例が回復して退院したあとに眼の症状で受診、ウイルスが検出されたということがニュースになっていました。

血液はとれますが、精液はご本人の協力が必要で、眼からの採取はたいへんですね。

WHO 2015年5月8日　Interim Advice on Sexual Transmission of Ebola Virus Disease

コンドームがもともとどのくらい普及している（受け入れられている）か，ということも課題。
エボラ治療センターを退院するときには予防のための教育は行われていたそうです。


NEJM 　2015年5月7日　Persistence of Ebola Virus in Ocular Fluid during Convalescence

JID 1999年　Late Ophthalmologic Manifestations in Survivors of the 1995 Ebola Virus Epidemic in Kikwit, Democratic Republic of the Congo
J Infect Dis. (1999) 179


第一種感染症指定医療機関では勉強会の話題などにしてみるのもいいかも。

'Post-Ebola Syndrome' Persists After Virus Is Cured, Doctor Says