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Channel: 感染症診療の原則
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危険なほどに不十分 Dangerously Inadequate

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Ebola and ethics: autopsy of a failure

という題でBMJのEditorialが送られて来ました。

今回のEbola集団発生では、初動が非常に遅れMSF(国境なき医師団)からは「危険なほど不十分」と指摘されながらもWHOなど大きな国際機関は本当に動けませんでした。

また初動が遅れただけではなく、多くのDebateや記事によれば「お笑い」とまで言われる本末転倒の議論に対策の主軸がぶれた・・といった内容です。詳細は原文をご覧下さい。
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2105 (Published 23 April 2015)
Cite this as: BMJ 2015;350:h2105

勿論、日本も例外でなく、ぶれまくっていた・・(正確には「ぶれる」レベルにも届かず、前線に立つ教え子達を激怒させまくった「ワイドショー」レベルでしたね・・そして、これは間違いなく次の微生物でも繰り返されます。)

戦争でもそうですが(まあ、Ebolaも微生物との戦争とも言えますが・・)、緊急事態には平時と異なる人員配置が大切です。普段は座長やって悠然と学会場を睥睨する”専門家”も、有事には”本当の専門家”に席を譲らなければなりません。

新しい薬剤も、有効性と毒性が未知数の時にどのくらいEnergyを向けるのか・・治療と予防をどのように使い分けるのか、

本来、未知数の多い薬剤に時間を含むResourceを割り当てるよりも、明らかに有効と分かっている方法(例:隔離や追跡調査の実施。隔離施設や追跡調査のLogisticsの専門家の養成・派遣。Ebola以外の医療行為を継続維持するためのBackup)を支援・強化するには・・

比較的、有事に強いと思っていたWHOやCDCでも今回はCNNに叩かれたりとか辛酸舐めてましたね・・。

でも、このように失敗をキチンと整理して記述して対策をたてる人々がFollowするあたりが、やはり某国とは異なる感じがします。

編集長も、危機管理の一貫として屋上に模型飛行機が落ちてないか調べなければ・・(笑)

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