特に、犯罪や事故の検証で述べられる内容について、「嘘ついてんじゃない?」「そんなわけはない」と思うような情報がありますが、悪意(意図的)でそういうこともあるかもしれませんが、そうではないこともあります。
また、周囲からは「なんでそんな考えになるんだろう」「なぜそこに固執するんだろう」と思うような状況はなぜおこるのか。
野次馬正義による是非や善悪論ではなく、「ヒト」の特性、そこからくる現象を心理学者が事例を元に解説。
生物として、どういったところが苦手で、失敗しやすいのか。
実験1は、感染症診療の、探そうとしたひとだけが気づけること、という医学生や初期研修医向けにする話の参考にもなります。
実験6は、この春におきている米国の麻疹騒動とも関連する、2005年の麻疹流行事例の紹介からはじまります。
はしか大流行の影に迷信あり
サンドイッチに聖母マリアの顔が!
寒い雨の日に関節炎が痛むのは本当か?
セックスで若返る?
それは相関関係にすぎない!
人は統計より実話に弱い
「パターンの存在を感知したとき、私たちはそこに因果関係を読みたがる。私たちの記憶は、自分が記憶すべきだと考えるものにあわせて変形する。そして、自分があらかじめ期待していないものは目の前のゴリラであっても見落とす。同様に、周囲の事柄に対する私たちの理解は、無作為なものに意味を求め、偶発的なものに因果関係を求める方向でゆがむことが多い。そしてたいてい、自分ではそのゆがみにまったく気づかない」
「原因の錯覚は、私たちが無作為のパターンを読み取り、自分にはそのパターンの生じた原因が分かると思い込んだときに起きやすい。そして直感的に因果関係を信じ込むと、その思い込みと矛盾しないパターンを見ようとしはじめる。そんなパターン感知力が妙な方に向かうと、とんでもない場所の中に何かの顔が見えたりするような、おどろくべきことがおきる」
「いわゆる"陰謀論"は、できごとにパターンを見いだすことを基本にしている。陰謀論を前提にすると、できごとが起きた理由がわかりやすいように思える。原則として、陰謀論は結果から原因を推理しようとする。そして陰謀論を信じれば信じるほどあなたは原因の錯覚に落ち込む」
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はじめに 思い込みと錯覚の世界へようこそ
実験1 えひめ丸はなぜ沈没したのか 【注意の錯覚】
実験2 捏造された「ヒラリーの戦場体験」【記憶の錯覚】
実験3 冤罪証言はこうして作られた 【自信の錯覚】
実験4 リーマンショックを招いた投資家の誤算 【知識の錯覚】
実験5 俗説、デマゴーグ、そして陰謀論 【原因の錯覚】
実験6 自己啓発、サブリミナル効果のウソ 【可能性の錯覚】
おわりに 直感は信じられるのか
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錯覚の科学 (文春文庫)クリエーター情報なし文藝春秋
また、周囲からは「なんでそんな考えになるんだろう」「なぜそこに固執するんだろう」と思うような状況はなぜおこるのか。
野次馬正義による是非や善悪論ではなく、「ヒト」の特性、そこからくる現象を心理学者が事例を元に解説。
生物として、どういったところが苦手で、失敗しやすいのか。
実験1は、感染症診療の、探そうとしたひとだけが気づけること、という医学生や初期研修医向けにする話の参考にもなります。
実験6は、この春におきている米国の麻疹騒動とも関連する、2005年の麻疹流行事例の紹介からはじまります。
はしか大流行の影に迷信あり
サンドイッチに聖母マリアの顔が!
寒い雨の日に関節炎が痛むのは本当か?
セックスで若返る?
それは相関関係にすぎない!
人は統計より実話に弱い
「パターンの存在を感知したとき、私たちはそこに因果関係を読みたがる。私たちの記憶は、自分が記憶すべきだと考えるものにあわせて変形する。そして、自分があらかじめ期待していないものは目の前のゴリラであっても見落とす。同様に、周囲の事柄に対する私たちの理解は、無作為なものに意味を求め、偶発的なものに因果関係を求める方向でゆがむことが多い。そしてたいてい、自分ではそのゆがみにまったく気づかない」
「原因の錯覚は、私たちが無作為のパターンを読み取り、自分にはそのパターンの生じた原因が分かると思い込んだときに起きやすい。そして直感的に因果関係を信じ込むと、その思い込みと矛盾しないパターンを見ようとしはじめる。そんなパターン感知力が妙な方に向かうと、とんでもない場所の中に何かの顔が見えたりするような、おどろくべきことがおきる」
「いわゆる"陰謀論"は、できごとにパターンを見いだすことを基本にしている。陰謀論を前提にすると、できごとが起きた理由がわかりやすいように思える。原則として、陰謀論は結果から原因を推理しようとする。そして陰謀論を信じれば信じるほどあなたは原因の錯覚に落ち込む」
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はじめに 思い込みと錯覚の世界へようこそ
実験1 えひめ丸はなぜ沈没したのか 【注意の錯覚】
実験2 捏造された「ヒラリーの戦場体験」【記憶の錯覚】
実験3 冤罪証言はこうして作られた 【自信の錯覚】
実験4 リーマンショックを招いた投資家の誤算 【知識の錯覚】
実験5 俗説、デマゴーグ、そして陰謀論 【原因の錯覚】
実験6 自己啓発、サブリミナル効果のウソ 【可能性の錯覚】
おわりに 直感は信じられるのか
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錯覚の科学 (文春文庫)クリエーター情報なし文藝春秋