ICAAC Online の学び、本日もトラック#120:潜在結核の診断(Diagnosis of Latent TB Infection (LTBI))です。
今日ははMadhukar Pai先生による講演。
タイトルは「IGRA:経年的研究(Longitudinal Study)から学んだ事」
#:IGRAに関する基本的なAgendaは
1)Predictive Value:陽性の場合、実際に発症するのはどのくらいか?
2)Serial Testing:繰り返し検査をする意味
3)Reproducibility:再現性
#:Predictive Value:
・陽性の場合、実際に発症するのはどのくらいか?
・背景としてTSTは発症者の予想、診療に有用であった。IGRAは?
1)先進国(≒low Prevalence)
・TST陽性 → 結核が進行・発症するRiskは2倍ちょっと高くなる。
・IGRA陽性 → 結核が進行・発症するRiskは13倍くらい。(TSTよりもBetter)。しかしこの研究ではIGRA陽性の人は非常に注意深く経過観察されているので、IGRA陰性の人よりも発症を見つける機会は遙かに高いだろう・・。それを割り引いて検討すると・・
・TST陽性もIGRA陽性も、95%は結核発症しない。先進国ではごく僅か、IGRAのPredictive Valueが高いが、僅かな違い。
・このままでINH予防投与が必要な症例は極めて少ない。(≒意味無い?)
・Low risk groupには検査するな。
#:発症するRiskの高い症例を見つけるBetterなLTBIの検査が必要。
・1回のみ陽性。いつ陽性なったか?→意味無い
・Conversionは使える。連続した検査:陰性→陽性は意味がある
・一過性の陽性。陰性→陽性→陰性 意味? でも多い。
#:再現性とカットオフ値の問題
・カットオフによっては一度陽性になった症例が陰性化する(Reversion) この意味は?
・Conversion → Reversion という現象は先進国でも途上国でも見られている。意味?
#:TSTの陽性化率とIGRAのそれ
・どの施設も、TSTが殆ど陽転しないのにIGRAが数倍のRangeで陽転している。専門家の意見は、これはTSTの偽陰性ではなく、明らかにIGRAの偽陽性である。
・このまま、漠然とIGRAがTSTの代わりに使用されると、IGRA陽性に対してどうしたら良いか分からない施設だらけになる。