似たようなタイトルですが・・・4日前のNPRの記事です。
Beyond Rash And Fever: How Measles Can Kill
メディアには犠牲者が再び出る前に、現在の日本の予防接種の課題にフォーカスをあてていただきたいです。
そうした取り組みの一例として、明日午前11:30からNHKの目撃に本列島「おめでとうと言いたくて~風疹と出産“命の記念日”~」があります。
風疹の問題を追い続けているジャーナリストや企画チームの力を見ます。
報道の多くはすでにデングやエボラも関心なくなったようですが、2012年からの風疹大流行で45名もの先天性風疹症候群が報告され(そのうちすでに複数の死亡例が把握されています)、「過去のこと」になったかのようです。
しかし、まだ感受性者はプールされており、厚労省や自治体がせっかく予算確保/事業化した抗体検査やワクチンの補助プログラムは十分活用されていないそうです。
あのとき足りなくて困ったワクチンは、今なら在庫が十分あります。
医療機関は待っているだけでいいのか。土日に臨時にワクチンが依頼をするなどの工夫はもう誰の関心でもないのか。数年後に悲しい思いをする人を1人でも減らすためにできることはあと1カ月半あれば何かあるように思いませんか。
同じ問題は、現在米国で広がりが懸念されている麻疹についてもあります。
2007年の思春期〜成人の流行から数年が経過しています。
米国のテレビ番組 緊急救命室ERのシリーズ7(14:森の中の散歩)で、保護者がワクチンを受けさせていない子どもが高熱と痙攣で搬送されてくる事例があります。
ブツブツに気づいたカーター医師が「もしや麻疹では?」と考えるものの、WHO認定の麻疹排除国である米国の医師やスタッフは(若い人は)麻疹を診(見)たことがありません。
"教科書で見たことあるけど、本物の患者さんを見るのは初めて"
(新潟大学の齋藤昭彦先生が完訳された)小児科の感染症の教科書『ネルソン』を開き口の中のコプリック斑を見つけます。
ちなみに、東京女子医大の相野田先生からは、国際会議で「麻疹ってどんな?コプリック斑って何?」と質問を受けて説明することになった悲しみをうかがったことがあります。
世の中の人は、お熱がでて体にブツブツが出るのが麻疹、くらいの認識の人が多いのが実際だと思いますが、医療者が恐れているのはお熱でもブツブツでもありません。熱だけ、発疹だけでどうこうなるわけではありません。
麻疹ウイルスが全身に引き起こす影響はそんなレベルにとどまりません。
上記の回では子どもは亡くなります。呼吸障害等が原因でICUに運ばれたあとに。
劇症型の肺炎も小さな子どもたちを大いに苦しめます。
子供に麻疹の予防接種を受けさせず、子供が感染・昏睡状態に陥った事例
海外だけでなく、日本でも接種率が下がればまた同じようなことになります。
現在は麻疹ゼロに取り組んでいる沖縄でも悲しい過去がありました。
"沖縄県では1998(平成10)年9月~1999(平成11)年8月にかけて麻疹が流行した。この流行では小児科34定点より2,034名の感染者が報告され、 8名が死亡" そして、"A病院では44%、B病院では29%が病院内感染と推定"。
体調不良で病院に行き、そこで感染が拡大しています。病院にいったために感染してしまった人たちがいます。
現在、日本では1歳と就学前の2回接種になっています(MRワクチン)。2006年よりまえは1回のみでした。
最近のデータをみますと、1歳の1期の接種率が低いのは京都。2期が低いのは鹿児島。
麻疹の大きな流行、風疹の再流行が懸念される思春期〜成人は今後どうなるのか?の参考になるのが臨時で5年間行われた3期4期の接種です。
3期の麻疹について目標の95%を超えたのは、茨城、富山、青森、新潟。東京,大阪という若年人口の多い大都市は9割を切っています。
90%というのは一見悪くないようにみえますが、1年に産まれるのが100万人として10万人が免疫不十分だとすると数年間に蓄積される感受性者はどれくらいプールされるのか? 感染症対策としては、一度火がついたら燃え尽きるまで止め用がない大火事になってしまわないよう出来る手当をしていくしかありません。
ちなみに4期(高3)の接種率の下の方に大都市圏が並んでいます。
感染研究のIASRだけでも麻疹の話題はてんこもりにあります。
「<速報> 母子感染した新生児麻疹の1例」
「ワクチン未接種で麻疹脳炎に罹患し、重篤な経過をたどった13歳女児例」
「麻疹罹患後、急性脳炎で死亡した成人女性例」
<速報> 麻疹に中枢神経症状を合併した成人症例」
SSPEの会の親御さんのメッセージ
海外からも。
And another SSPE case: Angelina is dying
Six-year old girl from Bavaria has contracted incurable measles encephalitis
How measles can change a life
予想以上にSSPEは多いのではないかという指摘
Subacute Sclerosing Panencephalitis: More Cases of This Fatal Disease Are Prevented by Measles Immunization than Was Previously Recognized
防げない感染症もたくさんあります。
防げたはずなのに、は当事者や周囲が苦しむことです。
知らなかったのか、十分伝わらなかったのか、そこまで伝えようとしてなかったのか。
関わる側も問われることがあります。
その手前でできることをしていきましょう。
Beyond Rash And Fever: How Measles Can Kill
メディアには犠牲者が再び出る前に、現在の日本の予防接種の課題にフォーカスをあてていただきたいです。
そうした取り組みの一例として、明日午前11:30からNHKの目撃に本列島「おめでとうと言いたくて~風疹と出産“命の記念日”~」があります。
風疹の問題を追い続けているジャーナリストや企画チームの力を見ます。
報道の多くはすでにデングやエボラも関心なくなったようですが、2012年からの風疹大流行で45名もの先天性風疹症候群が報告され(そのうちすでに複数の死亡例が把握されています)、「過去のこと」になったかのようです。
しかし、まだ感受性者はプールされており、厚労省や自治体がせっかく予算確保/事業化した抗体検査やワクチンの補助プログラムは十分活用されていないそうです。
あのとき足りなくて困ったワクチンは、今なら在庫が十分あります。
医療機関は待っているだけでいいのか。土日に臨時にワクチンが依頼をするなどの工夫はもう誰の関心でもないのか。数年後に悲しい思いをする人を1人でも減らすためにできることはあと1カ月半あれば何かあるように思いませんか。
同じ問題は、現在米国で広がりが懸念されている麻疹についてもあります。
2007年の思春期〜成人の流行から数年が経過しています。
米国のテレビ番組 緊急救命室ERのシリーズ7(14:森の中の散歩)で、保護者がワクチンを受けさせていない子どもが高熱と痙攣で搬送されてくる事例があります。
ブツブツに気づいたカーター医師が「もしや麻疹では?」と考えるものの、WHO認定の麻疹排除国である米国の医師やスタッフは(若い人は)麻疹を診(見)たことがありません。
"教科書で見たことあるけど、本物の患者さんを見るのは初めて"
(新潟大学の齋藤昭彦先生が完訳された)小児科の感染症の教科書『ネルソン』を開き口の中のコプリック斑を見つけます。
ちなみに、東京女子医大の相野田先生からは、国際会議で「麻疹ってどんな?コプリック斑って何?」と質問を受けて説明することになった悲しみをうかがったことがあります。
世の中の人は、お熱がでて体にブツブツが出るのが麻疹、くらいの認識の人が多いのが実際だと思いますが、医療者が恐れているのはお熱でもブツブツでもありません。熱だけ、発疹だけでどうこうなるわけではありません。
麻疹ウイルスが全身に引き起こす影響はそんなレベルにとどまりません。
上記の回では子どもは亡くなります。呼吸障害等が原因でICUに運ばれたあとに。
劇症型の肺炎も小さな子どもたちを大いに苦しめます。
子供に麻疹の予防接種を受けさせず、子供が感染・昏睡状態に陥った事例
海外だけでなく、日本でも接種率が下がればまた同じようなことになります。
現在は麻疹ゼロに取り組んでいる沖縄でも悲しい過去がありました。
"沖縄県では1998(平成10)年9月~1999(平成11)年8月にかけて麻疹が流行した。この流行では小児科34定点より2,034名の感染者が報告され、 8名が死亡" そして、"A病院では44%、B病院では29%が病院内感染と推定"。
体調不良で病院に行き、そこで感染が拡大しています。病院にいったために感染してしまった人たちがいます。
現在、日本では1歳と就学前の2回接種になっています(MRワクチン)。2006年よりまえは1回のみでした。
最近のデータをみますと、1歳の1期の接種率が低いのは京都。2期が低いのは鹿児島。
麻疹の大きな流行、風疹の再流行が懸念される思春期〜成人は今後どうなるのか?の参考になるのが臨時で5年間行われた3期4期の接種です。
3期の麻疹について目標の95%を超えたのは、茨城、富山、青森、新潟。東京,大阪という若年人口の多い大都市は9割を切っています。
90%というのは一見悪くないようにみえますが、1年に産まれるのが100万人として10万人が免疫不十分だとすると数年間に蓄積される感受性者はどれくらいプールされるのか? 感染症対策としては、一度火がついたら燃え尽きるまで止め用がない大火事になってしまわないよう出来る手当をしていくしかありません。
ちなみに4期(高3)の接種率の下の方に大都市圏が並んでいます。
感染研究のIASRだけでも麻疹の話題はてんこもりにあります。
「<速報> 母子感染した新生児麻疹の1例」
「ワクチン未接種で麻疹脳炎に罹患し、重篤な経過をたどった13歳女児例」
「麻疹罹患後、急性脳炎で死亡した成人女性例」
<速報> 麻疹に中枢神経症状を合併した成人症例」
SSPEの会の親御さんのメッセージ
海外からも。
And another SSPE case: Angelina is dying
Six-year old girl from Bavaria has contracted incurable measles encephalitis
How measles can change a life
予想以上にSSPEは多いのではないかという指摘
Subacute Sclerosing Panencephalitis: More Cases of This Fatal Disease Are Prevented by Measles Immunization than Was Previously Recognized
防げない感染症もたくさんあります。
防げたはずなのに、は当事者や周囲が苦しむことです。
知らなかったのか、十分伝わらなかったのか、そこまで伝えようとしてなかったのか。
関わる側も問われることがあります。
その手前でできることをしていきましょう。