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Channel: 感染症診療の原則
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スペインでのエボラウイルスの院内感染事例の影響

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エボラウイルスの対策支援をしている医療者の感染ニュースが続いています。全部が公開されているわけではありませんが、特に先進国からの支援→本国や第三国へのmedical evacuationは記事になっています。

そのような中、遠い話であったエボラが身近に感じられるニュースが2つありました。

1つはテキサスへの輸入症例です。

ロイター「エボラ患者はなぜ見逃されたか」

2つ目はスペインの病院での院内感染です。

Health-Care Worker Contracted Ebola in Spanish Hospital:First Suspected Transmission of the Disease Outside West Africa

詳細は不明ですが、スペインは2例搬送して2例とも死亡しています。75歳と69歳の神父さんで、PPEを使わずに疑い患者などのケアをしていたそうです。

基礎疾患等は不明ですが、他の救命できた症例に比べて高齢であること、搬送時にすでに重症であったことが把握されています。
その重症例をケアしたスタッフが感染ということなので、医療関係者的にはリスクの定量的な考え方での学びがありますが、メディアや一般の人には

「やはり国にに受け入れたら広がるんじゃないか」
「日本では適切な医療の準備があるので感染は広がらない、受け入れ準備があるといっていたが本当か」
という疑心暗鬼モードになる人たちも出てくると思います。

医療者は感染から発症まで通常勤務や生活をしていますので、その間に曝露した家族や患者はどうするのか?というような検討も出てきます。実際には無症状のときに他の人には広がらないのですが。「不安」「恐怖」が喚起するものはとても大きいからです。

リスクコミュニケーションを医療者や専門家、国がどうしていくのか。
各国のコメントや日本での対応に注目したいと思います。



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