1976年のザイール(現在のコンゴ民主共和国)とスーダンでの流行から、これまでの間に数回アウトブレイクをし、致死率の表記も30-90%とばらつきのあるエボラ出血熱ウイルスですが、今回の全体像はまだわからず、また国や地域・施設による差もありますので、一概には語れませんが、本日の時点での米国資料を見ますと、致死率の表記は55.8%となっています。
メディアでは怖い!感染症、致死的ということがアピールされますが、回復や救命の可能性があることを理解しておくことも、患者を搬送して治療を受けられるように支援する際に重要なことではないかと思います。
日本にも支部のあるキリスト教系の団体サマリタンズ・パースの米国支部からエボラ対策支援で派遣され、現地でウイルスに感染した医師2名のうち、先に男性医師がチャーター機でアトランタ空軍基地に到着、そこからエモリー大学病院に搬送されたというのが日曜日のニュースでした。
幸い回復傾向で、歩いて病院に入り、ガラス越しにご家族と面会もされていると報じられています。
二人が所属する団体は初期から写真や実名含めて独自の広報を続けています。ご家族のコメントも掲載。
2014年8月3日 Ebola Outbreak:: A US Doctor Infected with the Deadly Ebola Virus in Liberia Has Arrived in the US for Treatment at A Specialized Unit in Atlanta, Georgia
2014年8月2日 Ebola Update: Dr. Kent Brantly with Ebola Safely Back in U.S. on Saturday; Nancy Writebol Expected to be Transported to the U.S. in a Few Days
2014年7月31日 Ebola Outbreak: American Doctor Kent Brantly Gives Experimental Serum to Stricken Colleague Nancy Writebol
2014年7月30日 Statement of Kent Brantly Family
他にも回復した人(サバイバー)のインタビュー動画や記事が紹介されています。
その後、村で啓発活動もされているとのことです。
2014年7月25日 ITV Doctor: I contracted the Ebola virus and survived
1分45秒のインタビューInterview With an Ebola SurvivorDoctors Without Borders / MSF-US
同じ方がBBCのニュースでも紹介されています。村の人たちに病気を説明するSaa Sabasさん、 41才。
1分38秒 Ebola survivor: 'I was terribly afraid'
2014年7月30日 Samaritan's Purse
Ebola Outbreak: Liberia’s First Ebola Survivor Harrison Sakela
2014年4月 BBC I caught Ebola in Guinea and survived
abcニュース 40秒 Survivor's Story: How I Lived Through Ebola
2012年9月 MSF Uganda: interview with Ebola survivor, Kiiza Isaac
2010年のアウトブレイクのサバイバー(4分7秒)
NTV ウガンダ Health Focus: Surviving Ebola
病気の正確な情報を理解することは、予防だけでなく、感染した人や家族を支援する際にも大切なことで、「怖いから気を付けよう」というメッセージだけでなくstigma軽減の支援や、医療やケアを提供する人たちもがんばっている、、という情報も重要であることがわかります。
2014年7月31日 Sierra Leone News: Ebola deceased families demand support
2014年4月28日 Ebola Victims Face Stigma in West Africa
2014年7月10日 CNN I survived Ebola, but villagers shunned me
2014年7月25日 UNICEF Ebola: a survivor’s story from Guinea
2014年7月17日
Ebola Survivor Reunites With Family
Battling fear and stigma over Ebola in West Africa
今回、米国の医師らは米国へ帰国し、エモリー大学病院の専門設備で医療を受けています。
日本のメディアには入国してしまった!米国にひろがるかも?という誤解につながるようなヘッドラインをつけているところもあって・・・・ですが。
対応可能な施設がCDCのすぐそばにあるのは利点だなと思いました。CDCには当然のことながらBSL4の施設があります。
BSLって何?ですが・・・・バイオ・セーフティ・レベル、の略でヒトや動物の病原体を扱う(診断のための検査をする、基礎や応用研究をする等)研究施設は、その病原体の特性によって1、2、3、4とあり、エボラ、クリミア・コンゴラッサ熱などの出血熱、二パウイルスなどはBSL4施設で扱うことになっています。
日本にはこの施設がない(あるけど使えない)ことが問題視されており、今年の3月には「我が国のバイオセーフティレベル 4(BSL-4)
施設の必要性について」という提言書が日本学術会議から出ています。
仮に日本に疑い例が発生したときに、診療を担当する医療機関は44施設指定されていますが、入院はできるとして検査をどこでするのか?という問題が生じるわけです。
うたがい症例の段階では「診断」されていませんので、疑い例として現在あるBSL3の施設で対応するとして、PCR検査はできますが、確定診断のための病原体の同定・分離ができないということなので、海外にお願いして検査してもらうのでしょうか?
近いところでは台湾やシンガポールに稼働しているBSL4ラボがあり、韓国や中国も準備中と上記資料にあります。
日本では1981年に東京都村山市に国立感染症研究所の中に、1984年に茨城県つくば市の理化学研究所の中に作られたそうですが、周辺地域の反対により稼働しておらず、さらに、すでに30年経過した旧式モデルになってしまったことも課題です。
上記提言書には、イタリアのローマにあるスパランザーニ施設(le Malattie Infettive Lazzaro Spallanzani (INMI))にはBSL4ラボとともに独立した10室の隔離用病棟があり診断と治療が同施設で可能とか、国によっては動物用とヒト用が一緒あるいは別、EU内はお互いの施設の相互支援体制があるなどの詳細が紹介されています。
こうした施設はWHO Emerging and Dangerous Pathogens Laboratory Network (EDPLN)に参加。
セキュリティの問題もあってか、あまり詳細はみあたりませんが、その活動によって国境を超える感染症対策の早期解明や対策が進むのではないかと思われます。
支援や研究の最前線の方の安全を日々祈りながらニュースを見ています。
メディアでは怖い!感染症、致死的ということがアピールされますが、回復や救命の可能性があることを理解しておくことも、患者を搬送して治療を受けられるように支援する際に重要なことではないかと思います。
日本にも支部のあるキリスト教系の団体サマリタンズ・パースの米国支部からエボラ対策支援で派遣され、現地でウイルスに感染した医師2名のうち、先に男性医師がチャーター機でアトランタ空軍基地に到着、そこからエモリー大学病院に搬送されたというのが日曜日のニュースでした。
幸い回復傾向で、歩いて病院に入り、ガラス越しにご家族と面会もされていると報じられています。
二人が所属する団体は初期から写真や実名含めて独自の広報を続けています。ご家族のコメントも掲載。
2014年8月3日 Ebola Outbreak:: A US Doctor Infected with the Deadly Ebola Virus in Liberia Has Arrived in the US for Treatment at A Specialized Unit in Atlanta, Georgia
2014年8月2日 Ebola Update: Dr. Kent Brantly with Ebola Safely Back in U.S. on Saturday; Nancy Writebol Expected to be Transported to the U.S. in a Few Days
2014年7月31日 Ebola Outbreak: American Doctor Kent Brantly Gives Experimental Serum to Stricken Colleague Nancy Writebol
2014年7月30日 Statement of Kent Brantly Family
他にも回復した人(サバイバー)のインタビュー動画や記事が紹介されています。
その後、村で啓発活動もされているとのことです。
2014年7月25日 ITV Doctor: I contracted the Ebola virus and survived
1分45秒のインタビューInterview With an Ebola SurvivorDoctors Without Borders / MSF-US
同じ方がBBCのニュースでも紹介されています。村の人たちに病気を説明するSaa Sabasさん、 41才。
1分38秒 Ebola survivor: 'I was terribly afraid'
2014年7月30日 Samaritan's Purse
Ebola Outbreak: Liberia’s First Ebola Survivor Harrison Sakela
2014年4月 BBC I caught Ebola in Guinea and survived
abcニュース 40秒 Survivor's Story: How I Lived Through Ebola
2012年9月 MSF Uganda: interview with Ebola survivor, Kiiza Isaac
2010年のアウトブレイクのサバイバー(4分7秒)
NTV ウガンダ Health Focus: Surviving Ebola
病気の正確な情報を理解することは、予防だけでなく、感染した人や家族を支援する際にも大切なことで、「怖いから気を付けよう」というメッセージだけでなくstigma軽減の支援や、医療やケアを提供する人たちもがんばっている、、という情報も重要であることがわかります。
2014年7月31日 Sierra Leone News: Ebola deceased families demand support
2014年4月28日 Ebola Victims Face Stigma in West Africa
2014年7月10日 CNN I survived Ebola, but villagers shunned me
2014年7月25日 UNICEF Ebola: a survivor’s story from Guinea
2014年7月17日
Ebola Survivor Reunites With Family
Battling fear and stigma over Ebola in West Africa
今回、米国の医師らは米国へ帰国し、エモリー大学病院の専門設備で医療を受けています。
日本のメディアには入国してしまった!米国にひろがるかも?という誤解につながるようなヘッドラインをつけているところもあって・・・・ですが。
対応可能な施設がCDCのすぐそばにあるのは利点だなと思いました。CDCには当然のことながらBSL4の施設があります。
BSLって何?ですが・・・・バイオ・セーフティ・レベル、の略でヒトや動物の病原体を扱う(診断のための検査をする、基礎や応用研究をする等)研究施設は、その病原体の特性によって1、2、3、4とあり、エボラ、クリミア・コンゴラッサ熱などの出血熱、二パウイルスなどはBSL4施設で扱うことになっています。
日本にはこの施設がない(あるけど使えない)ことが問題視されており、今年の3月には「我が国のバイオセーフティレベル 4(BSL-4)
施設の必要性について」という提言書が日本学術会議から出ています。
仮に日本に疑い例が発生したときに、診療を担当する医療機関は44施設指定されていますが、入院はできるとして検査をどこでするのか?という問題が生じるわけです。
うたがい症例の段階では「診断」されていませんので、疑い例として現在あるBSL3の施設で対応するとして、PCR検査はできますが、確定診断のための病原体の同定・分離ができないということなので、海外にお願いして検査してもらうのでしょうか?
近いところでは台湾やシンガポールに稼働しているBSL4ラボがあり、韓国や中国も準備中と上記資料にあります。
日本では1981年に東京都村山市に国立感染症研究所の中に、1984年に茨城県つくば市の理化学研究所の中に作られたそうですが、周辺地域の反対により稼働しておらず、さらに、すでに30年経過した旧式モデルになってしまったことも課題です。
上記提言書には、イタリアのローマにあるスパランザーニ施設(le Malattie Infettive Lazzaro Spallanzani (INMI))にはBSL4ラボとともに独立した10室の隔離用病棟があり診断と治療が同施設で可能とか、国によっては動物用とヒト用が一緒あるいは別、EU内はお互いの施設の相互支援体制があるなどの詳細が紹介されています。
こうした施設はWHO Emerging and Dangerous Pathogens Laboratory Network (EDPLN)に参加。
セキュリティの問題もあってか、あまり詳細はみあたりませんが、その活動によって国境を超える感染症対策の早期解明や対策が進むのではないかと思われます。
支援や研究の最前線の方の安全を日々祈りながらニュースを見ています。