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Channel: 感染症診療の原則
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ICAACOnlin インフルエンザの院内感染。誰がリスクを持ち、予防するか?

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ICAACOnlineの学び、本日からは
「インフルエンザの院内感染。誰がリスクを持ち、どのように予防するか?」
(Nosocomial Influenza: Who is at Risk and How to Prevent It?)

演者は以下の3名の先生。
Anne Iten
Hilary Babcock
Allison McGeer

#1:インフルエンザの院内感染は現実で人々は亡くなる
・Anne Iten先生はスイスから来られました。
・医療従事者のワクチンの難しさ。
・ワクチンをPromoteする為の条件:
その場ですぐやれる。(どこかにワクチンのために出かけないでよい)
無料
講演などの教育・Campaignの組織化
ワクチン接種TeamはMobileである事(どこにでも出かける)
Reminderシステム必要
Leadershipが大事

・最も医療従事者の摂取率を上げる方法=義務にする

#2:院内感染症としてのインフルエンザは発見が難しい
・演者はHilary Babcock先生。多摩医療センターの本田仁先生が学ばれたセントルイスのワシントン大学のFaculty
・難しい理由 5ヶ
1)文献
2)症例定義
3)院内感染症とする定義
4)検査方法の限界
5)研究上の問題

2)症例定義
・臨床的診断の難しさ(他のウイルス感染症との鑑別難)
・・無症状の割合が28-59%もある(臨床的診断無理。発熱外来の意味・・)
・・CDCのILI(influenza like illness)臨床診断基準:37.8度以上の熱と咳か咽頭痛
←これって何でもあり?
・・Lancetのまとめでも高齢者は発熱少なく、だるさが多く・・咳だけ若い人と同じ。11
(Lancet 1999,354:1277- Cox NJら)
・・診断のSeasonも重要。発熱+咳+突然発症の組み合わせで診断のAccuracyは
Season中なら80%、非Seasonなら40%以下 (Monto ASら Arch Intern Med. 2000;160:3243-)
・・喘息患者も難しい
・・入院患者(高齢、免疫抑制剤、基礎疾患)と非入院患者の違いも大きい。

・・ICUでの見逃し。(Giannellaら Critical Care 2012;16:R104)
・・・見逃した症例の特徴:高齢、咳無し、院内感染
・・・見逃すリスク:外科ICU入院、CXRで局所の浸潤陰影


3)院内感染症とする定義
・通常の時間軸での定義では多くの症例を逃す
・・最短潜伏期は1日の場合も・・
・・最長潜伏期では再入院症例とカウント・・
・・退院後のFollowもしないと漏らす
・Sequencingは強力だが高価で、労力がかかる。


4)検査方法の限界
・それぞれの検査法の長短
・・Rapid antigen test:感度に問題・時に偽陰性
・・培養:正確。しかし高価で時間かかる。
・・PCRは感度・特異度共に良い。しかし高価で、どこにでもある検査ではない

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