米国の新しい予防接種スケジュールが公開されたので、英語情報でのワクチンニュースがにぎやかです。
何が新しくなったのか?を米国小児科の専門団体の委員に聞いている記事。
The 2012 Immunization Schedules: What's New?
インフルエンザ対策、妊婦のインフルエンザワクチン、Tdap、男子へのHPVワクチン接種、PCV13への切り替え、髄膜炎菌ワクチン、、、等が話題になっていました。
糖尿病患者へのHBVワクチン接種もありました。
米国のワクチン施策や研究データは各国の予防接種プログラムに様々な形でインパクトをもちます。
しかし、Evidenceとしてどうなんだ?という問題指摘もいろいろあります。
思考停止にならないためには、結果だけでなく検討プロセスや根拠、市販後のデータにも関心を持ち続けなければなりません。
製薬会社にとっては市場拡大はとても大切なわけです。
製薬会社のふれこみどおりにことが運ぶわけではありません。
安全性や有効性の審査のプロセスを経ての承認、そこからさらに、国の接種プログラムに位置付けるかどうか、公費にするかどうかという検討プロセスがあります。
ここの意思決定プロセスの妥当性が、国民や専門家の信頼に影響します。
意見が「業界のロビイングじゃね?」とか、「子どもの健康や命より別のものを優先いているんじゃないの?」とか思われたら信頼を失います。
そもそもその話し合いの場はどのようにもたれているのか、話し合いの場に参加する人はどう選ばれているのか、議論の公開性は担保されているのか・・・といったことが課題になります。
(日本では議事録はだいぶあとに公開されます)
最近の話題:
男性への接種拡大。
4価HPVワクチンは当初女性に、でしたが、アメリカとオーストラリアが同年齢の男子への接種推奨を決めました。
市場拡大の方法として、年齢層の拡大があります。
臨床試験に基づいて行われるものですが、その結果の解釈や公費を導入するかは、有病率・疾病負荷やその国の医療システムの影響を受けます。
日本では女性の疫学データも不足していますが、男性だとさらに情報がありませんので、この話はでてこないのではないかと思います。
対象年齢の拡大。
2月1日に、韓国で小児の肺炎球菌ワクチンの対象年齢拡大のニュースがありました。
GSK’s pneumonia vaccine OK’d for wider age group
The Korea Herald 2012年2月1日
小児の肺炎球菌ワクチンは、ファイザー7価(日本で現在採用)、その後承認された13価(海外はこちらが主流)と、GSKの10価のものがあります。
GSKの10価(Synflorix)は2010年に韓国で承認されました。このときは6週から2歳までが対象。そして、今週水曜日には27-28週の未熟児から5歳まで拡大。韓国では13万ウォン(US115ドル)。
当初小児用で承認されたファイザーの13価は欧米で中高年も対象に。
日本は現在7価なので、このあと10価が導入されるのか、13価になるのか、はたまたニュージーランドのように対象者をわけて2つともプログラムに位置付けるのか。オランダのように費用対効果の検討を行うのか。
あるいはこのまま7価のまま(!)なのか。
最終的には誰のためのなんの議論なのか。ご注目ください。
参考:2012年1月15日記事 「外資からみた日本のワクチン市場」
何が新しくなったのか?を米国小児科の専門団体の委員に聞いている記事。
The 2012 Immunization Schedules: What's New?
インフルエンザ対策、妊婦のインフルエンザワクチン、Tdap、男子へのHPVワクチン接種、PCV13への切り替え、髄膜炎菌ワクチン、、、等が話題になっていました。
糖尿病患者へのHBVワクチン接種もありました。
米国のワクチン施策や研究データは各国の予防接種プログラムに様々な形でインパクトをもちます。
しかし、Evidenceとしてどうなんだ?という問題指摘もいろいろあります。
思考停止にならないためには、結果だけでなく検討プロセスや根拠、市販後のデータにも関心を持ち続けなければなりません。
製薬会社にとっては市場拡大はとても大切なわけです。
製薬会社のふれこみどおりにことが運ぶわけではありません。
安全性や有効性の審査のプロセスを経ての承認、そこからさらに、国の接種プログラムに位置付けるかどうか、公費にするかどうかという検討プロセスがあります。
ここの意思決定プロセスの妥当性が、国民や専門家の信頼に影響します。
意見が「業界のロビイングじゃね?」とか、「子どもの健康や命より別のものを優先いているんじゃないの?」とか思われたら信頼を失います。
そもそもその話し合いの場はどのようにもたれているのか、話し合いの場に参加する人はどう選ばれているのか、議論の公開性は担保されているのか・・・といったことが課題になります。
(日本では議事録はだいぶあとに公開されます)
最近の話題:
男性への接種拡大。
4価HPVワクチンは当初女性に、でしたが、アメリカとオーストラリアが同年齢の男子への接種推奨を決めました。
市場拡大の方法として、年齢層の拡大があります。
臨床試験に基づいて行われるものですが、その結果の解釈や公費を導入するかは、有病率・疾病負荷やその国の医療システムの影響を受けます。
日本では女性の疫学データも不足していますが、男性だとさらに情報がありませんので、この話はでてこないのではないかと思います。
対象年齢の拡大。
2月1日に、韓国で小児の肺炎球菌ワクチンの対象年齢拡大のニュースがありました。
GSK’s pneumonia vaccine OK’d for wider age group
The Korea Herald 2012年2月1日
小児の肺炎球菌ワクチンは、ファイザー7価(日本で現在採用)、その後承認された13価(海外はこちらが主流)と、GSKの10価のものがあります。
GSKの10価(Synflorix)は2010年に韓国で承認されました。このときは6週から2歳までが対象。そして、今週水曜日には27-28週の未熟児から5歳まで拡大。韓国では13万ウォン(US115ドル)。
当初小児用で承認されたファイザーの13価は欧米で中高年も対象に。
日本は現在7価なので、このあと10価が導入されるのか、13価になるのか、はたまたニュージーランドのように対象者をわけて2つともプログラムに位置付けるのか。オランダのように費用対効果の検討を行うのか。
あるいはこのまま7価のまま(!)なのか。
最終的には誰のためのなんの議論なのか。ご注目ください。
参考:2012年1月15日記事 「外資からみた日本のワクチン市場」