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Channel: 感染症診療の原則
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Virulence of HIV has increased

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来週は新宿でエイズ学会があります。

前の日は東京医大で学会ナビ企画(ViiV)もあります。

青木編集長、今年お手伝いするのは2つありまして、昨年にひきつづき、Ann Khalsa先生のInteractive Session(ViiV共催)と、対応に苦労した症例Session(MSD共催)です。
参加される方、会場で編集長をみかけたらぜひ声をかけてください。

どちらも新進気鋭の先生方にお願いしており、新しいリーダーが活躍しやすいようにと願う活動のひとつであります。

HIV/AIDSに特別力をいれず、さりとて感染症の一つですよねとたんたんと適応していく世代の姿は、「CTにいく?じゃあ毛布でぐるぐるまきだ!」とか、「うちでお産?じゃあ、オペ室目張りしなくちゃ」とか「入院させるなら採血は全部ドクターがしてくださいねっ!」とかいっていた時代の医療を思い出すと感慨深いものがあります。(マジ、こんな会話が感染経路や対策がわかったあともあったんですよ)

HIV/AIDSギョウカイの特徴のひとつは、他の分野に比べて予算が豊富にあることと(賛否両論)、情報が新しくかわっていくこと(良くも悪くも)、経験がまだ日本では少ないので、短期間に濃く勉強するとかなり専門的位置にいけることじゃないかとおもいます。

学会は平日だから難しいかもしれませんが、東京医大のセミナーなどをきっかけにHIVもがっつりやろう!と思う感染症系の方が増えることを期待しています。

さて。

最近の大きな話題のひとつは、「ウイルスが狂暴化」です。

Virulence of HIV has increased since first reports of AIDS

東京新聞でも記事になっていました。一般の人が知るのだから、医療者も知っておきたい話題です。


以前に比べて、病気の進行が速いんじゃないかということは各国から指摘がありました。
そのメタ分析がAIDSに掲載されています。

Herbeck JT et al. Is the virulence of HIV changing. A meta-analysis of trends in prognostic markers of HIV disease progression and transmission.
AIDS 25, online edition, doi: 10.1097/QAD.0b013e32834db418, 2011

治療があるといっても、もとどおりに免疫がもどるわけではない。
感染しないにこしたことはない。
感染したら早く治療にアクセスするのが最良。

今後のケアの課題。

「リスク因子があるけれど検査を一度も受けていない人たち」受けたくなければ受けません。

「具合が悪くなるまで病院にいくのは延期しよう」という誤解のひとたち。

「早期に診断され、早期治療を希望しているのに制度が古いままで治療できない人たち」

免疫機能障害の基準を変えないといけません。
かえると今よりたくさんの人が治療開始群にはいってきます。


相談員や医療者は相談されたとき「約10年は発症しないでしょう」などと10年以上前の情報を言わないことです。
とにかく一度専門病院へ行きましょう、とつないでください。

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