HIV感染症の診療に関わる医療者の間では、早くからHPVと肛門周囲の感染の問題は認知されていました。
癌の発生頻度として、米国では10万人あたり0.9のところ、MSMでは25-37とかなり高くなっています。
日本のデータは最近ニュースになっていました。
4月30日 メディカルトリビューン 日本人でも肛門のHPV感染が男性間性的接触で極めて高い 金沢大学の八重樫氏らが指摘
MSMの間における肛門周囲膿瘍の多さとか、コンジローマの多さからであり、さらに「がん」のリスクが高いとなると、いったいどのようなスクリーニングで早期に発見をして、治療につなげるのか?という具体的な対応策として何をすればいいのかが課題でした。
免疫低下群なので、通常のように自然経過のなかでウイルスが消えないのではないかということも検討しなくてはいけませんし。
肛門周囲の病変は早期診断のきっかけとしても知られています。
2013年 社会保険中央病院 「当院大腸肛門病センターにおける HIV 抗体陽性者数の年次推移と患者背景」
「STDと関連する肛門疾患におけるHIV感染 : 総合病院肛門科における経験から」
国立国際医療研究センターACC HIV検査を考慮すべき臨床症状 消化器系のところに記載があります。
国立病院機構 大阪医療センター 「拠点病院におけるHIV陽性肛門疾患に対する治療成績と現況」
青木編集長もかかわるエイズ学会での教育プログラムの中で、プライマリケア医である、アン・カルサ先生をお招きし、定期的な受診の中でどのように肛門周囲の健康をケアしていくのかを学びました。
セミナー以外のところでも、しらかば診療所の井戸田先生にも直接診察法などが「伝授」されました。
医療者でも誤解をしている人がいるのですが、男性同士のカップルでも必ずしもAIが行われるわけではなく、またヘテロセクシュアル(男女間)でも行われますし、挿入をともなわなくても手指含めた接触、器具をつかった刺激となれば女性と女性間でも行えるので、健康リスクとしての概要は知っておいた方がよいと思います。
Prevalence and Correlates of Heterosexual Anal and Oral Sex in Adolescents and Adults in the United States
J Infect Dis. (2007) 196 (12): 1852-1859.
こちらの資料の9ページにグラフがあります。
ちなみに・・・
厚生労働省のホームページにはoralでの感染のポスターはありますが、anal関連の資料が(まだ)ありません。
英国NHS Choiceの注意喚起資料などもあります。
そのうち掲載されるかもしれません。
AIについてはほかにもいろいろな研究もあります。
特定の行為はしたことがない人にはその準備からお片付けまで(?)、流れやコツがわからないわけですが、肛門性交をする際には先に「洗浄」をするという準備(マナー)があり、2014年にUCLAの研究者が発表した調査は、どのような方法で?をインターネットでたずねたものです。・・・なかなか目の付け所が面白いです。
3か月以内にアナルセックス(AI)をしたことがある男女1725人を対象に、インターネットを使って、英語・フランス語・ドイツ語・北京語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語・タイ語でたずねたとのことです。112か国から調査協力が得られ、多くは北米から。
BMC Infectious Diseases Sexually transmitted diseases
Prevalence and types of rectal douches used for anal intercourse: results from an international survey
HPVに関連しては、、、
こちらは環境感染学会とか感染管理ナースの話題ですが、婦人科の外来で使う器具や周辺がHPVで汚染されてませんか?という問題指摘があります。
病棟と外来でも感染管理モードは異なりますし、清掃業者も床はきれいにしてくれますしごみもすててくれますが、細かい医療器具などはスタッフが管理することになっています。
手袋や手洗いのモードも、診療科の医師によってかなりちがうことも先行研究などでわかっていることであります。
4月23日のロイターには性交時に使用する道具についたHPVが道具を介して広がりうる可能性についての論文が紹介されていました。
人間の営み、ウイルスの生態。自然史の様々な側面を学んでいるところであります。
癌の発生頻度として、米国では10万人あたり0.9のところ、MSMでは25-37とかなり高くなっています。
日本のデータは最近ニュースになっていました。
4月30日 メディカルトリビューン 日本人でも肛門のHPV感染が男性間性的接触で極めて高い 金沢大学の八重樫氏らが指摘
MSMの間における肛門周囲膿瘍の多さとか、コンジローマの多さからであり、さらに「がん」のリスクが高いとなると、いったいどのようなスクリーニングで早期に発見をして、治療につなげるのか?という具体的な対応策として何をすればいいのかが課題でした。
免疫低下群なので、通常のように自然経過のなかでウイルスが消えないのではないかということも検討しなくてはいけませんし。
肛門周囲の病変は早期診断のきっかけとしても知られています。
2013年 社会保険中央病院 「当院大腸肛門病センターにおける HIV 抗体陽性者数の年次推移と患者背景」
「STDと関連する肛門疾患におけるHIV感染 : 総合病院肛門科における経験から」
国立国際医療研究センターACC HIV検査を考慮すべき臨床症状 消化器系のところに記載があります。
国立病院機構 大阪医療センター 「拠点病院におけるHIV陽性肛門疾患に対する治療成績と現況」
青木編集長もかかわるエイズ学会での教育プログラムの中で、プライマリケア医である、アン・カルサ先生をお招きし、定期的な受診の中でどのように肛門周囲の健康をケアしていくのかを学びました。
セミナー以外のところでも、しらかば診療所の井戸田先生にも直接診察法などが「伝授」されました。
医療者でも誤解をしている人がいるのですが、男性同士のカップルでも必ずしもAIが行われるわけではなく、またヘテロセクシュアル(男女間)でも行われますし、挿入をともなわなくても手指含めた接触、器具をつかった刺激となれば女性と女性間でも行えるので、健康リスクとしての概要は知っておいた方がよいと思います。
Prevalence and Correlates of Heterosexual Anal and Oral Sex in Adolescents and Adults in the United States
J Infect Dis. (2007) 196 (12): 1852-1859.
こちらの資料の9ページにグラフがあります。
ちなみに・・・
厚生労働省のホームページにはoralでの感染のポスターはありますが、anal関連の資料が(まだ)ありません。
英国NHS Choiceの注意喚起資料などもあります。
そのうち掲載されるかもしれません。
AIについてはほかにもいろいろな研究もあります。
特定の行為はしたことがない人にはその準備からお片付けまで(?)、流れやコツがわからないわけですが、肛門性交をする際には先に「洗浄」をするという準備(マナー)があり、2014年にUCLAの研究者が発表した調査は、どのような方法で?をインターネットでたずねたものです。・・・なかなか目の付け所が面白いです。
3か月以内にアナルセックス(AI)をしたことがある男女1725人を対象に、インターネットを使って、英語・フランス語・ドイツ語・北京語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語・タイ語でたずねたとのことです。112か国から調査協力が得られ、多くは北米から。
BMC Infectious Diseases Sexually transmitted diseases
Prevalence and types of rectal douches used for anal intercourse: results from an international survey
HPVに関連しては、、、
こちらは環境感染学会とか感染管理ナースの話題ですが、婦人科の外来で使う器具や周辺がHPVで汚染されてませんか?という問題指摘があります。
病棟と外来でも感染管理モードは異なりますし、清掃業者も床はきれいにしてくれますしごみもすててくれますが、細かい医療器具などはスタッフが管理することになっています。
手袋や手洗いのモードも、診療科の医師によってかなりちがうことも先行研究などでわかっていることであります。
4月23日のロイターには性交時に使用する道具についたHPVが道具を介して広がりうる可能性についての論文が紹介されていました。
人間の営み、ウイルスの生態。自然史の様々な側面を学んでいるところであります。