感染症は人権問題がおきやすい領域なので、個人情報および関係者の情報の扱いについては専門家はルールと範囲を理解しておく必要があります。
全部隠す伏せる、ということが目的ではありませんが、もちろんフリーアクセスでもありません。
必要があって個人情報を得る場合があります。
3月22日の新聞報道を「おや?」と思って読んだ方もいるでしょうし、なぜ記事になってんだろ?と思われた方もいるかもしれません。
読売新聞 3月22日 はしか患者情報、医師に報告義務…厚労省方針
"厚生労働省の厚生科学審議会の部会は、はしか(麻疹)と髄膜炎菌による感染症が発生した直後に、患者の名前や住所などの個人情報を、医師が保健所に届けることを義務づける案を了承した。"
です。部会が了承した、ということでは何もかわらないのですが、今度の感染症法の見直しの際に、これが盛り込まれる準備が整いましたよ、ということであります。通るのかどうかわかりませんが、反対する根拠もないでしょうから通るのでしょう。
麻疹と髄膜炎菌は現在、感染症法の「5類」です。
出血熱ウイルス等が並んでいる1類はさておき、2類の結核などは、個人の名前も連絡先も書いて保健所に届け出をします。
公的な制度を使うことになるので、結核では個人の情報は必要になるのですが、それ以外にもこの個人特定をもとに接触者検診等が行われるわけですから、大変重要です。もちろん、報道発表をする中に個人情報等は入ってきませんし、メディアも探し出してカメラやマイクを向けるということはありません。
3類4類までも個人情報を記載する欄があります。
が、5類は「感染症のトレンドをみる」ことを主目的としているため、性別、年齢、診断した医療機関と医師、推定の感染経路や関せな地域などを書く欄はありますが、個人の名前や住所等は書かないことになっています。
5類には他に、風疹、梅毒、HIV、などの感染症がならんでいます。
麻疹はこれまでも「1例でたらすぐ対応」ということで保健所が献身的な取り組みをしてきたのですが、壁になっていたのが「5類」です。
医療機関側からしたら、個人情報を出す根拠って何?と思うところもあったわけです。
もちろん15条などをもとに、必要があれば調査や対策をできるようにはなっていますので、麻疹という感染症のゴールドスタンダードとして接触者対応を急いでしなくては、、、ということで皆が協力をしていたわけですが、難しさもありました。
今回のことが改正に盛り込まれれば、5類だけど対策上必要なので個人情報も届け出に含まれるということになります。
対策をするという前提でです。
髄膜炎菌感染症は、急いで曝露後対応をしなくてはいけないのに、7日以内に報告すればいいというズレた位置づけでしたから、今回の改正でより適切になるということでは厚生労働省担当部署や関係者の努力(変える、ということが難しいギョウカイですから)は大きいのだと思います。
ところで、今まで「5類だからね」「5類だしね」といわれてきた他の感染症はどうなるのでしょうね。
都内で急性C肝炎や梅毒がアウトブレイクしていて、これって放置しちゃまずいんじゃないの?と医療関係機関が保健所関係者に伝えても、「5類ですから」といわれて終わっていました。
ああ、感染症を減らすつもりはないんだな、とか、特定のリスク層の問題ならいいとでも思ってんのかな、と悲しい案件なのでありました。
HIVや梅毒だって命を脅かし、周囲への感染力があり、予防策を講じることもできるわけです。
特にHIVなどは「早期診断/治療」が生命予後だけでなく社会生活や就労にも影響するわけですから、リスクの生じた人たちに検査勧奨をする等の努力が可能です。
そこに保健所が踏み出して行くのだとしたら(他の国では通常業務としてたんたんとされているので特別な話でもなんでもないんですが)医師はもちろん保健師の人員増なども予算をとって拡充しないといけないのではないかと思った次第です。
駅前でHIVやSTDの検査をよびかけるより、曝露した人への検査勧奨のほうが効率的ですから。
全部隠す伏せる、ということが目的ではありませんが、もちろんフリーアクセスでもありません。
必要があって個人情報を得る場合があります。
3月22日の新聞報道を「おや?」と思って読んだ方もいるでしょうし、なぜ記事になってんだろ?と思われた方もいるかもしれません。
読売新聞 3月22日 はしか患者情報、医師に報告義務…厚労省方針
"厚生労働省の厚生科学審議会の部会は、はしか(麻疹)と髄膜炎菌による感染症が発生した直後に、患者の名前や住所などの個人情報を、医師が保健所に届けることを義務づける案を了承した。"
です。部会が了承した、ということでは何もかわらないのですが、今度の感染症法の見直しの際に、これが盛り込まれる準備が整いましたよ、ということであります。通るのかどうかわかりませんが、反対する根拠もないでしょうから通るのでしょう。
麻疹と髄膜炎菌は現在、感染症法の「5類」です。
出血熱ウイルス等が並んでいる1類はさておき、2類の結核などは、個人の名前も連絡先も書いて保健所に届け出をします。
公的な制度を使うことになるので、結核では個人の情報は必要になるのですが、それ以外にもこの個人特定をもとに接触者検診等が行われるわけですから、大変重要です。もちろん、報道発表をする中に個人情報等は入ってきませんし、メディアも探し出してカメラやマイクを向けるということはありません。
3類4類までも個人情報を記載する欄があります。
が、5類は「感染症のトレンドをみる」ことを主目的としているため、性別、年齢、診断した医療機関と医師、推定の感染経路や関せな地域などを書く欄はありますが、個人の名前や住所等は書かないことになっています。
5類には他に、風疹、梅毒、HIV、などの感染症がならんでいます。
麻疹はこれまでも「1例でたらすぐ対応」ということで保健所が献身的な取り組みをしてきたのですが、壁になっていたのが「5類」です。
医療機関側からしたら、個人情報を出す根拠って何?と思うところもあったわけです。
もちろん15条などをもとに、必要があれば調査や対策をできるようにはなっていますので、麻疹という感染症のゴールドスタンダードとして接触者対応を急いでしなくては、、、ということで皆が協力をしていたわけですが、難しさもありました。
今回のことが改正に盛り込まれれば、5類だけど対策上必要なので個人情報も届け出に含まれるということになります。
対策をするという前提でです。
髄膜炎菌感染症は、急いで曝露後対応をしなくてはいけないのに、7日以内に報告すればいいというズレた位置づけでしたから、今回の改正でより適切になるということでは厚生労働省担当部署や関係者の努力(変える、ということが難しいギョウカイですから)は大きいのだと思います。
ところで、今まで「5類だからね」「5類だしね」といわれてきた他の感染症はどうなるのでしょうね。
都内で急性C肝炎や梅毒がアウトブレイクしていて、これって放置しちゃまずいんじゃないの?と医療関係機関が保健所関係者に伝えても、「5類ですから」といわれて終わっていました。
ああ、感染症を減らすつもりはないんだな、とか、特定のリスク層の問題ならいいとでも思ってんのかな、と悲しい案件なのでありました。
HIVや梅毒だって命を脅かし、周囲への感染力があり、予防策を講じることもできるわけです。
特にHIVなどは「早期診断/治療」が生命予後だけでなく社会生活や就労にも影響するわけですから、リスクの生じた人たちに検査勧奨をする等の努力が可能です。
そこに保健所が踏み出して行くのだとしたら(他の国では通常業務としてたんたんとされているので特別な話でもなんでもないんですが)医師はもちろん保健師の人員増なども予算をとって拡充しないといけないのではないかと思った次第です。
駅前でHIVやSTDの検査をよびかけるより、曝露した人への検査勧奨のほうが効率的ですから。