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Channel: 感染症診療の原則
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麻疹 アゲイン

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measles again,というため息と危機感が世界各地でおきています。
ワクチン接種をしていない人が数%いる、十数パーセントいる、、というところにウイルスが広がって行きます。


特に、一度排除を成し遂げた地域でも、持ち込まれて2次感染、3次感染が確認されているのが危機的状況です。

年末に京都で、年明けに各地で麻疹の報告が相次いでおり、排除宣言に向けて準備をしていた関係者が顔色を変えています。
しかし、これは風疹の再流行がおきた時と同じように、あらかじめわかっていたことでもあります。

周辺国ではまだ麻疹が流行しており、国内に一定の感受性者がいる。

2007年の流行時に麻疹単独ワクチンをした人が2013年に風疹を発症、昨年風疹単独ワクチンをした人が今年麻疹を発症していたりもするので、国全体の取り組みの危うさをどこかでしきりなおさないと、オリンピックまでに,,,と言っている場合じゃない状況があります。

3月6日 朝日新聞 「小児病棟の患者ら6人、はしか感染 日本医科大病院」 
キャリアブレイン 「はしか院内感染の疑い、小児病棟を一時閉鎖- 日本医科大付属病院、医師や患者が発症」
が伝えるように、都内の医療機関でも外来で、病棟で、麻疹が院外からもちこまれて困っている人たちがいます。

(IDATENではより詳細が報告され、他の医療機関のICTの人たちの本気度を挙げています・・・)

日本医大はその時点でできる最適の対応をしていますが、病棟閉鎖はやむをえなかったとおもいます。
病棟閉鎖は多くの患者さんやご家族に影響を与えます。
病院も一番避けたいことです。
治療の計画の再調整が必要になったり入院や手術を予定していたのにできなくなったりもします。
たいへんなことです。

もちろん経営にも影響します。

地域で流行していたら、病院にはもちこまれてしまうのは避けようがない。
小児科病棟には、治療や病気の関係でワクチンを接種できない人がいる。
医療者は感染源になるわけにはいかないし、院内だけを守っていればいいのではなく、地域流行を止めるための行動をとらないといけない、ということであります。

メディアの皆様には問題の背景(周辺情報)をよく理解し、予防接種制度やワクチンを(十分調査や吟味をせずに)abuseしないよう、自らの役割や責任も長い眼でご検討いただければとおもいます。

3月6日 読売新聞 「ワクチン報道の副作用」


医療機関の個別の努力ではどうにもならない、の背景ですが、接種率の高いカナダの例で考えてみたいと思います。

昨年、フィリピン(特にマニラ)で流行していた麻疹は、現在、飛行機に乗って各国に拡大中ですが、過去3年間麻疹の報告の無かったカナダの首都オタワでフィリピン帰りの子どもが発症をして(ワクチン未接種)、公衆衛生部門が注意喚起を行っています。
Twitter、Facebook, PintarestなどSNSなども駆使。


まず東京都や流行している区のHPがどれくらい注意喚起をしているかみてみます。

文京区の予防対策課の「トピックス」の最終更新日は2011年4月26日(去年の風疹も話題になってないようで愕然)。麻疹のページは昨年の7月4日。
大田区のHPも啓発情報はみかけません。

松戸市のHPで紹介されているのは"2014年に入り、麻しんの発生が複数報告されており、全国的には103例報告されています。千葉県では、第8週までに17例報告されました(平成26年2月26日現在)。
 発熱(38℃前後)や発疹等下記に記載した症状がある場合には、事前に医療機関に連絡してから受診しましょう。"といったことです。
松戸市健康福祉センターのホームページには3月6日付けで2月27日の会議開催報告と資料が掲載されているんですが・・・。誰向けにどんなアクション提案かよくわかりません。


具体的なアクションはどこにあるのか?ですが、、大阪の高槻市では2−5歳に緊急でワクチン接種機会を提供

風疹対策として3月31日まで補助を受けられる人たちにMRワクチンを呼びかけるのはすぐにできることです(せっかく予算をつけたのに、医療や行政の広報としてどれだけの工夫や努力がありますか?)。


で、オタワの注意喚起ですが、、、

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3月5日 Confirmed case of measles in Ottawa

OPH is notifying persons who were present at the following locations during these times and were potentially exposed to the child, and inquiring about their immunization status:

February 25, 2014, 8:45 a.m. - noon: Med-Team Clinic, 103-99 Kakulu Road
February 27, 2014: 9:30 a.m. – 1 p.m.: Active Care Clinic, 1108 Klondike Road
February 28, 2014: noon - 2:20 p.m.: CHEO emergency department
The child attends St. Stephen Catholic School in Stittsville. OPH is working with the school and school board to notify and inform potentially exposed students and staff.

(中略)
For information and health tips, connect with us on Twitter @OttawaHealth. For additional information on measles and immunization, visit ottawa.ca/health or call Ottawa Public Health Information at 613-580-6744 (TTY: 613-580-9656).

You can also follow OPH on Facebook, Tumblr and now on Pinterest.

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病院名も学校名も出ています。

公衆衛生上も、また麻疹という特定の感染症の対策としても、まず第一に曝露した人のケアが最優先です。
曝露をしたかもしれない人にリスクと対応を伝えないといけません。

上記の日時に麻疹症例が医療機関を受診しています。
なぜ3回も? 途中でわからないの? ですが、、、

すでに麻疹が流行していない地域では、医師も「診たことがある」という人が減っています。
また、麻疹は、典型的な症状で受診してくるわけではなく、初期にはカタル症状だけということもあります。
1回ワクチン接種のある修飾麻疹はさらに診断が難しいです。

受診のたびに交通機関や待合室でいろいろな人に曝露しています。

どこかのサイトには麻疹対策として「手洗いとうがい」とありイスから(再び)落ちそうになりました・・・。

2007年の大流行から8年目。3期4期のつみのこし感受性者と、2回接種をしていないそれ以上の成人と、まだ接種できない0歳と。
昨年の風疹のようなことになりかねないので、感染症に関わっているという自覚や自負がある方は、小さいことでもいいですから、できることを積み重ねて行きましょう。

院内に症例がもちこまれてからではなく、持ち込まれる前にICT中心にいくつかのシナリオ想定をしておくなども有効です。

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