2014年1月も終わろうとしています。2014年の12分の1はもう終わります。
HPVワクチンは現時点で定期接種であるので、対象年齢の人は原則自己負担がなく接種ができます。
が、HPVワクチン接種「後」におきた健康イベントの調査をすることになり、その間は積極的接種勧奨の差し控えというわかりにくい表現の状態になっています。
希望者が接種をするのは自由ですが、国としては積極的におすすめしているわけではないということです(言い方を変えてもよくわからないですが)
調査がある程度すすんで、そのサマリーが12月の会議(第6回)で共有され、1月の会議(第7回)で論点整理が行われ、2月にもう一度会議を開いて、「積極的な接種勧奨をどうするか」ということが話し合われます。
選択肢としては「再び差し控え期間を延長する」「差し控え期間を終了して通常モードにもどる」あるいは世界初の「ワクチンの中止」とか、はたまた「A類にしちゃったけどB類にするか〜」という話になるのか。
次の会議にぜひご注目ください。
接種再開となった場合は、日本脳炎のときのように、自己負担無しの期間の延長が期待されます。
(様子見にしていた保護者が多いので)
いずれにしても会議の配布資料と議事録はこちらにありますので、関心ある方はぜひ目を通してください。
<海外の動き>
昨年気づかなかったのですが、12月のニュースで2価のHPVワクチンの「2回スケジュール」がEUで承認された、、という記事がありました。9−14歳には2回でよいという選択肢があり、15歳以上は今までどおり3回、ということです。
EU Approves Reduced Dosing for GSK's HPV Vaccine
すでにカナダでガーダシル2回接種の選択肢も導入されています。効果が十分なら、痛みも少なくコストもかからずよいプランだとおもいますが。
サーバリックスは世界的にはマイナーなので、ニュースとしても広がらなかったのかもしれません。
1月9日 ヨーロッパの医薬品情報を扱うEMAのレポートの、17ページに
4.3.2. Human papillomavirus vaccine [types 16, 18] (recombinant, adjuvanted, adsorbed) – CERVARIX (CAP) Human papillomavirus vaccine [types 6, 11, 16, 18] (recombinant, adsorbed) – GARDASIL (CAP), SILGARD (CAP)
があります。
"Signal of complex regional pain syndrome (CRPS) linked to the process of vaccination"に注目。そして、
まとめ
the PRAC considered that the currently available evidence did not allow confirmation of a causal association between Gardasil and CRPS and that no regulatory action was justified.
However, since some points of the previous request were not fully addressed the PRAC agreed that some final additional clarifications should be provided by the MAHs for completeness.
Summary of recommendation(s)
• The MAHs for Cervarix and Gardasil should provide final clarification to the EMA within 60 days including further details on the cases included in the safety database.
• A 60-day timetable was recommended for the assessment of this review leading to a further PRAC recommendation.
1月16日にはEurosurveillanceに 2008-2011年の英国のHPVワクチンプログラムの評価が掲載されていました。
COVERAGE OF THE ENGLISH NATIONAL HUMAN PAPILLOMAVIRUS (HPV) IMMUNISATION PROGRAMME AMONG 12 TO 17 YEAR-OLD FEMALES BY AREA-LEVEL DEPRIVATION SCORE,
英国は家庭医と学校での集団接種と両方があります。86%を超える接種率は集団接種による効果が大きいときいています。
1月16日 Medscape HPV Vaccine and Others Safe, Effective When Coadministered
思春期層にHPVワクチンを接種する時に、他のワクチンと同時接種をしたりもしますので(HBV, Tdap等)そこでの有効性や有害事象についての検討をしてみました(複数のSystematic Reviewのレビュー)記事。特に問題視されるような兆候はなし。
3月にPublishされる
HPV16 E6*II gene expression in intraepithelial cervical lesions as an indicator of neoplastic grade: a pilot study.
とか、基礎系の情報も見て行かないとどのあたりのエビデンスで話をしているのかわからなくなりそうです。
副反応の会議でも自己免疫疾患系との関連が検討されていました。
接種「後」の健康イベントとして、実際に自己免疫疾患と診断された例もあるそうですが、もともとワクチンがなくても発症者がいるので、ワクチンとの因果関係を検討するためには、時間的に「接種の後におきた」という説明だけでは困難です。専門医による詳細な検討が必要になります。
1月24日 Autoimmun Rev. 2014 Jan 24
On the relationship between human papilloma virus vaccine and autoimmune diseases.
"Along with the introduction of the HPV vaccines, several cases of onset or exacerbations of autoimmune diseases following the vaccine shot have been reported in the literature and pharmacovigilance databases, triggering concerns about its safety. This vaccination programme, however, has been introduced in a population that is at high risk for the onset of autoimmune diseases, making it difficult to assess the role of HPV vaccine in these cases and no conclusive studies have been reported thus far."
こちらは日本の調査結果です。
男性を対象に、うがいをしてもらった液体でHPVをはじめとする感染症の検査をしています。
1月27日 BMC Infect Dis. 2014 Jan 27;14(1):43.
Prevalence of human papillomavirus infection in the oropharynx and urine among sexually active men: a comparative study of infection by papillomavirus and other organisms, including Neisseria gonorrhoeae, Chlamydia trachomatis, Mycoplasma spp., and Ureaplasma spp.
日本の疫学データは、まだこれからですね。子宮以外のHPV関連の健康問題を知る人が増えれば解明もすすんでいくでしょうか〜。
HPVワクチンは現時点で定期接種であるので、対象年齢の人は原則自己負担がなく接種ができます。
が、HPVワクチン接種「後」におきた健康イベントの調査をすることになり、その間は積極的接種勧奨の差し控えというわかりにくい表現の状態になっています。
希望者が接種をするのは自由ですが、国としては積極的におすすめしているわけではないということです(言い方を変えてもよくわからないですが)
調査がある程度すすんで、そのサマリーが12月の会議(第6回)で共有され、1月の会議(第7回)で論点整理が行われ、2月にもう一度会議を開いて、「積極的な接種勧奨をどうするか」ということが話し合われます。
選択肢としては「再び差し控え期間を延長する」「差し控え期間を終了して通常モードにもどる」あるいは世界初の「ワクチンの中止」とか、はたまた「A類にしちゃったけどB類にするか〜」という話になるのか。
次の会議にぜひご注目ください。
接種再開となった場合は、日本脳炎のときのように、自己負担無しの期間の延長が期待されます。
(様子見にしていた保護者が多いので)
いずれにしても会議の配布資料と議事録はこちらにありますので、関心ある方はぜひ目を通してください。
<海外の動き>
昨年気づかなかったのですが、12月のニュースで2価のHPVワクチンの「2回スケジュール」がEUで承認された、、という記事がありました。9−14歳には2回でよいという選択肢があり、15歳以上は今までどおり3回、ということです。
EU Approves Reduced Dosing for GSK's HPV Vaccine
すでにカナダでガーダシル2回接種の選択肢も導入されています。効果が十分なら、痛みも少なくコストもかからずよいプランだとおもいますが。
サーバリックスは世界的にはマイナーなので、ニュースとしても広がらなかったのかもしれません。
1月9日 ヨーロッパの医薬品情報を扱うEMAのレポートの、17ページに
4.3.2. Human papillomavirus vaccine [types 16, 18] (recombinant, adjuvanted, adsorbed) – CERVARIX (CAP) Human papillomavirus vaccine [types 6, 11, 16, 18] (recombinant, adsorbed) – GARDASIL (CAP), SILGARD (CAP)
があります。
"Signal of complex regional pain syndrome (CRPS) linked to the process of vaccination"に注目。そして、
まとめ
the PRAC considered that the currently available evidence did not allow confirmation of a causal association between Gardasil and CRPS and that no regulatory action was justified.
However, since some points of the previous request were not fully addressed the PRAC agreed that some final additional clarifications should be provided by the MAHs for completeness.
Summary of recommendation(s)
• The MAHs for Cervarix and Gardasil should provide final clarification to the EMA within 60 days including further details on the cases included in the safety database.
• A 60-day timetable was recommended for the assessment of this review leading to a further PRAC recommendation.
1月16日にはEurosurveillanceに 2008-2011年の英国のHPVワクチンプログラムの評価が掲載されていました。
COVERAGE OF THE ENGLISH NATIONAL HUMAN PAPILLOMAVIRUS (HPV) IMMUNISATION PROGRAMME AMONG 12 TO 17 YEAR-OLD FEMALES BY AREA-LEVEL DEPRIVATION SCORE,
英国は家庭医と学校での集団接種と両方があります。86%を超える接種率は集団接種による効果が大きいときいています。
1月16日 Medscape HPV Vaccine and Others Safe, Effective When Coadministered
思春期層にHPVワクチンを接種する時に、他のワクチンと同時接種をしたりもしますので(HBV, Tdap等)そこでの有効性や有害事象についての検討をしてみました(複数のSystematic Reviewのレビュー)記事。特に問題視されるような兆候はなし。
3月にPublishされる
HPV16 E6*II gene expression in intraepithelial cervical lesions as an indicator of neoplastic grade: a pilot study.
とか、基礎系の情報も見て行かないとどのあたりのエビデンスで話をしているのかわからなくなりそうです。
副反応の会議でも自己免疫疾患系との関連が検討されていました。
接種「後」の健康イベントとして、実際に自己免疫疾患と診断された例もあるそうですが、もともとワクチンがなくても発症者がいるので、ワクチンとの因果関係を検討するためには、時間的に「接種の後におきた」という説明だけでは困難です。専門医による詳細な検討が必要になります。
1月24日 Autoimmun Rev. 2014 Jan 24
On the relationship between human papilloma virus vaccine and autoimmune diseases.
"Along with the introduction of the HPV vaccines, several cases of onset or exacerbations of autoimmune diseases following the vaccine shot have been reported in the literature and pharmacovigilance databases, triggering concerns about its safety. This vaccination programme, however, has been introduced in a population that is at high risk for the onset of autoimmune diseases, making it difficult to assess the role of HPV vaccine in these cases and no conclusive studies have been reported thus far."
こちらは日本の調査結果です。
男性を対象に、うがいをしてもらった液体でHPVをはじめとする感染症の検査をしています。
1月27日 BMC Infect Dis. 2014 Jan 27;14(1):43.
Prevalence of human papillomavirus infection in the oropharynx and urine among sexually active men: a comparative study of infection by papillomavirus and other organisms, including Neisseria gonorrhoeae, Chlamydia trachomatis, Mycoplasma spp., and Ureaplasma spp.
日本の疫学データは、まだこれからですね。子宮以外のHPV関連の健康問題を知る人が増えれば解明もすすんでいくでしょうか〜。