1914年(大正3年)4月24日の読売新聞7ページのコピーをもらいました。
「風疹患者 宮内省に発生す:寮内の大消毒」
22歳の職員が4月23日の午前9時に気分が悪いといい、熱を測っているうちに全身に発疹。
このときは「まさか発疹チフスか??」と大慌てしたようですが、「体温37度3分、脈拍100」、皮疹のようすから医師は風疹と判断。宮内省の車で自宅に送り届け、この職員の食器等含めて大消毒が行われた、と記載されています。
同じ紙面には「鉄道員職工の家族 ペストに罹る:各工場 感謝の大消毒」という記事もあります。
他にもありますが省略。
日本の風疹の話は1965年前後の沖縄の話以前からもいろいろありまして、新聞記事検索の結果の一部をみてみますと、、、
1908年7月
「皇太子いよいよ東北行啓、6年前に風疹流行で中止」 1902年に流行していたんですね(- -;)
1914年4月
「風疹患者宮内省に発生す 寮内の大消毒」
1959年6月
「赤痢と風疹集団発生、都内の2小学校で学級閉鎖/東京都」 そんなアウトブレイク対応はとてもたいへん(--;)
1960年3月
「風シン各地に広がる 入試も隔離して:静岡」 入試で拡大コワイ
1963年1月
「零歳からの人つくり 12 優秀児を産むために」
1968年1月
「風シンの生ワク開発 大阪大」
1969年2月
「テレビ評:深い感動与えた障害児問題 NHK報道とTBSマスコミQ」
1969年2月
「沖縄の風シン障害児 本土で手術や訓練」
1969年2月
「風シンワクチン研究費 つめたい大蔵省 3年続けてゼロ査定」
1969年3月
「風疹難聴児の指導団 沖縄派遣へ」
1971年4月
「「風シン」や「おたふくかぜ」 "新伝染病”封じ込め 専門医を重点配置」 専門医(- -;)?
1972年3月
「風疹ワクチンできる」
1972年6月
「聴覚障害児の教育 幼稚園ではおそすぎ」
1974年6月
「経済的理由と言う名の良識 人工中絶の問題をめぐって/松田道雄」
1975年2月
「ふえる難聴児 流産防止剤などに疑い 早期発見、2歳までに訓練」
1975年3月
「3日ばしか流行の兆し 小・中学校も免疫なし30%」
1975年6月
「風疹の予防にもっと関心を」 今年も言っていたような・・
1975年6月
「肢体不自由児出産に防波堤 風疹ワクチン実用化へ 審議会が認める」
1975年7月
「風疹生ワクと不幸な我が子」
1975年9月23日〜27日
ルポタージュ風疹 「障害から胎児をまもるために」
1976年2月
「風疹にご用心 学級閉鎖が増える」
1976年2月
「風疹流行で初の学校閉鎖 日野第二小学校」
1976年2月
「風しん 全国的に流行の恐れ」
1976年3月
「風疹 大流行のきざし 胎児に白内障など障害 こわい妊娠初期の感染」
1976年3月
「風しん これからが要注意 先月、全国で5万人 東京・埼玉も多発地帯」
1976年3月
「保健室から:風疹の大流行 自分本位ではなく社会の健康考えて」
1976年4月
「風しん 先月13万人 厚生省の調査 埼玉・大阪がひどい」
1976年5月
「風しん若い妊婦ご用心! 4人に1人"無抵抗” 都済生会病院調査」
1976年8月
「優勢保護法の風シン適用を」
1977年2月
「風疹生ワクご用心 妊娠前後は赤信号」
1977年2月
「風しん再流行歌 先月患者3万人こす」
1977年7月
「母となる日のために・・・中学生に風しんワクチン今秋から義務づけ/厚生省」
1977年7月
「風しんワクチン 高校生にも必要 流行予想時に適齢期」
1977年12月
「ハシカ予防 2歳児義務づけ 接種お要は自己負担」
1981年5月
「風しん 流行の兆し 昨年同期の20倍も 関東近県など要注意 大阪で初の死者」
1981年6月
「風疹流行にご用心 きょうから都で予防接種」
1983年3月
「出産予定のお母さん 風疹 この春も心配 流行最後の年、 局地汚染の兆し」
1983年7月
「風疹による中絶拒否され障害児出産 医師に責任 330万円払え」
1983年10月
「私書箱325 中学生の風しん予防接種「妊娠」の注意書きに賛否」
1986年2月
「混合ワクチン 2年後実用化 はしか おたふくかぜ 風しん まとめて予防」
その後も数年おきに流行が続き、悲劇はくりかえされてきました。
2004年、米国が風疹排除宣言をしたときに、日本は「緊急提言」を出しています。
そして、2006年より麻疹の2回接種がはじまりましたが(風疹Rをあえて外して接種した人もいます)、2007年には高校生や大学生を中心に麻疹が大流行。
(2009年から風疹は全数報告にかわりました)
いろいろ歴史的背景を理解する必要があります。
ワクチン接種の経緯は、2013-06-24 厚労省の風疹対策を考える(新小児科医のつぶやき)に詳しくありますので、こちらで勉強させていただきましょう。
上先生 「なぜ、我が国は風疹の流行を繰り返すのか?」
風疹に関する小委員会 委員 宮崎千明(2013 年 10 月 8 日) 1) 今回の風疹流行について
「風疹は忘れた頃にやってくる」(歴史REALWEB)
Rubella--Not Gone But Often Forgotten(アリゾナ州資料)
シーズントレンドとして、年明けくらいから増えることがよくわかりました。
大流行年は夏にかけて長期に増えていることも。