予防接種・ワクチン部会の会議が、いまだかつてないペースで開催され、急ピッチで話がつめられています。
2013年の3月19日の衆議院厚生労働委員会で、(Hib、肺炎球菌、HPV以外の)残る水痘、おたふくかぜ、成人用肺炎球菌、B型肝炎の 4ワクチンについても、「安定的なワクチン供給体制や継続的な接種に要する財源を確保したうえで平成25年度末までに定期接
種化の結論を得るように努める」との附帯決議が採択され、参議院でも同様の運びとなりました。
参考:厚生労働委員会調査室 「予防接種制度の抜本的な見直しに向けて」
「平成25年度末まで」というのは、極端にいうと平成26年3月31日まで、であります。
31日に決めればいいのかもしれませんが(やめてー)、それでは4月1日からの事業は行えません。
なぜかというと、ひとつは財源や人事、広報など運営の問題があるからです。
4月1日からだってさー、、、といって住民から問い合わせがきたり、開業医さんから「え?どうやってやるの?」と聞かれるようでは混乱してしまうからです。
メディアが先に書いてしまうとこの混乱はさらにひどくなります。
みなさんだったら、いつぐらいまでに知りたいですか?行政の手続きや資料はいつぐらいまでにほしいですか?
もうひとつはワクチンの準備の問題です。
任意ワクチンと定期のワクチンでは準備すべき量がまず異なります。
お湯をかけて3分的にはしあがりません。薬液をビンにつめるだけでもだめです。
「国家検定」なるプロセスを経て市場にでまわるからです。
逆算して何カ月あれば、必要な複数のワクチンは、流通の混乱もなく各地に配備されるのか?であります。
上記の「残りのワクチン」の行方は会議の議事録や資料などで確認できますので関心ある方はぜひご確認ください。
そんなことを説明する機会の増えている昨今ですが、、、VPDの会のメーリングリストでB型肝炎のことが話題になっていた新聞記事を見てみました。
2014年度からのB型肝炎ワクチンについては、上記の会議の7月10日の配布資料が参考になります。
MLで話題になっていた2013年8月11日の記事です。
記事を書く前に、周辺情報とか探して勉強しないのかな。
「B型肝炎 高い宮古の陽性率/11年度検査分:全国平均の10倍/宮古福祉保健所 検査呼びかける」
まず、ひとことも「ワクチン」のことが書いてない。
感染症の話題なのにそれでいいのか?
"宮古福祉保健所は「なぜ宮古地区の陽性率がこんなに高いのかについて明確な理由はまだ分かっていないが実態として高いのでぜひ、検査を受けてほしい」と呼び掛けた"
"B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することで発症するウイルス性肝炎で、血液を介して感染する。"
・・・血液だけじゃないですよ。
"成人の場合は免疫機能が確立しているため、ウイルスに感染しても、多くの場合は不顕性感染で自然に治癒する。一部の人では、急性肝炎を発症し、一過性の感染を経て治癒。どちらの場合も、ウイルスは体から排除されて免疫を獲得する。"
完全には排除されないことが問題になっています。ワクチンで予防するのがベスト。
感染経路が母子感染ばかりではないことがいろいろな調査でわかっています。
沖縄宮古地区におけるHBV感染の疫学―フィラリア検診との関連において―
沖縄県におけるB型肝炎ウイルス感染と慢性肝疾患との関連
こちらは修学旅行で剃刀を共有して感染。学校職員と生徒全員の調査が行われています。
「カミソリの共用により感染したB型劇症肝炎の1例」
保育園など集団生活をする施設、家庭内での水平感染も問題です。
その基礎となる研究の多くが行われた地域でもあります。
Hepatitis B virus infection among mentally retarded patients in institutions, Okinawa, Japan.
Full genomic analysis of hepatitis delta virus prevalent on Miyako Island, Japan
Difference in prognosis between patients infected with hepatitis B virus with genotype B and those with genotype C in the Okinawa Islands: a prospective study.
Changing pattern of intrafamilial transmission of hepatitis B virus in Okinawa, Japan.
Transmission of hepatitis B virus among siblings.
Large-scale survey of hepatitis B virus infection in families.
An epidemiologic study of hepatitis B virus in Okinawa and Kyushu, Japan
Large-scale survey of hepatitis B virus infection in families.
Geographic distribution of hepatitis B virus (HBV) genotype in patients with chronic HBV infection in Japan
血液以外の体液にどれくらいウイルスがいて、感染力があるかという調査は前から行われています。
2012年には日本からも報告がありました。
Tears from children with chronic hepatitis B virus (HBV) infection are infectious vehicles of HBV transmission: experimental transmission of HBV by tears, using mice with chimeric human livers.
HBe抗原陽性の慢性活動性肝炎を発症している男性キャリア23人の唾液,尿,精液にB型肝炎ウィルスDNAをそれぞれ88%,55%,62%検 出。感染性が高いと報告。
Karayiannis
Hepatitis B virus DNA in saliva, urine, and seminal fluid of carriers of hepatitis B e antigen.
Br. Med. J., 290 : 1853-1855, 1985.
感染している人も含め皆が安心して生活できるためには、検査や治療のアクセスだけでなくワクチンの話もいれないと、ですね。
2013年の3月19日の衆議院厚生労働委員会で、(Hib、肺炎球菌、HPV以外の)残る水痘、おたふくかぜ、成人用肺炎球菌、B型肝炎の 4ワクチンについても、「安定的なワクチン供給体制や継続的な接種に要する財源を確保したうえで平成25年度末までに定期接
種化の結論を得るように努める」との附帯決議が採択され、参議院でも同様の運びとなりました。
参考:厚生労働委員会調査室 「予防接種制度の抜本的な見直しに向けて」
「平成25年度末まで」というのは、極端にいうと平成26年3月31日まで、であります。
31日に決めればいいのかもしれませんが(やめてー)、それでは4月1日からの事業は行えません。
なぜかというと、ひとつは財源や人事、広報など運営の問題があるからです。
4月1日からだってさー、、、といって住民から問い合わせがきたり、開業医さんから「え?どうやってやるの?」と聞かれるようでは混乱してしまうからです。
メディアが先に書いてしまうとこの混乱はさらにひどくなります。
みなさんだったら、いつぐらいまでに知りたいですか?行政の手続きや資料はいつぐらいまでにほしいですか?
もうひとつはワクチンの準備の問題です。
任意ワクチンと定期のワクチンでは準備すべき量がまず異なります。
お湯をかけて3分的にはしあがりません。薬液をビンにつめるだけでもだめです。
「国家検定」なるプロセスを経て市場にでまわるからです。
逆算して何カ月あれば、必要な複数のワクチンは、流通の混乱もなく各地に配備されるのか?であります。
上記の「残りのワクチン」の行方は会議の議事録や資料などで確認できますので関心ある方はぜひご確認ください。
そんなことを説明する機会の増えている昨今ですが、、、VPDの会のメーリングリストでB型肝炎のことが話題になっていた新聞記事を見てみました。
2014年度からのB型肝炎ワクチンについては、上記の会議の7月10日の配布資料が参考になります。
MLで話題になっていた2013年8月11日の記事です。
記事を書く前に、周辺情報とか探して勉強しないのかな。
「B型肝炎 高い宮古の陽性率/11年度検査分:全国平均の10倍/宮古福祉保健所 検査呼びかける」
まず、ひとことも「ワクチン」のことが書いてない。
感染症の話題なのにそれでいいのか?
"宮古福祉保健所は「なぜ宮古地区の陽性率がこんなに高いのかについて明確な理由はまだ分かっていないが実態として高いのでぜひ、検査を受けてほしい」と呼び掛けた"
"B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することで発症するウイルス性肝炎で、血液を介して感染する。"
・・・血液だけじゃないですよ。
"成人の場合は免疫機能が確立しているため、ウイルスに感染しても、多くの場合は不顕性感染で自然に治癒する。一部の人では、急性肝炎を発症し、一過性の感染を経て治癒。どちらの場合も、ウイルスは体から排除されて免疫を獲得する。"
完全には排除されないことが問題になっています。ワクチンで予防するのがベスト。
感染経路が母子感染ばかりではないことがいろいろな調査でわかっています。
沖縄宮古地区におけるHBV感染の疫学―フィラリア検診との関連において―
沖縄県におけるB型肝炎ウイルス感染と慢性肝疾患との関連
こちらは修学旅行で剃刀を共有して感染。学校職員と生徒全員の調査が行われています。
「カミソリの共用により感染したB型劇症肝炎の1例」
保育園など集団生活をする施設、家庭内での水平感染も問題です。
その基礎となる研究の多くが行われた地域でもあります。
Hepatitis B virus infection among mentally retarded patients in institutions, Okinawa, Japan.
Full genomic analysis of hepatitis delta virus prevalent on Miyako Island, Japan
Difference in prognosis between patients infected with hepatitis B virus with genotype B and those with genotype C in the Okinawa Islands: a prospective study.
Changing pattern of intrafamilial transmission of hepatitis B virus in Okinawa, Japan.
Transmission of hepatitis B virus among siblings.
Large-scale survey of hepatitis B virus infection in families.
An epidemiologic study of hepatitis B virus in Okinawa and Kyushu, Japan
Large-scale survey of hepatitis B virus infection in families.
Geographic distribution of hepatitis B virus (HBV) genotype in patients with chronic HBV infection in Japan
血液以外の体液にどれくらいウイルスがいて、感染力があるかという調査は前から行われています。
2012年には日本からも報告がありました。
Tears from children with chronic hepatitis B virus (HBV) infection are infectious vehicles of HBV transmission: experimental transmission of HBV by tears, using mice with chimeric human livers.
HBe抗原陽性の慢性活動性肝炎を発症している男性キャリア23人の唾液,尿,精液にB型肝炎ウィルスDNAをそれぞれ88%,55%,62%検 出。感染性が高いと報告。
Karayiannis
Hepatitis B virus DNA in saliva, urine, and seminal fluid of carriers of hepatitis B e antigen.
Br. Med. J., 290 : 1853-1855, 1985.
感染している人も含め皆が安心して生活できるためには、検査や治療のアクセスだけでなくワクチンの話もいれないと、ですね。