ワクチンのグローバル市場は、単純に商売だけでなく、途上国支援との関連も含めて各国製薬会社のターゲットとなっています。
WHOの資料 The Vaccine Market Vaccine Production and the Market
年間100万ちょっとしか子どもがうまれない日本の市場そのものは大きいとはいえませんが、強固な予防接種の施策や指針がない分、販売戦略を講じやすいのではないかとおもいます。(承認まで時間がかかる等の障壁はあるでしょうが)
米国のACIPのような組織は各国にありますが、ここが国のプログラムを検討します。
オーストラリアのように費用対効果の厳しい審査を経ないと、専門家のプッシュだけではダメという国もあります。
そういった軸がないところでは、どうやって適正さを説明していくのでしょう。
販売しやすいのでは?を考えたのは、成人の肺炎球菌ワクチンの事例です。
製薬会社のCMによって接種が拡大しているようですが、接種推奨情報が、国の機関のHPや専門団体や学会から出ているわけではありません。
(誰もがアクセスできる情報として)
小児のワクチンとだいぶ事情が違うように思います。
間違った路線ではないとしても、信頼に足る制度にみえるだろうか?と思うわけです。
これ以前には、2価HPVワクチンが先に臨床試験をしていた4価をおいこして承認され、水痘やムンプス、B型肝炎をとびこして公費支援を獲得するという不思議な現象がありました。
疫学データ上も、公衆衛生としても、HPVワクチンがこれらに優先すると考える根拠はありません。
「声の大きい人たちがいた」ことは確かでした。なぜその人たちが突然、子宮を連呼しはじめたのかは今もってわかりませんが、その人たちが急ぎ水痘やムンプス、B型肝炎ワクチンも公費にしようとしていないのはとても不思議です。
日本にも「ワクチン産業ビジョン」という(適切な予防接種制度とは別の軸の)”戦略”が存在しますが、外資大手と比較すると、開発や臨床試験などいろいろな点でキャパシティに差があるように見えます。
外資のコンサル会社が解説する、日本のワクチン市場の展望
■Penetrating Japan's vaccine market by investigation of regulatory/political barriers
■Major vaccine players – the race to Japan
■Research and Markets: World Vaccines Market: Vaccine Segments Analysis, Vaccine Cases and Future Forecast
"Japanese vaccine market has also started to open up further from regulatory and political barriers."
昨日このような記事がありました。
Nuron Biotech licenses Hibtiter flu vaccine in Japan 1月13日
"Nuron Biotech Inc. licensed its Hibtiter influenza vaccine to Mitsubishi Tanabe Pharma Corp. for commercialization in the Japanese market.”
Nuron Biotech Licenses HibTITER Vaccine to Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation for Japanese Market
EXTON, Pa.--(BUSINESS WIRE)--Jan 13, 2012
"announced that it has licensed its HibTITER® vaccine to Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation (Head Office: Osaka, Japan; “MTPC”) for commercialization in the Japanese market for both the single entity and for combination product use"
単独または混合のワクチンで・・です。
Hibtiterとは、Hibワクチンのひとつ。
ちなみに、米国のCDCのワクチンリストにはありません。現在あるのは下記の3つ。
ActHIB®(Sanofi Pasteur) PedvaxHIB®(Merck) Hiberix®(GSK)
Hibtiterはワイス社(現ファイザー)があつかっていましたが、2007年にdiscontiunedとなったそうです。
個人や臨床レベルで考えると、「より安全」「効果が高い」ワクチン、「負担の少ない」混合ワクチンの選択肢が増えることはよいことです。信頼される制度であるためには、最終的な判断の軸が市場の論理なのか、子どもの健康や生命第一、evidenceに基づいた政策なのか、、が明確でなければなりません。
独立した組織でやらないと難しいでしょう。
厚生労働省結核感染症課の「感染症エクスプレス」がアンケートでヒアリングをしていますので、配信登録をしている人はぜひ提案をお願いします。
ワクチンだけではないですが、「全肯定」も「全否定」も思考停止になりやすいので、自ら調べて考えていかなければいけないのは医療者も同じ。
アドボケイトする専門家の情報発信は今後ますます重要になるでしょう。
Vaccine Market in Western Countries
WHOの資料 The Vaccine Market Vaccine Production and the Market
年間100万ちょっとしか子どもがうまれない日本の市場そのものは大きいとはいえませんが、強固な予防接種の施策や指針がない分、販売戦略を講じやすいのではないかとおもいます。(承認まで時間がかかる等の障壁はあるでしょうが)
米国のACIPのような組織は各国にありますが、ここが国のプログラムを検討します。
オーストラリアのように費用対効果の厳しい審査を経ないと、専門家のプッシュだけではダメという国もあります。
そういった軸がないところでは、どうやって適正さを説明していくのでしょう。
販売しやすいのでは?を考えたのは、成人の肺炎球菌ワクチンの事例です。
製薬会社のCMによって接種が拡大しているようですが、接種推奨情報が、国の機関のHPや専門団体や学会から出ているわけではありません。
(誰もがアクセスできる情報として)
小児のワクチンとだいぶ事情が違うように思います。
間違った路線ではないとしても、信頼に足る制度にみえるだろうか?と思うわけです。
これ以前には、2価HPVワクチンが先に臨床試験をしていた4価をおいこして承認され、水痘やムンプス、B型肝炎をとびこして公費支援を獲得するという不思議な現象がありました。
疫学データ上も、公衆衛生としても、HPVワクチンがこれらに優先すると考える根拠はありません。
「声の大きい人たちがいた」ことは確かでした。なぜその人たちが突然、子宮を連呼しはじめたのかは今もってわかりませんが、その人たちが急ぎ水痘やムンプス、B型肝炎ワクチンも公費にしようとしていないのはとても不思議です。
日本にも「ワクチン産業ビジョン」という(適切な予防接種制度とは別の軸の)”戦略”が存在しますが、外資大手と比較すると、開発や臨床試験などいろいろな点でキャパシティに差があるように見えます。
外資のコンサル会社が解説する、日本のワクチン市場の展望
■Penetrating Japan's vaccine market by investigation of regulatory/political barriers
■Major vaccine players – the race to Japan
■Research and Markets: World Vaccines Market: Vaccine Segments Analysis, Vaccine Cases and Future Forecast
"Japanese vaccine market has also started to open up further from regulatory and political barriers."
昨日このような記事がありました。
Nuron Biotech licenses Hibtiter flu vaccine in Japan 1月13日
"Nuron Biotech Inc. licensed its Hibtiter influenza vaccine to Mitsubishi Tanabe Pharma Corp. for commercialization in the Japanese market.”
Nuron Biotech Licenses HibTITER Vaccine to Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation for Japanese Market
EXTON, Pa.--(BUSINESS WIRE)--Jan 13, 2012
"announced that it has licensed its HibTITER® vaccine to Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation (Head Office: Osaka, Japan; “MTPC”) for commercialization in the Japanese market for both the single entity and for combination product use"
単独または混合のワクチンで・・です。
Hibtiterとは、Hibワクチンのひとつ。
ちなみに、米国のCDCのワクチンリストにはありません。現在あるのは下記の3つ。
ActHIB®(Sanofi Pasteur) PedvaxHIB®(Merck) Hiberix®(GSK)
Hibtiterはワイス社(現ファイザー)があつかっていましたが、2007年にdiscontiunedとなったそうです。
個人や臨床レベルで考えると、「より安全」「効果が高い」ワクチン、「負担の少ない」混合ワクチンの選択肢が増えることはよいことです。信頼される制度であるためには、最終的な判断の軸が市場の論理なのか、子どもの健康や生命第一、evidenceに基づいた政策なのか、、が明確でなければなりません。
独立した組織でやらないと難しいでしょう。
厚生労働省結核感染症課の「感染症エクスプレス」がアンケートでヒアリングをしていますので、配信登録をしている人はぜひ提案をお願いします。
ワクチンだけではないですが、「全肯定」も「全否定」も思考停止になりやすいので、自ら調べて考えていかなければいけないのは医療者も同じ。
アドボケイトする専門家の情報発信は今後ますます重要になるでしょう。
Vaccine Market in Western Countries