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ローカーボ脱落

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昨日深夜、編集長はお汁粉を3杯 AND オニギリ2ヶを食しました。



このハイーカーボの併用療法により、編集長の意志の弱さが露呈したわけです。



えーい、たまには良いではないか!! 

ついでに訪沖中のハイカーボをReviewしましょう。









宴のあと 

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気づけば2日ほどブログをさぼっていました〜。

この間も多くのアクセスがあったのはノロの記事のようですが、ウイルスには年末年始も関係なくブレイクしまくりであります。

金曜と土曜は青木編集長宅でPartyがありまして、全国各地から飛行機や新幹線で感染症フリークな皆様が参加してくださいました。
どうもありがとうございました。

フロアのあちこちでプチ症例検討会が行われ、ノロ対応の秘策(あるのか?)を伝授しあったり、次の研修先情報をラッキーにも得ている初期研修の先生たちがいて、濃密な数時間でありました。

最後まで残って片付けをお手伝いしてくださったのはネリマー(練馬区民)の皆様。
ありがとうございました。

また写真入でおいおい様子を紹介させていただきたいとおもいます。

青木Officeはこのまま年末年始に関係なく、感染症情報ウォッチを続けます。
2日は青木編集長が福島の病院の応援にでかけます(応援ちゃんとできるのか?ぼそぼそ)。

来年も皆様からのネタ提供、臨時特派員レポートをお待ちしております(^^)。

1日目のメンバー。早く帰った仲間と、遅く来た仲間は残念ながらうつっていませんが、いずれ空中丸貫写真で合成したいとおもいます。

ノロ関連報道 つづき

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えー。

「名札のようなケースに二酸化塩素の発生剤を入れて首から下げ、菌やウイルスを近づけにくくする商品も人気という。」中國新聞

不要です。リスクはどう考えるんですかね。

玄米とノロウイルス感染は関係ありませんよ。
有効というならば、実験をしたということでしょうか。あえてノロをヒトに投与するようなことは倫理審査が通らないとおもいます。健康や医療に関連する情報としてかなり悪質です。

なんでかすねー。

皆さん、感染予防に必要な、標準的なことを地道にやりましょう。特別お金をかけなくてはいけないようなことはないです。

根拠の不明なものの採用はやめましょう。ないよりましではなくて、有効な対策をしない選択になるという別の問題につながるリスクがあります。他の危険が発生したときにも対処が遅れるひとになりますよ。


ノロの拡大リスク要因としては、集団生活、トイレなどの施設の共有。
感染拡大要因としては、手洗いなどの衛生行動が守れない(子どもや認知症の高齢者は周囲のサポートが重要)。
重症化のリスクとしては、高齢、基礎疾患がある、ですね。

おむつ交換や嘔吐物処理のときはマスクも必要です。
2006年のこの事例で指摘されたことは、ノロ対策に関わる人たちの緊張を高めました。
IASR「Mホテルにおけるノロウイルスによる集団胃腸炎の発生について」
病院に絨毯なんてやめたほうがいいですね(靴の音を吸収するということで採用を主張する人もいるみたいですが)。

ノロウイルスの報道が続いています。
記者会見や配布資料は一緒だと思いますが、各社趣の違う記事となっています。
全体を見てみましょう。

横浜市の病院関連です。今の時点で報道発表の掲載はありません

横浜では12月上旬から警報が出ており、各地と同様、流行は止まっていません。
ワクチンもないですし、感染力が他の病原体と比べて強く、コントロールが難しい感染症です。

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テレビ朝日 12月30日「横浜市でノロ集団感染 4人死亡、発症者は100人超」

 横浜市の病院で、入院患者と職員がノロウイルスに集団感染して4人が死亡した問題で、新たに6人が嘔吐などの症状を訴え、発症者は100人を超えました。
病院では25日から29日までの4日間で、入院患者と職員ら99人がノロウイルスに感染した疑いがあり、入院していた80歳から97歳の男女4人が死亡し、80代の男性が重症です。市の保健所によりますと、29日夜から30日朝にかけ、新たに入院患者5人と職員1人が嘔吐などの症状を訴え、発症者は105人となりました。保健所は、立ち入り検査で、病院の対策に問題がないか確認するとともに感染経路を調べています。病院側は感染の拡大を防ぐため、感染者を隔離したうえ、面会を中止しました。

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この記事にはありませんが、他社の記事によりますと、死亡例は、80歳(男)、92歳(男)、95歳(女)、97歳(女)とのことです。
インパクトを知るための分母ですが、「375床」の病院とのことです。
そして、高齢者がほとんど、認知症、経管栄養が必要な症例も多いという特徴の病院。

ノロウイルスの潜伏期間は2日ほどですので、あっという間に多くの人が発症をします。

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NHK 12月30日 「横浜の病院 発症の半数近くは4階患者」
横浜市緑区の病院で入院患者4人が死亡した、ノロウイルスによるとみられる集団感染で、発症した人の半数近くが4階の病棟の入院患者だったということで、横浜市は病院に立ち入り調査を行うなど、感染の原因などについて調べています。
病院では、今月25日から30日までに入院患者と職員合わせて105人が下痢やおう吐など感染性胃腸炎の症状を訴え、このうち80歳から97歳までの男女4人の入院患者が相次いで死亡し、1人が重症になっていて、横浜市はノロウイルスによる集団感染とみて調べています。
横浜市などによりますと、発症した入院患者は、病棟の4階で48人、2階と3階で合わせて29人と4階が中心で、発症した人の半数近くに上るということです。横浜市は、これまでの調査では施設内では消毒やおう吐物の処理の仕方に問題はなかったとする一方、職員の対応などが不十分だった可能性もあるとして、30日正午前から病院に立ち入り調査を行うなど、感染の原因や拡大した経緯について調べています。
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NHKは他社が書いていない疫学的な情報を記載。
病院は通常何階かにわかれています。
感染症が広がるときは、同じ部屋、同じ病棟で広がりやすいので、特定のフロアに集中しているということはありえます。

重症の全介助の患者さんが多く、スタッフが階をまがって仕事をしている際にはスタッフの手指経由での広がりもありえますし、逆に動ける患者さん、トイレが自立している人が一定数いるとトイレなどの施設での接触で広がっていきます。
完全なコントロールをするためには、「集団生活」をやめて、自宅に戻しましょうということになりますが、一般の方も感染して家族内に広がりますので、結局介護者を通じての感染リスクはゼロにはなりません。

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読売 12月29日 「ノロ院内感染か、4人死亡…患者ら99人に症状」

横浜市の病院(375床)は29日、入院患者と病院職員計99人が今月25日以降、嘔吐や下痢などの症状を訴える感染性胃腸炎の集団発生があり、うち80〜97歳の男女の患者計4人が死亡したと発表した。
発症した入院患者のうち11人からノロウイルスが検出され、同病院と横浜市はノロウイルスによる感染性胃腸炎が原因とみて調べている。
 発表によると、4人が死亡したのは26〜29日。いずれも寝たきりで、死因は吐いた物が気管などに入ったことによる誤嚥性肺炎や急性呼吸不全だった。25日に症状を訴えたのは、患者のおむつ交換などを行うケアワーカー3人で、29日までに職員27人と患者72人が発症した。
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分母となるベッド数があります。
他社にはない症例情報が記載されています。

誤嚥性肺炎は嘔吐をしていなくても平時からおこる高齢者に多い疾患ですが、寝たきりで嘔吐だとさらにリスクは高まります。

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産経12月30日「力が足りなかった」と病院長謝罪 感染収束せず

「力が足りなかったことをおわびしたい」。ノロウイルスとみられる集団感染で患者や職員計99人が発症し、患者4人が死亡した横浜市の横浜田園都市病院。29日夜、記者会見した渋谷誠二院長は苦渋の表情を浮かべて陳謝したが、多くの患者がまだ症状を訴えており、感染は収束していない。この日は松山市の病院でも患者1人が死亡したことが判明。ノロウイルスの感染力の強さを見せつけている。
 会見には多くの報道陣が集まり、感染の急激な広がりについて矢継ぎ早に質問が飛んだ。病院側は感染経路について「調査中」と説明するのが精いっぱい。
 ただ、発症した患者はいずれもチューブから栄養を摂取しており、食物からの感染の可能性は低いという。最初に発症した職員3人はおむつ交換などを担当しており、渋谷院長は「ノロウイルスの勉強会を職員向けに開いていたが、職員の全てが徹底して守っていたわけではなかったかもしれない」と顔を曇らせた。

 同病院は自宅での療養が困難な終末期の入院患者が多く、年齢は70歳以上。亡くなった患者らは認知症で意思疎通も難しく、感染が命に関わることは十分に予想できた。

 院長は「病院の性格から、これまで危機感を持って感染症対策に取り組んできたつもり」とした上で、今回の感染については「まずは収束させる。その中で私たちの足りなかった部分があれば、はっきりさせたい」と口を固く結んだ。

 ノロウイルスは感染力が極めて強く、宮崎県日南市の病院でも今月23日、感染性胃腸炎の集団感染で入院中の男性患者計6人が死亡したことが発覚。感染者の便や吐いた物を処理する際には、希釈した塩素系漂白剤に浸したペーパータオルなどで拭き取るのが有効とされる。
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えー、今見ているなかではこの産経の記事が一番?ですね。
記者会見後、どのようにも記事は書こうと思えばかけますが、どのような読後印象をもつか、ですね。意図をよみとりましょう。

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東京新聞 12月30日「ノロウイルス 集団感染か4人死亡 横浜の病院 高齢者ら95人症状」

(中略)
 病院によると、死亡したのは東京都や神奈川県の四人で、八十歳と九十二歳の男性、九十五歳と九十七歳の女性。二十六日から二十九日にかけて亡くなった。病院は最初の死亡者が出た翌日の二十七日、市緑福祉保健センターに届け出ている。
 いずれも寝たきり状態の患者で、死因は吐いた物が誤って気管などに入ったことによる誤嚥性肺炎や急性呼吸不全だった。このほかに、八十代の男性一人が重症。九十四人は快方に向かっている。
 発症した九十九人は、二〜四階に入院している患者七十二人と職員二十七人。
 院長は二十九日夜の記者会見で、「多大な迷惑をかけて申し訳ありません。力不足だった」と謝罪した。
 病院の開設は一九八八年で、介護が必要な寝たきり状態の患者を中心に受け入れている療養型の医療施設。五階建てで、ベッド数は三百七十五床で、二十九日現在で三百四十三人が入院している。
 ノロウイルスをめぐっては、宮崎県日南市の病院でも今月二十三日、感染性胃腸炎の集団感染で入院中の男性患者計六人が死亡したことが発覚した

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他の記事にない情報がならんでいました。参考になります。
出身都道府県名がなんで入っているのかは不明ですが〜。


「もう、怖いから〜海外にいっちゃおうかな!」という会話が電車の中で聞こえました。
南半球とか赤道直下とかいいかもしれません。
(そこには別の感染症のリスクもありますが)


英国は昨年と比べて8割増の症例数となっています。すでに症例は100万人超え。
One million now affected by winter vomiting bug - and cases are set to soar well into the New Year

イリノイ州の刑務所でブレイク
集団生活ではあっという間に広がります。

3度目の病院閉鎖とか、現場の皆様の苦労や、家族に会えなくなる悲しみが切実と伝わってきます。

3/1 高槻 抗菌薬適正使用の勉強会

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大阪で薬剤師さん対象の勉強会があり、そこの講師を依頼されまして、3月にでかけます。
この出張で藤本先生の病院にもでかけて研修医と熱い時間を過ごします。


特定薬剤をnegativeに語るリスクのある演者をリクエストされても、ひるまずスポンサーになる会社もあるわけであります。
抗菌薬適正使用は皆の願い。そうですね。

実際、会社によっては「当社の○○について講演の中でおとりはからいを、なにとぞなにとぞ〜」という事前の連絡がきたりすることもあります。(じゃ、お断りします、と返事しておわり)

そういうことに「おっけーまかしときな」とかいう演者は実際にいるんでしょうかね?
(そういった自作自演みたいなセミナーに忙しい現場の人はこないですよね)

海外では、タイトルスライドの次の2枚目で、COIの開示が一般的になりました。
演者ひとりひとりに厳しい査定の目が向けられる時代なのであります。


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第8回 抗生剤適正使用勉強会のご案内

日時:平成24年3月1日(金)18時20分〜
場所:たかつき京都ホテル 
大阪府高槻市城西町4-39 TEL 072-675-5151

<プログラム>
【一般演題】18:20〜
座長 大阪府済生会茨木病院 薬剤科 課長 佐野 雅昭先生

1)『深在性真菌症治療におけるミカファンギンの役割』
アステラス製薬 石川 亜希

2)『抗菌薬使用例における治療効果と栄養状態に関する検討』
愛仁会高槻薬剤部 中野えり子先生

3)『当院における抗菌剤使用状況の現状』
高槻赤十字病院 外科 恒松 一郎先生 

【特別講演】19:20〜
座長 高槻赤十字病院 院長 田嶌 政郎 先生
『感染症診療の原則』
感染症コンサルタント・米国感染症専門医 青木眞
 
*本会はICD制度協議会の推薦する「その他の講習会・教育企画(2点)」
を申請予定です。(ICD制度の単位が2単位付与されます)
*尚、当日は軽食をご用意しています。

主催:アステラス製薬株式会社
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青木屋症例検討会 速報1

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一昨日、昨日と続きました「青木屋症例検討会」出席者の集合写真が出来ました。

一応、28日は42名、29日は51名でした。

青木屋の床が抜けなかった事を言祝ぎたい・・と思います。けが人が出たりすると日本の臨床に大変NegativeなImpactが生じますので・・。

皆様、来年もよろしくお願い申し上げます。

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皆様、今年最後の1時間、どのようにお過ごしでしょうか?

140/90 74 18 ??

上記の数値は現在の編集長のVitalです。少し熱っぽくてDownしています。
感染症専門医の家なので体温計の場所がすぐにわかりません・・


医療従事者として皆様にとってもChallengingな事も多かった一年だったと思いますが、来年もまた一緒に頑張りたいと思います。

不思議とずーと心に残っている言葉があります。編集長がPGY1で肉体、精神、ともにDown している時、Attendingから言われた言葉です。

「青木、医師は人の痛みや苦痛を和らげ、時に救命するというやり甲斐のある仕事を生涯続ける事のできる仕事だ。こんな幸せな事は人間として無い・・。どんなに辛くても頑張れ」

この言葉は不思議と腑に落ちて今まで来ております。

皆様、来年もよろしくお願い申し上げます。

(写真:三人の教え子、関係者が本を「サイン入り」で謹呈してくれました)。Teacherとしてこれほど嬉しい事はありません。
藤田先生、倉井先生、香坂先生、ありがとうございました。)

2013年もよろしくお願いいたします

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みなさま
新しい年になりました。

今年は新プロジェクトも稼働、と同時にこれまでの仕事の整理などもいたします。
最初の仕事は7日の東京医大の抗菌薬講義(セフェム系とプラスα)からです。

9日は薬剤師向けのセミナー。
どうぞよろしくお願いいたします。

手指だけじゃなくって Nothing Below the Elbows(NBE)

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通常、「自分は間違っているんじゃないか」と思うことは少なく、「あ、私はオッケーオッケー」と思っているわけです。
なので、それであっているか?という確認を他人がしないかぎりは間違いや誤解に気づかないことがあります。

例えば、手指衛生をするときに、微生物が付着しやすく、清潔にするのが困難な指輪や時計がついているのは・・・なんですが、

「だって、教会で誓ったのよ?はずせっていうの?結婚指輪よ?」というEBM(Emotion Based Medicine)になってしまったり、
「時間がわからないと困るじゃない」(手首にしない方法もありますよ)的上層部の発言で会議が止まってしまったり。

手洗いは患者安全の話ですから、そうくるか?とICTの皆さんは困るわけであります。
でも実際上記のような会話が各病院でなされてたりします。

2010年の東京都の院内感染対策マニュアル(15ページ)でも、手洗いは指輪や時計を外しておこなっているか?というチェック項目があります。この場合は、少なくともその都度はずせということかもしれません。

都内の医療機関は知っておいたほうがよいマニュアルでありますが。どれくらい読まれているのでしょう。

文献を見てみましょう。
Impact of Ring Wearing on Hand Contamination and Comparison of Hand Hygiene Agents in a Hospital
Clin Infect Dis. (2003) 36 (11): 1383-1390.

Impact of finger rings on transmission of bacteria during hand contact.
Infect Control Hosp Epidemiol. 2009 May;30(5):427-32.

Impact of a single plain finger ring on the bacterial load on the hands of healthcare workers.
Infect Control Hosp Epidemiol. 2007 Oct;28(10):1191-5.

指輪は、模様が刻まれているものはダメで、プレーンなものならいいというルールのところもあります。
(そんなことまで考えて結婚指輪を選んだりはしないと思うのですが)
ちなみに、シーク教徒が右腕にするプレーンな腕輪(KARA)もOKとしているところもあります。


感染予防的には白衣(White coat)も半袖なんですが、「長袖じゃないと寒い」とか「かっこわるい」とか違う事情が聞こえたりもします。(ひー) くるくる折ってまくっておくという方法もあります。なんとなく清潔からは遠くなるようにも思いますが。

"NOTHING BELOW THE ELBOWS (NBE)"は、英国では2007年に国のガイドラインに記載されています。
この対象は臨床現場にいる人(直接患者にかかわらなくても)です。病棟、外来、放射線、ERなど。

あとは爪。
Short, Clean, Free from nail varnish, Free from nail art, Free from nail extensions, Free from artificial fingernails。(まあ、これは日本ではさすがにないような・・・)


オーストラリアのニューサウスウェールズ州が作成している手洗いチェック表

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1. Knowledge of active and non-active products.
    Makes a distinction between an active and non-active product

2. Uses for an active and nonactive product.
    Verbally provides relevant example/s of when an active and non-active product should be used to perform hand hygiene.

3. Items, that interfere with effective hand hygiene (eg. rings, watch, bracelet, full length sleeves), removed
Removes items that may become contaminated and cause cross infection.

4. Technique for using wrist and elbow tap handles.
Demonstrates the technique for using wrist and elbow tap handles without contaminating hands.

5. Hands are wet before applying any product.
Water is put onto the hands before applying product to ensure there is no possible irritation to the skin.

6. Amount of product applied to the hands.
3 – 5 mL of product is applied to hands. Excessive product may leave residual that can damage hands. Too little may not be effective in reducing micro-organisms.

7. The correct technique for hand hygiene is demonstrated.
Performs a 10 – 15 second hand wash using appropriate hand washing solution, either: antimicrobial or non-antimicrobial liquid soap

8. Hands are rinsed thoroughly.
Demonstrates effective rinsing of products from hands. Product left on hands may irritate the skin.

9. The water is turned off without contaminating the hands from the tap handles.
Demonstrates technique for using wrist or elbow tap handles without contaminating hands or uses paper towel for hand operated tap handles.

10. The hands are completely dried using single use towels.
Dries hands using single use towel and in a manner that does not damage the skin.

11. Applies alcohol based, water free skin cleanser on clean, dry hands.
Applies and rubs alcohol based, water free skin cleanser to all surfaces of clean, dry hands.

12. The alcohol based, water free skin cleanser is allowed to dry completely.
Rubs vigorously until the alcohol-based, water free skin cleanser has completely dried.
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手洗いをしっかりしよう、とか 適切にしよう、というのはリスコミ的にはイマイチ。
期待するactionは具体的に視覚にうったえて提示しましょう。



屋根瓦は続く・・

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フロリダのスタイン先生から新年のご挨拶と共に、昨年(2012年)の教育行脚の写真が届きました。

その中には、自分が教えて頂いた福井大学の寺沢先生、自分が教えたり、共に教育した仲間が沢山写っています。

新しい2013年も、次世代に繋げていく屋根瓦の継続をお手伝いしたい・・と願うものです。

順天堂練馬病院 井上先生とStein先生



水戸協同病院 総合診療科 - 筑波大学附属病院 総合診療グループ 徳田先生とStein先生



福井大学病院 寺沢先生とStein先生

ノロ、インフルエンザと同時期に流行している感染症

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スポーツニュースでも、4番バッターとか、ヒーローの話題が中心になりますので、報道のなかでも冬の感染症Kingであるインフルエンザやノロにスポットがあたるのもわかります。

しかし、同時期に活躍、じゃなくて活動をしている病原体もありますので、感染症危機管理的にはそういったところもボソボソつぶやいていかねばとおもうわけであります。

インフルエンザになっちゃったよ、、は実はインフルエンザではなかったりもします。

でも、確認のためだけに検査を受けに受診するのはやめましょう。家で寝て治しましょう。受診すると別の病気を待合室でもらってくる可能性があります。そういう時期・場所なのです。冬の病院は。

下痢もそうです。口から飲み物や食べ物をとれるようなら暖かくして自宅で静養。
もともと基礎疾患がなく、海外帰りでもなく、周囲に同様の症状の人はいない(食中毒疑いではない)ならば受診は不要。

呼吸器系の感染症ですと、ひきつづきマイコプラズマや百日咳も流行していますし、RSも大人でも重症例が出ています。
パラインフルエンザ( Human parainfluenza viruses : HPIVs )ヒトメタニューモ
とか、感染管理に責任を持つ人たちの間では、常にいろいろな流行の鑑別がうずをまきます(まきたくないけど)。
結核はオールシーズンものです。でもなぜか想定外で対応が遅れたりします。

パラ、とついているだけのようですがインフルエンザウイルスとはまったく別もの。
(ちなみに、犬に感染するパラインフルエンザウイルスはあります)

ワクチンも治療法もありません。対策もインフルエンザと同じ。
この時期の咳くしゃみエチケットや手洗いは大事ですね。

香港にある1100床のCastle Peak Hospitalでは、パラインフルエンザの集団発生があり、隔離や病棟閉鎖対応中。

米国CDCのサイトの説明:パラインフルエンザ

こういったニュースをみて思い出し、頭に再インプット中。


SARSのときの教訓として、呼吸器系の感染症のアウトブレイクがおきたら、その病原体はいったいなんなのか。
関係者(主に公衆衛生のひとたちですが)がすぐさま確認するようになっています。

Unknown sourceとかイヤなかんじをもたないといけません。

〜の様な、というあたりでちょっとどきどき。(SARSとおなじ)コロナウイルスが〜という話もつい最近のこと。

Human parainfluenza virus-associated respiratory tract infection among children and genetic analysis of HPIV-3 strains in Beijing, China.

病名がつくまで対応が甘いスタッフが一定数います。
あとで、あ、H5N1だったよ、とか新しいコロナウイルスの患者さんだったよときいてパニックになったりすることが、感染症対応以上に大変だよね、、、と感染管理に取り組む人たちの間で話されていることです。

そうですかあ?と思う方は、結核がどのような対応になっているかぜひ評価をしてみてください。
長く続く咳症状のヒトから医療者に拡大している集団事例、多いですよね。

病院によっては、ある条件で入院してきた患者さんは陰性とわかるまで結核として対応、という基準もつくっています。個々人のモチベーションに依存しない仕組みも大切ですね。

更新のための単位取得 と その周辺

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2月9日のセミナーには医師以外の感染管理や医療安全担当者の参加も見込まれるため、資格更新に必要な単位を発行できるように準備をしています。

それぞれの職種で制度や考え方も違うので、別途準備が必要です。

北里大学感染制御研究機構の受講証明と資格更新単位のページに一覧がありわかりやすかったです。

また、平成25年度ICD(インフェクションコントロールドクター)申請手続きについてもわかりやすいですね。

医師で将来感染のこともやっていこう、、という方にはぜICDもとっていただければとおもっています(編集長、もっていませんが・・・)

大曲先生のご協力で単位取得のための手続きがすすんでいます。

[認定資格]
次の3条件を全て満たす場合,ICDに応募できるものとする.

このICD制度協議会に加盟しているいずれかの学会の会員であること(会員歴の長さは問わない).
医師歴が5年以上の医師または博士号取得後5年以上のPhDで,病院感染対策に係わる活動実績があり,所属施設長の推薦があること.
所属学会からの推薦があること.

更新のために必要な単位認定の説明ページ
各地の勉強会情報

勉強のための情報公開はこの資格制度が一番熱心に見えます。間口は広く、その後の研鑽応援、でしょうか。

ワンランク上の訓練の場を求めている方からの研修希望もよく聞きます。

ICNの場合は、半年の研修をして認定試験を受けて、5年で更新、、なのでありますが、その間にやらなくてはいけないことのひとつとして研修会参加があります(学会のランチョンなどではダメ)。

認定看護師 研修実績及び研究業績等申告表 項目一
参考資料1 認定看護管理者 自己研鑽ポイントの換算表

ということでしたので、主催者印をついた受講証明書を準備することにしました。

他の職種のための準備ができていませんが、ご提案がありましたら idconsultoffice@gmail.com へおねがいします。

検査オーダーや陰性証明書 と その周辺

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細川先生は検査関連にたいへんお強い、感染症ドクターの仲間のひとりです。

素晴らしい本を執筆されました。「検査」の意味づけ、限界や評価の仕方を学べる本です。
初期研修の間に目をとおし、検査室の技師さんなどにも実際のところを解説してもらえるといいですね。
検査室の皆様どうぞよろしくお願いいたします。

感度と特異度からひもとく感染症診療のDecision Making文光堂

どの検査にも強みやや弱点、そして限界があります。検査には費用もかかりますので、医師は必要性を考慮しながら検査を出します。

まず「万能じゃない」という理解が大事です。細川先生の感度・特異度のお話は、専門職以外ではあまりなじみがないかもしれませんが、「時期」なら想像がつくのではないでしょうか。

例えばインフルエンザ。

迅速検査キットがありますが、日本ではよくつかわれていますが、海外では日本のようにはばんばんつかわれていません。

理由はいろいろありますが、まずインフルエンザでは薬は出さない、ということがあります。
寝てなおしましょう、が基本です。その後の治療方針を変えないなら検査はいりません。

しかし日本ではAですか?Bですか?と知りたがる方がいたり、なぜか医師以外の人が検査をオーダーしたりします。

(医療機関で検査してきてください、など。これに根拠はなく、そうしなさいという文書もしかるべき機関から出ているわけではないので、そう口走っている人の個人的なアイデアではないか確認をしたほうがよいです)。

しかし、このインフルエンザの検査からして、結果は100%ではありません。

感染していても(陽性なのに)、検査のタイミングがちがうと「陰性」(感染していない)と出ます。
つまり証明書には使えないということです。

医師は症状その他を総合的に判断しているのであって、100%検査に依存しているわけではありません。

結果がなんであっても方針が変わらないなら、検査は不要ですし、
間違った結果が出るかもしれない、という知識があるからこそ、検査結果だけをうのみにしないわけです。

プロですから。

ですから、検査の限界や意味がよくわからない人が、証明書を出せという(法律上の根拠もないのに)、しかも費用はその人が払うわけでもないという状況が「まじ、おかしくね?」と思えないところにトホホ感がただよいます。

このようなトホホ感は、「そういうことを言う人は他の思考も変じゃね?」という不安につながります。

(そのような一見厳重管理をしているように思い込みながら、この時期に餅つき大会などを企画して、こどもたちにおだんごをつくられて皆で食べるというようなリスクには無頓着だったりします。)


また、メディアが「下痢をしたら受診をしろ」というのもおかしな話です。

まず、基礎疾患がない幼児や学童、成人は自分で飲んだりできるなら様子見が基本です。

「ノロかどうか調べてこい」という人がいるそうですが、そもそも検査じたいが限られた人に限定されてみとめられたものであり、下痢だわね〜ノロかな〜という人全員に提供できる検査ではありません。
また結果が100%ということではありません。

個人の体調・健康ということでは、重症化どうか、もともとの基礎疾患があるのか、乳幼児と高齢者か、といったことで対応が変わってきます。

保育園〜会社・学校などの集団生活での感染拡大予防ということでは、ノロじゃなくても下痢は下痢、嘔吐は嘔吐で、感染予防策は同じです。
嘔吐の処理にしても、感染力が最も強いものを想定して、フル装備で対応をするだけのはなしで、ノロかそれ以外かで対応をわけるわけではありません。

この時期の病院は、感染性の病気が疑われる患者さんでいっぱいです。
TVみたりスマホをいじっていられるなら、おそらく自宅でなんとかなるひとです。水分をとりながら寝て治すというのが基本です。


尿路感染症の奥行き

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ICAACのDVDを見ていて改めて思わされるのは尿路感染症UTI診断の難しさです。

Futhani-Mehta先生のご発表では長期療養型施設のUTIの特徴として使えないのものに・・・

発熱
悪寒
排尿時痛
排尿困難
腹痛
尿路感染症の既往
全身倦怠感

結局は他の部位の感染症を丁寧に除外して残るは・・という形になるまさに「総合診療」力が試される感染症。

ノロが流行る施設を糾弾する愚かな記事が続きましたが、UTIでさえここまで難しいのですから、

悪心・嘔吐・下痢を主訴とするのは、

ノロ
尿路感染症
IE
Malaria
重症感染症一般
・・・

これを理解する専門家がマスコミ各社に最低一人は欲しいですね・・

(写真:感染症診断のエキスパート達@青木屋Party)

1/26(土)第2回「HIV/AIDS診療スキルアップセミナー 〜若手医師のための症例検討会〜」

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HIVは人口的に見ると総数の多い東京が一番問題のように見えますが、実は関西がかなり・・・・です。
若年層で多い、また、この1−2年でみると「発症してから診断される人が多い」ということが指摘されています。

無料検査所の閉鎖とか移転とかいろいろ問題はあるようですが、医療機関からすると、あんなとき、こんなときに見落とさないようにしないと・・・な話題です。
年に1回くらいUpdateの勉強をしておきたいですね。また、セミナーで知り合った医師には患者紹介や相談もしやすくなりますので、お近くで開催されているときはぜひご参加ください〜。

兵庫医大の澤田先生がMLでアナウンスされていたので紹介です〜。

白野先生が発表される「感染したてなのにPCP」は東京でも数例ききますね。
まだ免疫も保たれていて〜と思い込むと危ない。

最近は感染から発症までの時間が短くなっているといわれていますので、確実な医療機関連携も大切。

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第2回「HIV/AIDS診療スキルアップセミナー 〜若手医師のための症例検討会〜」
日 時 平成25年1月26日(土)14:00〜17:00
場 所 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 緊急災害医療棟 2階 視聴覚室
大阪市中央区法円坂2−1−14
地下鉄中央線または谷町線の「谷町4丁目」駅11出口すぐ
(※タクシーに乗るときは、市立か国立かをはっきりいいましょう。二つ似たような名前の病院があります)

プログラム 総合司会 : 澤田 暁宏 先生(兵庫医科大学 血液内科)

ファシリテーター :
宇野健二 先生(奈良県立医科大学医学部付属病院 感染制御内科)
白野倫徳 先生(大阪市立総合医療センター 感染症センター)
大田加与 先生(市立堺病院 呼吸器内科)
矢嶋敬史郎 先生(大阪医療センター 感染症内科)
小川拓 先生(奈良県立医科大学医学部付属病院 感染制御内科)

【症例検討】
1.「急性期に引き続いてPCPを発症した症例」
講演:白野 倫徳 先生(大阪市立総合医療センター 感染症センター)

2. 「3週間のPCP治療完了直後に高熱を呈した症例」
講演:大田 加与 先生(市立堺病院 呼吸器内科)

3.「B型肝炎治療中にPCPを発症したクローン病の男性」
講演:松尾 裕央 先生 (神戸大学病院感染症内科)

御参加いただいた先生方には、提示症例についてディスカッションに参加頂き、
ファシリテーターとアドバイザーの先生方を中心に意見交換をする予定です(医局会みたいな感じです)。
ご多忙とは思いますが、ぜひご参加いただくとともに、周囲の若手医師にお知らせいただけましたら幸いです。
参加申し込みは事前登録制ですので、ご希望の方は関西HIV臨床カンファレンスWebサイトよりお申し込み下さい。
(定員:先着30名、定員になり次第締め切りとさせて頂きます。)

http://www.kansai-hiv.com/news.html
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画面の向こうに白野先生

Vaccine Refuser ワクチン拒否して解雇、のニュース

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皆さんの職場ではインフルエンザワクチンは義務でしょうか。努力目標でしょうか。

「しない」場合にはどのような選択肢があるでしょうか。
(シーズン中、ずっとマスク着用義務など)

インフルエンザの対策は国によってかなり考え方が違います。

高齢者や医療者に接種を推奨する国は多いですが、乳幼児のワクチン接種率が軒並み95%を超えるオランダでは、医療者のインフルエンザワクチンの接種率は各国と比べて低くなっています。
それで困ることがないからかもしれませんが、基本的に個人の判断。

その対極にあるのが米国。

接種義務のあるインフルエンザワクチンを拒否して解雇、というニュースです。
26000人の従業員のうち95%が接種済み。

11月には卵フリーワクチンをFDAが認可。針が怖いという人にはスプレー式がある米国。

employee rights or patient safety

1月3日のABC Eight Hospital Employees Fired For Refusing Flu Vaccines

IU Health Fires Employees Who Refuse Flu Shots

インフルエンザが地域や施設で流行しても、「インフルエンザだしね(インフルエンザとはそういうものだ)」と皆が冷静で、入院中の高齢者が亡くなっても「高齢者だしね」と理解される国と、「何か落ち度があったんじゃないか?」と疑われ糾弾される国の違いを見るように思います。

少なくとも、「できる努力をしていたのか?」というあたりを弁護士がつっこんでくる場合、「え、ワクチン徹底してなかったんですかあ?」的に言われるのは必定。
(ここでの言葉の論争は必ずしも科学的に妥当かどうかということではありませんので)

私たちの想像を超える「いろいろなひとたち」(多様性)が前提の国で、特定の方針やルールを徹底するために必要な対応なのかもしれないと思いながら読みました。

医療者の中には、ワクチンに熱心ではないとしても、病気の乳幼児から高齢者までいる施設において最前線で向き合う自分たちが(感染源にならない、医療・ケア体制を崩壊させないために)まず接種するのは妥当だろうと考えて受け入れいている人が多い中、絶対にしません、ルールでもしません、とまでいう根拠は興味深いですね。

(拒否をつらぬくまでこだわりが強いと、インフルエンザ以外のことも難しくなりそうですが)

医療安全、患者安全マターを最優先する医療機関があって、そのルールが自分の考えと合わないならその場所にはいないほうがその人自身も幸せかもしれません。


もっと極端な言説。
ワクチン拒否者であることを誇りに思うDr.

医療関係でワクチン否定の人はalternative medicineとかカイロ系がめだちますね
歴史的経緯。
Chiropractors and Vaccination: A Historical Perspective

そのドクター(MDではなくてDOが多い)のサイトをみるとデトックスをするといって高額なセミナーやサプリをすすめています。DOは米国ではMDと同様に医師として検査・診断・治療ができます(wikipediaによると医師全体の7%)。

ブログ 忘却からの帰還
メモ「カイロプラクティック教育と反ワクチン」
メモ「Edzard Ernst on 補完代替医療の予防接種への態度」

デトックスは日本でも関連商売がさかんですが。
Science Based Pharmacy "The Detox Delusion"

子ども時代のワクチンや、抗菌薬をデトックス、の製品。日本に入っている輸入品は1万円。

1/26(土) 堺臨床道場

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年末のパーティーにもご参加いただいた堺病院の朴澤先生から、開催のご案内をいただきました。
関心ある方はHPから申し込みを♪

ちなみに、青木編集長は3月2日に堺病院に出かけます(closedのカンファレンス)。
藤本先生とのご縁です。


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当院で毎年冬に開催されてきた「堺感染症セミナー」。 今年は内容を一新して『堺臨床道場』として生まれ変わります!
初期研修医が日々の臨床で感じる疑問…
「この身体所見のとり方、本当に合ってるかな?」
「感染症ってなんとなくやっているけど自信ないな…」
今年はそんな疑問に対して、ただ座って聞くだけでなく、参加型の会にしようと考えました。
身体所見は体を動かして、感染症やケースカンファレンスはそれぞれが考え発言しながら、企画者・参加者ともに学んでいく会にします。
小グループ制となりますので、事前の登録が必要となります。 主な対象は初期研修医であり、優先して登録させていただきますが、人数制限があることを御理解お願い致します。
なお、応募多数の場合は抽選とさせていただき、後日メールで連絡させていただきます。
当日皆様とお会いできることを楽しみにしております。
日時:平成25年1月26日(土) 13時開始 17時30分終了予定

場所:市立堺病院 3F講堂
申し込み方法:市立堺病院後期研修医ホームページで募集
http://sakai-residents.jimdo.com/ 特設ページを御覧ください。

必要事項を確認、記載の上で所定のメールアドレスまで返信お願いします。



対象:初期研修医 人数制限の可能性あり
代表:池上直矢
実行委員:白柏魅怜・高田卓磨・田中希世・朴澤憲和
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ときどきお知らせ 公開講義情報 〜2013年3月

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例年1-3月に開催しておりました、多摩感染症セミナー/杏林大学呼吸器内科&ファイザー株式会社は、2013年1-3月は開講しません。2013年6月29日に別プランのセミナーを開催予定です。
薬剤感受性について学習希望のある方は、EBICセミナーのHPなどでアナウンスをご確認ください。

1月12日(土)13日(日) 東京医大 HIVセミナー

1月18日(金)若手医師セミナー)

1月19日(土)神戸 宮野セミナー 「広域抗菌薬の問題とその周辺」

1月25日(金)サンドデジタルセミナー 「尿路感染症」藤田先生 登場

1月26日(土)名古屋 EBICセミナー

2月2日(土)名古屋 若手医師セミナー

2月14日(木)香川 (新しくできる感染症の勉強会←皆様ぜひもりあげましょう)

2月15日(金)広島県 庄原医師会
     午後7時00分より 庄原グランドホテル 3F「サファイアの間」
     「症例」、講義は感染症診療の原則と糖尿病関連の話です。

2月16日(土)広島大学

2月28日(木)鳥取大学

3月1日(金)大阪 薬剤師対象セミナー

3月8日(金)サンドデジタルセミナー(免疫不全)具先生の登場!

3月22日(金)福岡

3月23日(土)筑波大学医学部卒業記念講演 詳細はこちら

3月29日(土)日本薬学会 ランチョンセミナー ←9千人近く集まる大きな会だそうで、会場はパシフィコ横浜です。






薬局データが使える、な国での試み

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各医療機関で年末に感染性胃腸炎症状の人の受診がスローダウンして、かわってインフルエンザが増えてきたねえ・・・・という話になっていました。
米国も日本もインフルエンザA/H3N2が主流。

例年より早い立ち上がり。
日本のグラフも似たようなかんじです。

EUではH1N1(2009年流行)増加中。

歴史的には重症化する人が多かったわけですので、冬休み開けての感染拡大を心配している人たちもいます。

あわててワクチンをうっているひともいますが、効果を期待するまでに2−3週間といわれていますので、間に合わず発症〜寝込んだ〜という人もいるでしょうし、感染していても自覚症状がない人もいますので(なったことなんかないよ、という認知)、実際にどれほどの規模の流行だったかを知るためには、血清サーベイをやるしかありません。
臨床の人的には、わかったから、だから何?的話なのかもしれませんが。

インフルエンザは通常、子ども達で流行してその親世代20ー30代に広がってというかたちですが、子ども達の学校欠席状況からリアルタイムなインパクトを推定できることもあります。

皆さんのお住まいの地域は参加しているでしょうか。
学校欠席者サーベイランス

電子カルテの連携は難しいですが、処方箋薬局のデータベースをリアルタイムでみることで、「おお、この時期からタミフルやリレンザがたくさんでているね〜」というインパクトをつかむ方法もあります。
薬局 処方箋サーベイランス

これだけでは、だから何?かもしれませんが、経年的なデータが蓄積されると、たとえば特定のウイルス株のときは流行の立ちあがりがはやいとか、ピーク期間が長いね、とか、比較において分かることも増えます。

(それでも、だから何かもしれませんが)

症候群サーベイランスでリアルタイムに近い感染症のトレンドを見るという方法は、サミットやオリンピック、ワールドカップなどのイベントの際のバイオテロの探知などにも活用されています。

ラボで確定診断されたケースを数えるのは、精度はあがるのですが時間がかかって、早期探知が難しくなります。
感染症全部にはむいていませんが、特定の目的で特定の感染症をwatchするにはいいですね。

そして、医師が手作業で報告をするのではなく、自動的に情報を吸い上げるような仕組みがよいわけです。
(薬局のデータベースの方が電子カルテより汎用性が高い)

昔、米国でST合剤がある時期からよく処方されており、これはHIVが広く認知される前、PCPの患者がまとまった数発生していた・・・という話。薬の売れ行きが語る感染症。

(オランダのように、インフルエンザかなと思ったら寝て治す。受診しない、処方されない、疫学データにあがあらないような国ではつかえないですが〜)

それでいいのかタミフル処方、の話題

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冬休みがあけて、例年より少し早く流行本番に入ったよ、なインフルエンザの話題の続きです。

アポネットR研究会の2012年1月19日の記事タミフルの有用性に疑問(コクランレビュー)に紹介されているお話。

タミフルは、つらい症状の期間を約1日短縮するという個人レベルの効果はありますが、適用を広くして広く大量に使っても集団や社会のメリットを説明できる薬ではない、というのが最新のコクランレビューの評価です。
(反論がある場合は反証をする必要があります)

証拠や検証が不十分なのに過剰に処方するような動きがある。これはおかしくないか?です。
(タミフルの全否定ではありませんよ。必要としている人もいますから。広く、ストックしたり、幅広い対象に出したりする根拠は不十分ですよ、ということです)

こういった議論があることじたいは健全です。怖いのは思考停止。

新型インフル騒動のときも、日本感染症学会が出した情報について、現場の先生から質問が寄せられています。
日本感染症学会緊急提言
「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」のご意見・ご質問(Q&A)



日本は世界で一番タミフルを使っている国ですので、処方に関係している医療者も多いはず。
ですから、皆が話題にして情報を広めていくのがよいとおもいます。ポリフォニー。思考も停止させないように。

もちろん、タミフルだけが問題なのではありません。実際にこの中立グループがしようとしていることは、Public Goodsとしての臨床(試験)関連データをどう扱うのか how to deal withの話です。

メーカーや、審査機関が非公開にするということはそもそも妥当性がなくなっていますので、生データ(1次データ)のところで誤解されたりメディアにミスリードされるようなリスクを仕組みとしてなるべく減らすような工夫が問われるのではないかと思います。

The Imperative to Share Clinical Study Reports: Recommendations from the Tamiflu Experience
PLOS Medicine

通常、一般医療関係者が特定の薬について知ろうと思ったら何をするでしょうか。
データベースをみたり、定評のあるジャーナルに掲載された論文を読んだり、薬剤師さんに相談したり、メーカーに聞いたりでしょうか。

このグループは、publishされた論文だけでは不足があるというスタンスです。
学部レベルで勉強するような基本的事項でいうと、まず「広報/発表バイアス」があります。期待する結果が出たら発表する。しかしnegative dataなら発表しないという態度を研究者やメーカー等の利益団体はとりがちです。

また、臨床試験や研究のプロトコールと、論文で扱っている数字や評価の期間(時間)が変わっていることもあります。「恣意的にデータを調整する」余地が残ります。
プロトコールでは観察期間が12カ月とあるのに、6カ月間のデータを論文発表したりということがあります。
長期に見たら安全性や、他の薬と比べての優位性がイマイチになるなら、そのようなデータ設定のところをいじって、見かけ上「よさそうな薬」にすることができます。

ですから、Same study, Different documentです。ジャーナルクラブで読んで行くだけでは不足、ということです。(その限界を知りながらの勉強作業として意味はもちろんあるんですよ)

じゃあ、何を読めというのか?

タミフルのある臨床試験[WPI6263]は、合計8545ページ文書があります。
このうちmodule 1は223 ページ、2は190ページ。
これくらいならよめますが、module3〜5は8122ページです。誰がどう読んだらいいのでしょう?

いや、それ以前の問題として、臨床試験の生データやプロトコール資料にアクセスできるのは誰なのでしょう?隠さないといけない理由があるか?です。

データをもっているのは製薬会社(臨床試験を請け負った会社)、あとは規制を担当している当局。
米国ならFDA、日本ならPMDA、EUならEMA。
この人達「だけ」が扱えるデータなんでしょうか?

データは社会全体の財産なんじゃ?という指摘はずっとあります。
Clinical Trial Data as a Public Good(2012年5月3日)
JAMA. 2012;308(9):871-872.

コクランのグループは、データを公開するようよびかけます。しかし、最初の頃はむにゃむにゃ、そして無理のある表現や理屈で「できない」といいます。が、EUの規制機関であるEMA最終的には原則公開になりました。

2007年 EMAにデータ公開を要望→「公開できません」

2009年  EMA「情報はconfidential」 →EMA 訪問

2010年  EMAに対してmaladministrationであると指摘→ EMAが原則公開へ方向転換

2012年11月4日 EMA European regulators propose way forward for publication of full clinical-trial data

この中で述べていますが、Doshらの継続的な問いかけに対して、EMAが対応を検討してきた結果であります。
The Imperative to Share Clinical Study Reports: Recommendations from the Tamiflu Experience
PLoS Med 9(4): e1001201

EMAの態度表明。 Open Clinical Trial Data for All? A View from Regulators PLoS Med 9(4): e1001202.

そして、2012年11月22日にロンドンで臨床試験データの共有の方法論を検討するためのワークショップを開催。

Opening up data at the European Medicines Agency
BMJ 2011;342:d2686

しかし、さらなる問題がありました。EMAが全てのデータを持っていない、ということです。
開発メーカーが持っているデータの一部だけを書類で提出するようになっており、そこで審査がおこなわれています。FDAはどうでしょうか。PMDAはどうでしょうか。

コクラングループが問題指摘。

Neuraminidase inhibitors for preventing and treating influenza in healthy adults: systematic review and meta-analysis.  BMJ2009;339:b5106.

ロシュがこの問いに回答をします。
Roche replies to the authors of the Cochrane Review on oseltamivir
BMJ 2009;339:b5364

2009年にロシュ社はデータ公開をするといったわけですが
Release all Tamiflu data as promised, argue researchers

2011年には、それはあなたたちの関わる仕事じゃないでしょう、という回答。
2012年には、データはすでにアクセスできるようになっている、という回答。
そして今も出していない、という事実。

話を日本に戻しましょう。
よく海外の会議で聞かれます。なぜ日本人(日本の医師)はそんなにタミフルが「好き」なのか。
好きなわけではないとしても、タミフルを広くさくっと使おうとする根拠やモードはどこからきているのでしょうか。

コクランのグループは日本の専門団体の言動もチェックしています。
日本感染症学会も以前出した文書の中に、コクラングループ関連の情報の引用が不正確だという指摘もし、学会が削除をしています。
19ページ

といったことを学んだ上で、2012年8月のインフルエンザ委員会の推奨を再度読み直すと、また、いろいろ考えることも増えますね。

英語での話題は展開されていますが、当事者色が濃い日本(語)でスルーされないように、ぜひ周囲でも話題にしてみてください。

No Knee Jerk Antibiotics Campaign

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重複しますが、やはり大事なので。
それは尿路感染症は様々な臨床現場でScapegoatにされている・・というICAACの発表について。

老健施設で、80代男性、徘徊+発熱+尿倍陽性+尿白血球増加 >>尿路感染症によるMental Status変化

と思いきや、実は眼鏡をなくして徘徊が始まり脱水していた・・というのがTrue Storyだった。

やはり、いつでもUTIは他の病気を診断できない時のScapegoatにされている・・というのがテキサスはBaylor大学の先生のご発表でした。1497人に膀胱カテーテルが挿入され、そのうち253人が尿倍陽性になり、そのうちの1人が血培陽性になった・・。思いの外に尿倍陽性と血培陽性の距離がある・・

IDSAのUTIのガイドラインに沿って適切にUTIを疑い、更に他の問題が無い事を確認してから尿路感染症を疑い尿倍を行う事の重要性が強調されていました。極めて素朴な主張でありながら、IDSAのUTIをしっかり読みこなしている人があまりに少ない・・

簡単にUTI、即、抗菌薬は駄目・・No Knee Jerk Antibiotics Campaignを・・という事でした。

(写真:万里の長城にて)
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