Quantcast
Channel: 感染症診療の原則
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

WHO: 世界における風疹と先天性風疹症候群(CRS)2012年

$
0
0
国によって感染症の発生動向調査の取り方や、流行の状況が異なるので、比較は簡単ではありませんが。
最新のWHOをみるにつけ、来年発表される「2013年の風疹とCRS」のデータが怖いと思うのであります。

WHOのVPD各国データをみると、先進国でCRSが問題なのは・・・・です。

表は理研の加藤茂孝先生がつくってくださいました。



日本では風疹を全数報告だと知らない医療者もまだ多数いますし、風疹を多数診ていたけど検査診断だけを報告するのかとおもってたー(だから保健所に報告してなかったけど?)という方もいましたし、IgMとIgGの評価がよくわかりません(患者さんから最初の症状をよくきかないと解釈に問題が・・・)という人もいましたし。

いっぽう、母子感染例も、お母さんが明らかに風疹になったという自覚がある場合とない場合とあります。
なのでCRSサーベイランスをどうやるかということがWHOの資料などでも複数存在しています。
まさか日本でCRSサーベイランスのことを検討しなくてはいけなくなるとは専門の人たちも思っていなかったかもしれませんが。


こちらはネパールの事例。
Developing Rubella Vaccination Policy in Nepal―Results From Rubella Surveillance and Seroprevalence and Congenital Rubella Syndrome Studies
2011年 JID


内戦でMMRワクチンはじめ予防接種プログラムが止まってしまっている地域や、経済破たんで50%以下の接種率になってしまった子供たちがいる国。

大人や国の都合や事情で、本来ならなくていいはずの病気でお腹の中で死んでしまったり、一生かかえる障害をおわされたり。
怒りの声をあげれない子どもたちの代弁者に専門家がならなくては!です。


この表でCRSが多いベトナムの事情はこちらに。たいへん悲しいお話。そしてショッキングな写真。
http://www.mumyosha.co.jp/ndanda/11/vietnam05.html
http://www.mumyosha.co.jp/ndanda/12/vietnam03.html

でも!2013年から、14歳までの子に2回接種をはじめます。
JICAと第一三共がMRワクチン製造を支援しますよ。
がんばれベトナム。がんばれジャパン。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

Trending Articles