これまでの日本の風疹の歴史は
基本的なこととしては、
1)沖縄での大流行から学ぶ http://ryukyueiken.web.fc2.com/section32.html
"『予防医学に使う予算をケチれば、その数倍〜数百倍の金をかけて修復しなければならない災害が襲い掛かることもある』という鉄則をときどき思い出す。"
2)感染研の特集記事から学ぶ http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html
今回の流行を2011年からみていくことにしましょう。
2011年から、、ということで「放射能による免疫低下だ」という意見の人がいるそうですが、1つ下の記事で学んだ情報を元に、それが正しいアセスメントなのか是非考えてみてください。「考えるべきだ」の軸は1に書いてありますので。
では、「人」「時間」「場所」で検討をしてみましょう。
まず、いつ頃から(時間)です。
このとき注意が必要なのは、全数報告になってからと、それ以前の定点報告では単純比較はできないということです。4年分でみてみましょう。
ざっくりみても、ピークが高い。前の数年よりも。アウトブレイクでしょうか?
日本全体ではよくわかりません。どの地域で流行しているのでしょうか(場所)。
福岡、大阪、神奈川。神奈川は特定の保健所からの報告が多かったことが神奈川県のサイトで把握できます。
しかし、その詳細のレポートが見当たりません。この時期に対策をとれば、今東京から広がる流行をとめれたかもしれませんね。
(この時点で放射能との関連性や因果関係をどう説明するのでしょうね)
IASRには茨城、新潟、北海道などの記事が掲載されていました。 新潟と北海道は事業所での、成人男性の間でのアウトブレイクでした。
時間、場所、人の因子がわかる福岡の2011年4週(1月末)からはじまる風疹の拡大をみてみましょう。
各都道府県で流行している風疹ウイルスは、新幹線や飛行機で広がったのか。全く別のルートでの複合的な事象をみているのか、関連性があるのかどうか?はウイルス情報を見て検討します。
こちらは系統樹
日本での流行の歴史
2011年は主要都市で大きな流行があったので、このとき各自治体は「うちにもひろがるんじゃないか」と検討するチャンスがありました。このとき何かをしたのか、話し合いさえなかったのかは各地で検証をしてみてください。
2012年の出だしはこんなかんじでした。
大阪と愛知のレポートです。 福岡、兵庫、大阪、愛知。東海道新幹線ルートでしょうか。東京や静岡は無事でいられるのか?とこのとき関係者は考えたでしょうか。
2012年、神奈川県はこのような状況でした。
そして2012年の半ばから東京での拡大がキャッチされます(時間)。
東京は広いです。いろいろな人がいます。(場所、人)
東京のどこで? すごいです。大田区。何があったのでしょうね。世田谷区の対策は紹介されていますが、大田区はどのような対策をしているのか知りたいところです。
誰に広まっているのでしょうか。 これは、医師が報告をする届け出の用紙をもとに検討されます。医師が個別情報を書き込んでいく大切さを実感できるグラフもけっこうありますね。
男女差や年代の差はどうでしょうか。
どのような人ですか? 共通因子としてワクチン接種歴をみてみると・・・このような傾向が。
ところで。これは「ぎゃー」とか、悲鳴をあげて驚くべき状況なのでしょうか。残念ながらそうとはいえません。
こちらは10年前、2003年の国立感染症研究所の報告です。
緊急提言も出ています。ここに書かれていることは、その後、専門家や行政がとりくめているのでしょうか。
2004年(平成16年)「風疹流行および先天性風疹症候群の 発生抑制に関する緊急提言」
と、国や自治体の責任への関心が高まりますが、感染症関係者の責任も問われます。麻疹以外の対策は十分だったでしょうか。B型肝炎とインフルエンザ以外のワクチンはスルーしている(保留中)という医療機関もあります(やりなさいと言うと、病院が負担をしないといけないから、というのが主な理由?)。
感染管理に関わる人は、職員や出入り業者に対しての緊急対応を検討する必要があります。(平時から、そしてアウトブレイク時に必要なこととして)
2003年 鹿児島大学 「病院職員における風疹アウトブレイクとその後の対策 ―医療経済効率の検討―」
基本的なこととしては、
1)沖縄での大流行から学ぶ http://ryukyueiken.web.fc2.com/section32.html
"『予防医学に使う予算をケチれば、その数倍〜数百倍の金をかけて修復しなければならない災害が襲い掛かることもある』という鉄則をときどき思い出す。"
2)感染研の特集記事から学ぶ http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html
今回の流行を2011年からみていくことにしましょう。
2011年から、、ということで「放射能による免疫低下だ」という意見の人がいるそうですが、1つ下の記事で学んだ情報を元に、それが正しいアセスメントなのか是非考えてみてください。「考えるべきだ」の軸は1に書いてありますので。
では、「人」「時間」「場所」で検討をしてみましょう。
まず、いつ頃から(時間)です。
このとき注意が必要なのは、全数報告になってからと、それ以前の定点報告では単純比較はできないということです。4年分でみてみましょう。
ざっくりみても、ピークが高い。前の数年よりも。アウトブレイクでしょうか?
日本全体ではよくわかりません。どの地域で流行しているのでしょうか(場所)。
福岡、大阪、神奈川。神奈川は特定の保健所からの報告が多かったことが神奈川県のサイトで把握できます。
しかし、その詳細のレポートが見当たりません。この時期に対策をとれば、今東京から広がる流行をとめれたかもしれませんね。
(この時点で放射能との関連性や因果関係をどう説明するのでしょうね)
IASRには茨城、新潟、北海道などの記事が掲載されていました。 新潟と北海道は事業所での、成人男性の間でのアウトブレイクでした。
時間、場所、人の因子がわかる福岡の2011年4週(1月末)からはじまる風疹の拡大をみてみましょう。
各都道府県で流行している風疹ウイルスは、新幹線や飛行機で広がったのか。全く別のルートでの複合的な事象をみているのか、関連性があるのかどうか?はウイルス情報を見て検討します。
こちらは系統樹
日本での流行の歴史
2011年は主要都市で大きな流行があったので、このとき各自治体は「うちにもひろがるんじゃないか」と検討するチャンスがありました。このとき何かをしたのか、話し合いさえなかったのかは各地で検証をしてみてください。
2012年の出だしはこんなかんじでした。
大阪と愛知のレポートです。 福岡、兵庫、大阪、愛知。東海道新幹線ルートでしょうか。東京や静岡は無事でいられるのか?とこのとき関係者は考えたでしょうか。
2012年、神奈川県はこのような状況でした。
そして2012年の半ばから東京での拡大がキャッチされます(時間)。
東京は広いです。いろいろな人がいます。(場所、人)
東京のどこで? すごいです。大田区。何があったのでしょうね。世田谷区の対策は紹介されていますが、大田区はどのような対策をしているのか知りたいところです。
誰に広まっているのでしょうか。 これは、医師が報告をする届け出の用紙をもとに検討されます。医師が個別情報を書き込んでいく大切さを実感できるグラフもけっこうありますね。
男女差や年代の差はどうでしょうか。
どのような人ですか? 共通因子としてワクチン接種歴をみてみると・・・このような傾向が。
ところで。これは「ぎゃー」とか、悲鳴をあげて驚くべき状況なのでしょうか。残念ながらそうとはいえません。
こちらは10年前、2003年の国立感染症研究所の報告です。
緊急提言も出ています。ここに書かれていることは、その後、専門家や行政がとりくめているのでしょうか。
2004年(平成16年)「風疹流行および先天性風疹症候群の 発生抑制に関する緊急提言」
と、国や自治体の責任への関心が高まりますが、感染症関係者の責任も問われます。麻疹以外の対策は十分だったでしょうか。B型肝炎とインフルエンザ以外のワクチンはスルーしている(保留中)という医療機関もあります(やりなさいと言うと、病院が負担をしないといけないから、というのが主な理由?)。
感染管理に関わる人は、職員や出入り業者に対しての緊急対応を検討する必要があります。(平時から、そしてアウトブレイク時に必要なこととして)
2003年 鹿児島大学 「病院職員における風疹アウトブレイクとその後の対策 ―医療経済効率の検討―」