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Channel: 感染症診療の原則
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当事者の言葉  CRSを予防するために

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非医療者の人たちが、ニュースを見ながら不思議に思っています。

「なぜ、風疹でこんなに大きく騒いでいるのか?」と。

「私の周りにはいませんよ」「昔なったけど元気ですよ」「皆なって大きくなるんじゃないですか?」


また「風疹」を読めないとか、「ふうしん」ってかわいい名前だねとか、いろいろいわれたりもします。
よく使われる「風しん」は「軽い風邪でしょ?風って書いてあるから」というコメントもありました。ふわふわ〜。

なかには、風疹の「疹を」みて「ぶつぶつ発疹が出るからこの字なんですね。"風しん"ではわかりませんね」といったお母さんもいました。

「せんてんせいふうしんしょうこうぐん」 は音で聴いても頭の中で漢字変換ができません。

漢字を読んでも、実はなんだかわかりません。
具体的にどのような健康の問題が起こるのかは、医学生や看護学生でも勉強しないとわかりません。
染色体異常とどうちがうのか、など。


そして最後にCRSの写真を見てのコメント。「もしかして赤ちゃんに障害が残るってことですか?」


ワクチンの普及のおかげでリアルなVPDを経験しなくなったのは医療者も一般の方も同じ。

医療者や行政が何もせずに しーん としていたら(そう見えたら)危機感は共有されません。
共有しなくていい人もいるのですが、メインターゲットの人たちには伝わらないといけません。

なぜならば、英国やオーストラリア、米国が百日咳アウトブレイクに対して緊急に妊婦とパートナーに無料ワクチン接種を提供したような形での介入が(まだ)行われていないからです。

「注意をしてください」と繰り返されても、誰が何をすべきかがよく伝わりません。

注意ってなんだろう。

注意されてもアクションは難しい。
抗体価が低い妊婦さんは、お産後直ぐにワクチン接種を勧められ、退院前にするのがスタンダードであるのですが、
すすめない医療者もいたり、すすめられても何が重要かわからず接種をしない人もいます。


体験を自ら語ったお母さんがいました。今朝のNHKで紹介されました。

お子さんがCRS。実名での取材です。


番組を見た人の感想がTwitterにたくさん書かれていました。

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NHK「おはよう日本」は妊娠中の風疹感染で赤ちゃんに障害との特集。自分の赤ちゃんに障害が出て、ブログで妊娠前女性にワクチン接種を呼び掛ける女性が出演。「ああなりたくない、と思われてもいいから」という一言が耳に残った。自分の赤ちゃんへの申し訳なさを強い決意に変えた一言、凛としてた
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NHKの「おはよう日本」先天性風疹症候群の放送内容、メッセージも編集もとてもよかった。明日の感染感染学会の自分のランチョンの内容に確実に影響するなぁ
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おはようございます。今朝のNHKおはよう日本。風疹のお話、見ました。あのママさんの勇気、最大の啓蒙。本当に頭が下がる思いです
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こちらも参考に:先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会 「トーチの会」


地域によって流行レベルが異なりますが、同じように感受性者は特定世代中心にいますので、そのことを念頭に動いたほうがおいいです。
発生動向調査を眺めていると1−2週間出遅れます。
保健所の人と地域での増加傾向情報などを密に確認することをおすすめします。
そして、3月末まで無料で接種できる層(中1高3)には必ず受けてもらうようよびかけましょう。
この層がプールされるとまたどこかの時点で地域流行がおきますので。


厚労省はアクションをおこしています。風疹の専門ページができました。

2月26日付けの厚労省の通知 「先天性風しん症候群の発生予防等を含む風しん対策の一層の徹底について (情報提供及び依頼)」の一部改正について」
一部改正ですから、その前のバージョンがあるわけです。

5月25日→7月19日→1月19日付けで通知が出ているので関心ある方は全部ながめてみてください。医療者に直接ではなく、医療者や市民にこういったことを伝えましょう(お願い)という連絡が、自治体に届くわけです。
自治体から病院等の現場にどのようにおりてくるのかは地域によって異なっているでしょう。

一応最新版が一番現状を反影した、ビビッドな助言なのだろうと思ってこちらを読みます。

「妊婦の夫、子どもその他の同居家族への周知の強化を図る ことと致しました。」ここが新しい点。

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1.風しんの定期予防接種対象者に対し、積極的な接種勧奨を行うこと。

1期(1歳お誕生日)2期(小学校はいるとき)ここはけっこう高い接種率。もっと高くしよう。
 3期(中1相当)、4期(高3相当)ここは大都市部が低くなっています。東京や大阪はびりのほう。
 ここで感受性者がプールされると、また将来アウトブレイクが起きますよ・・・そのとき慌てても有料ですし
 有料だと皆さん接種はしてくれませんよ・・・

2.妊婦への感染を抑制するため、特に、
 1 妊婦の夫、子どもその他の同居家族
2 10代後半から40代の女性(特に、妊娠希望者又は妊娠する可能性の高い者)
 3 産褥早期の女性 のうち、抗体価が十分であると確認ができた者以外の者に対して、任意での予防接種
 を受けることについて検討いただくよう、周知を図ること。
 
夫ひとり、子ども2人で13000円×3=39000円。完全自費?

3.貴管内の産婦人科医療機関等に対し、妊婦の同居家族への情報提供を行うとともに、
 妊娠中に風しんに罹患(疑いを含む。)した女性に対しては、無用な不安をあおらない よう留意の上、妊婦からの相談に応じる などの適切な対応を行うよう、周知を図ること。

  無用な不安ってなんでしょう。過去にある12週までならこれくらい、○週だとこれくらい、というデータしかないです。
  相談に応じる等の適切な対応 って具体的には何?というか、やってはいけないことを列記するほうが伝わるかも?

 4.貴管内の小児科医療機関等に対し、次の事項について、周知を図ること。
 (1) 先天性風しん症候群が感染症法上の全数届出 対象疾患であること。
 (2) 風しん報告数増加地域での妊娠初期検査で風しん抗体陰性又は低抗体価の妊婦から出産した新生児に対し、先天性風しん症候群を念頭におき注意深い対応を行う必 要があること。

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風疹単独ワクチンは5千円、MRワクチンは1万数千円が相場とのことです。
どれくらいの人が受けるでしょうか。
仮に無料とするなら、どのターゲットまで広げますか?
無料ならハイリスク層は接種をどれくらいするでしょうか。


CRS全体の規模を調べるサーベイが文献を調べるといろいろでてきます。
東京都は最後、どのような評価を行うのでしょうね。

赤ちゃんが耳が聞こえないらしい、と気づいたのは5−6ヶ月の頃だった、という記載が沖縄での流行記録にありました。
大きな音に反応しないとか、そういった形で気づくのか。
沖縄の資料をいろいろ読み返しているところです。
今、40代の方に補聴器をつけている方が多いのはそのような背景があるから、と。そのストーリーを知らない医療者も増えています。

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