感染症は個人や社会にとって脅威なので、それを専門的にケアする人たちがいます。
病気になったら病院に行きます。ここには、どんな病気かを考えて必要な検査や治療をしてくれるドクターやスタッフがいます。
その検査や治療をできるように、研究や開発をしている人たちがいます。
それをどこでも使えるように低コストで安定した技術にと努力をしているのはメーカーのみなさんです。
制度の中で使えるように検討している人たちもいます。
以上の人は想像しやすいとおもいますが、もっと基本的な、そしてもっとも地味な仕事をしているひとたちがいます。
それは感染症がどれくらい発生しているのかを日々見続けているひとたちです。
重症例がどれほどいるのか、致死率は?と計算するときにも、分母情報が必要になりますが、そのおおもとのデータをとりまとめをしているのもこちらです。
地方衛生研究所ネットワーク
(ドキドキ鑑別診断だけでなく、地域で市民を感染症から守ることに関心がわいてきたらこのあたりもブックマークにいれておいてください)
医師は自分の診察室で「インフルエンザ増えてきたね」と実感することができますが、自分の外来以外だとどうなのかは院内データをみないとわかりません。
インフルエンザが増えるときはたいていその周辺地域でも増えているわけですが、いつごろから、どれくらいかは「全体を見渡している人」のデータを待たないとわかりません。
感染症のトレンド(発生動向)のおおもとのデータは医師や医療機関からの報告です。
医師 → 保健所 → 自治体の発生動向調査担当者(地方感染症情報センター) →厚生労働省/国立感染症研究所 と集約されます。
ですので、地域でのより精度の高い情報をみるためには報告率が重要になり、また迅速な還元が重要になります(2週間前のデータを紙で報告されても臨床の現場ではあまりやくにたちません・・せめて直近1週間が知りたい)。
メディアが扱っているのはこのデータですので、まず時差がありますし、その数そのものの解釈の注意点を知らないと過小評価になったり過剰反応になったりもします。感染症の判断をメディア情報だけでするのは無理があるので、判断したり人に伝えるような状況になったら、1次情報としての地方感染症情報センターのデータを見に行く必要があります。
探し方は簡単。自治体名+感染症情報センター で探し、そして「週報」のデータをみます。
この場合、「見せ方」つまり、多くの人に「読んでいただく」わかりやすい報告をしているかどうかはかなり自治体によってばらつきがあります。
担当者も全員がスペシャリストや熟練者ではないので、前の担当者のやりかたそのままがひきつがれていることが多いですが、他の自治体の上手な報告をみて改善をしてくださっているところもあります。
医師のみなさんには、見ていて「うちの地域の感染症発生動向の数字は還元のしかたがいまいちだよなー」と思ったら、(批判ではなく)ぜひ、「このようにしてくれたら見やすいし現場で役立つんだけど」と提案をお願いいたします。
日々医療機関からのデータを確認し、データーベースに入力し、必要があれば問い合わせなどもし、滞りなく平時のデータを監視しているみなさんに感謝いたします(感謝しましょう)。
そして、データの解釈のためには感染症の特徴を学ぶ必要があります。よくわからない場合は感染症に詳しい先生を囲んで勉強会をすると楽しいと思います。 Know Your Diseaseです。
例えば、感染症によっては季節トレンドがあります。
沖縄では夏にインフルエンザが流行していたりしますが(亜熱帯では珍しくありません)、多くの地域では冬に大流行する感染症です。「季節性インフルエンザ」ともいわれます。新型などと対比する際にわかりやすい名称ではあります。
毎年同じようなカーブをえがきますので、「平時と同じだ」「想定の範囲内だ」ということがわかります。
これだけでわからないのは感染している層や地域です。たとえば、今年のインフルエンザは、例年とちがって小学生年齢よりも先に成人で流行が広がりました。
日本各地でいっせいに流行っているのではなく、先行する地域があり、そこが落ち着くころにまだピークの地域もあったりします。狭い日本でもそれくらいの違いがみられます。
これは質的なところをよみこまないとわかりませんし、東京発の情報ではなく地域メディアがていねいに報じようとこころがけないと、地域の人にも伝わりません。
「増えているね」は、どこかをベースにいうので、そのベースがどこかということもあります。
また「激増」していても、過小評価のこともあります。
いったい地域でどれくらいの影響をもたらしているのかは、感染症によって想定することがちがうのでそのあたりは勉強してから語るほうが安全です。
風疹:これほど流行すると、ICUに入るほどの重症例から、かぜだろう・・・と歩き回る人までいろいろいます。
ダニにかまれて重症:ダニ系の感染症はいろいろいるありますので、そのなかの特定のウイルス(をどうやって調べるのかというハードルあり)、さらに重症例となると、探していくケースがとてもかぎられてくることがわかります。
病気になったら病院に行きます。ここには、どんな病気かを考えて必要な検査や治療をしてくれるドクターやスタッフがいます。
その検査や治療をできるように、研究や開発をしている人たちがいます。
それをどこでも使えるように低コストで安定した技術にと努力をしているのはメーカーのみなさんです。
制度の中で使えるように検討している人たちもいます。
以上の人は想像しやすいとおもいますが、もっと基本的な、そしてもっとも地味な仕事をしているひとたちがいます。
それは感染症がどれくらい発生しているのかを日々見続けているひとたちです。
重症例がどれほどいるのか、致死率は?と計算するときにも、分母情報が必要になりますが、そのおおもとのデータをとりまとめをしているのもこちらです。
地方衛生研究所ネットワーク
(ドキドキ鑑別診断だけでなく、地域で市民を感染症から守ることに関心がわいてきたらこのあたりもブックマークにいれておいてください)
医師は自分の診察室で「インフルエンザ増えてきたね」と実感することができますが、自分の外来以外だとどうなのかは院内データをみないとわかりません。
インフルエンザが増えるときはたいていその周辺地域でも増えているわけですが、いつごろから、どれくらいかは「全体を見渡している人」のデータを待たないとわかりません。
感染症のトレンド(発生動向)のおおもとのデータは医師や医療機関からの報告です。
医師 → 保健所 → 自治体の発生動向調査担当者(地方感染症情報センター) →厚生労働省/国立感染症研究所 と集約されます。
ですので、地域でのより精度の高い情報をみるためには報告率が重要になり、また迅速な還元が重要になります(2週間前のデータを紙で報告されても臨床の現場ではあまりやくにたちません・・せめて直近1週間が知りたい)。
メディアが扱っているのはこのデータですので、まず時差がありますし、その数そのものの解釈の注意点を知らないと過小評価になったり過剰反応になったりもします。感染症の判断をメディア情報だけでするのは無理があるので、判断したり人に伝えるような状況になったら、1次情報としての地方感染症情報センターのデータを見に行く必要があります。
探し方は簡単。自治体名+感染症情報センター で探し、そして「週報」のデータをみます。
この場合、「見せ方」つまり、多くの人に「読んでいただく」わかりやすい報告をしているかどうかはかなり自治体によってばらつきがあります。
担当者も全員がスペシャリストや熟練者ではないので、前の担当者のやりかたそのままがひきつがれていることが多いですが、他の自治体の上手な報告をみて改善をしてくださっているところもあります。
医師のみなさんには、見ていて「うちの地域の感染症発生動向の数字は還元のしかたがいまいちだよなー」と思ったら、(批判ではなく)ぜひ、「このようにしてくれたら見やすいし現場で役立つんだけど」と提案をお願いいたします。
日々医療機関からのデータを確認し、データーベースに入力し、必要があれば問い合わせなどもし、滞りなく平時のデータを監視しているみなさんに感謝いたします(感謝しましょう)。
そして、データの解釈のためには感染症の特徴を学ぶ必要があります。よくわからない場合は感染症に詳しい先生を囲んで勉強会をすると楽しいと思います。 Know Your Diseaseです。
例えば、感染症によっては季節トレンドがあります。
沖縄では夏にインフルエンザが流行していたりしますが(亜熱帯では珍しくありません)、多くの地域では冬に大流行する感染症です。「季節性インフルエンザ」ともいわれます。新型などと対比する際にわかりやすい名称ではあります。
毎年同じようなカーブをえがきますので、「平時と同じだ」「想定の範囲内だ」ということがわかります。
これだけでわからないのは感染している層や地域です。たとえば、今年のインフルエンザは、例年とちがって小学生年齢よりも先に成人で流行が広がりました。
日本各地でいっせいに流行っているのではなく、先行する地域があり、そこが落ち着くころにまだピークの地域もあったりします。狭い日本でもそれくらいの違いがみられます。
これは質的なところをよみこまないとわかりませんし、東京発の情報ではなく地域メディアがていねいに報じようとこころがけないと、地域の人にも伝わりません。
「増えているね」は、どこかをベースにいうので、そのベースがどこかということもあります。
また「激増」していても、過小評価のこともあります。
いったい地域でどれくらいの影響をもたらしているのかは、感染症によって想定することがちがうのでそのあたりは勉強してから語るほうが安全です。
風疹:これほど流行すると、ICUに入るほどの重症例から、かぜだろう・・・と歩き回る人までいろいろいます。
ダニにかまれて重症:ダニ系の感染症はいろいろいるありますので、そのなかの特定のウイルス(をどうやって調べるのかというハードルあり)、さらに重症例となると、探していくケースがとてもかぎられてくることがわかります。