現在、発生動向調査で把握されている風疹症例は、年齢と性別に偏りがあります。
8割が男性、30ー40代が多い。
HIVも似たような傾向がありますが、流行の背景が全然違います。
この世代は、先天性風疹症候群の発生予防のために、「女子だけにワクチン接種」をしていた世代であります。
特定の年齢層で免疫がありません。
女性だけにワクチン。。。のほうが安いですよね〜〜ってかんじで、同じようなことを英国がやっていました。
RUBELLA IN ENGLAND, SCOTLAND AND WALESEurosurveillance, Volume 9, Issue 4, 01 April 2004
女子学生への風疹ワクチン接種は1970年から実施されていました。そして、1970年代は妊婦検診での検査と産後のワクチン接種がおこなわれていました。
生後12ー15ヶ月の乳児にMMRワクチンを全員に接種しはじめたのは1988年。 全数報告疾患となりました。
1996年には小学校入学前の「2回目のMMRワクチン」を導入。そして、この年に女子のみ接種をやめました。
風疹の流行は先天性風疹症候群の児の出生だけでなく、人工妊娠中絶の増加にもつながります。
1971−75年には、年50例発生していたCRSは、1986ー1990年には年間20例に減りました。
風疹感染に関連した人工妊娠中絶も年750から50例へと減りました。
1991年から2004年までに報告されているCRSは40例。
3分の1は妊婦が海外で風疹に感染。3分の1は海外生まれで英国内の感染。3分の1は英国生まれ英国内の感染例でした。
と、ここで考えることがありました。
現在、米国英国では麻疹が地域流行しており、その背景にMMRワクチンスキャンダル(MMRワクチンが自閉症の原因とした説を展開した医師がいて英国、メディアがこれを煽り、ワクチン接種率が低下、その後デマや倫理的な問題が発覚し医師は免許剥奪)の影響があるとみられています。
MMRワクチンを接種しない群は感受性者となり、昔の「積み残し」の未接種男性群とあわせて、将来のアウトブレイク要因となるわけです。
先日、英国の研究者に日本での流行状況を伝え、英国では昔の接種できなかった男性のケアをどうしているのかときいたところ、
無料接種キャンペーンを実施はしたが、期待するほど接種率は高くならなかったとのことです。
1994-1996年の2年間に行われたキャッチアップ以外は特に強化策は行われていないようです。麻疹、ムンプスだけでなく風疹も流行するだろうと専門家はみています。
英国は2012年は乳幼児を百日咳から守るために、妊娠後期の女性に無料でTdapワクチンを提供していました。
日本は、妊娠希望女性や未接種世代の男性には無料で緊急(臨時)対応ができないのかなと思った次第です。
The UK NSC policy on Rubella susceptibility screening in pregnancy
Post-partum MMR immunisation rates in rubella-susceptible antenatal women
英国の予防接種のガイドブック GreenBookの風疹の記載
8割が男性、30ー40代が多い。
HIVも似たような傾向がありますが、流行の背景が全然違います。
この世代は、先天性風疹症候群の発生予防のために、「女子だけにワクチン接種」をしていた世代であります。
特定の年齢層で免疫がありません。
女性だけにワクチン。。。のほうが安いですよね〜〜ってかんじで、同じようなことを英国がやっていました。
RUBELLA IN ENGLAND, SCOTLAND AND WALESEurosurveillance, Volume 9, Issue 4, 01 April 2004
女子学生への風疹ワクチン接種は1970年から実施されていました。そして、1970年代は妊婦検診での検査と産後のワクチン接種がおこなわれていました。
生後12ー15ヶ月の乳児にMMRワクチンを全員に接種しはじめたのは1988年。 全数報告疾患となりました。
1996年には小学校入学前の「2回目のMMRワクチン」を導入。そして、この年に女子のみ接種をやめました。
風疹の流行は先天性風疹症候群の児の出生だけでなく、人工妊娠中絶の増加にもつながります。
1971−75年には、年50例発生していたCRSは、1986ー1990年には年間20例に減りました。
風疹感染に関連した人工妊娠中絶も年750から50例へと減りました。
1991年から2004年までに報告されているCRSは40例。
3分の1は妊婦が海外で風疹に感染。3分の1は海外生まれで英国内の感染。3分の1は英国生まれ英国内の感染例でした。
と、ここで考えることがありました。
現在、米国英国では麻疹が地域流行しており、その背景にMMRワクチンスキャンダル(MMRワクチンが自閉症の原因とした説を展開した医師がいて英国、メディアがこれを煽り、ワクチン接種率が低下、その後デマや倫理的な問題が発覚し医師は免許剥奪)の影響があるとみられています。
MMRワクチンを接種しない群は感受性者となり、昔の「積み残し」の未接種男性群とあわせて、将来のアウトブレイク要因となるわけです。
先日、英国の研究者に日本での流行状況を伝え、英国では昔の接種できなかった男性のケアをどうしているのかときいたところ、
無料接種キャンペーンを実施はしたが、期待するほど接種率は高くならなかったとのことです。
1994-1996年の2年間に行われたキャッチアップ以外は特に強化策は行われていないようです。麻疹、ムンプスだけでなく風疹も流行するだろうと専門家はみています。
英国は2012年は乳幼児を百日咳から守るために、妊娠後期の女性に無料でTdapワクチンを提供していました。
日本は、妊娠希望女性や未接種世代の男性には無料で緊急(臨時)対応ができないのかなと思った次第です。
The UK NSC policy on Rubella susceptibility screening in pregnancy
Post-partum MMR immunisation rates in rubella-susceptible antenatal women
英国の予防接種のガイドブック GreenBookの風疹の記載