ワクチンに関して今一番多いクレームは、医療者によっていうことが違う、です。
1980年代やら1990年代の情報と2012年の情報は大きく異なっていますので、卒業後に生涯教育単位認定のお勉強会などに参加してなければ医師も知らないかもしれませんし、学校でほとんど習っていないナースなどは、自分の子どもの予防接種の記憶だけで答えてしまうような人も残念ながらいます。
目の前の白衣を着た人の情報を信用していいのかという懐疑からの出発は、ただでさえスケジューリングに苦悩している保護者の負担となっています。
ネットにあったQ&A
「病院が肝炎ウイルスワクチン接種をしぶるのは何故ですか?」
しぶるんですか・・・
千葉県いすみ市や、茨城県の守谷市では、B型肝炎は公費補助がはじまっていますけどね。
新規感染の予防、また感染している人が偏見や不適切な扱いをされないよう安心して生活するためにもユニバーサルワクチンが重要なんですけどね。
1992年にWHOが各国に推奨しましたが、20年後の日本ではこんな状況があるわけです。
「日本のB型肝炎患者のほとんどは昔の予防接種の針のせいで感染したのだ」と社説にかいちゃうような新聞も複数あったりします(とほほ)。
IDATENで質問が流れていましたが、体液に曝露しやすいスポーツや生活環境では、血液体液由来の感染症の対策の標準化が課題となります。
スポーツの世界では、チームや団体・施設に所属している専門医や嘱託医が、その内容に責任を持っているんでしょうか?(産業医ですかね?)
流血するかもしれないスポーツイベント(例えばキックボクシング)などでは、参加資格のところに次のような記載がありました。
"最寄りの医療機関でB型肝炎ウイルス抗原(HBs抗原)とC型肝炎ウイルス抗体(HCV抗体)の検査を受け、検査結果の伝票を郵送またはFAXにて提出してください。※既に本イベントに出場された方は免除。"
個人情報をFAXで流すってのもどうかなとおもいますが、過去に1回検査したらもういらないってのも、このような状況下ではよくわかりません(--)
心配ししている市民もいます。「学校の生徒間のB型肝炎の予防について」(県政への声)
"B型肝炎は感染力が強いため、スポーツ(空手、柔道、バスケット、ラグビー等)の際の出血による選手間の感染や、蚊(蚊に刺されても感染はしないが、蚊を潰す際の血液)等でも感染の可能性が非常に高くなります。従って、米国等では、B型肝炎ワクチンを接種していないと入学を拒否されます。
この感染を防ぐため、WHOは、B型肝炎のワクチンを接種するように勧告していますが、知事は、B型肝炎ワクチンを接種するように県民に対して広報活動は考えていないと回答していますが、学校等のスポーツの際や蚊等による感染はどうやって防ぐのでしょうか。
私は、WHOの勧告に従ってB型肝炎ワクチンを接種するのが、最良の方法と思いますが、それ以外に感染を防ぐ方法があるのでしょうか。"
B型肝炎は、HIVやC型肝炎に比べて感染力がとても強いですが、幸い予防ワクチンがあります。
激しいボディコンタクトのある競技に参加するような場合は、もちろん接種をしておいたほうがいいわけですが。
スポーツの世界でそれはどのような話なっているのでしょうね?
(ちなみにHIVやB型肝炎、C型肝炎に感染している医療者の業務の考え方については、2010年にSHEAが出したガイドラインなどがあり、未治療の人、治療を開始している人、業務の内容によってその対応が整理されていて参考になります)
British Journal of Sports Medicineの2004年の記事から。
Blood borne infections in sport: risks of transmission, methods of prevention, and recommendations for hepatitis B vaccination
Br J Sports Med 2004;38:678-684
IDATENでコメントがいくつかついていましたが、そこでも紹介されていた報告。
そういえば、2010年に書いたものがありました 「B型肝炎とスポーツ」
さて。ワクチンがないC型肝炎やHIVはどうしましょう。
また、学校や大会などで、周囲に伝える義務があるのかという問もあります。 「伝えなくてはだめですか?」
こういった問題は難しいのですが思考停止にならず、どうしたら皆が守られるのかを考えることが必要です。
そういえば、文科省が柔道をとりいれたのでしたっけ。
(※「武道」の中からの選択。他の武道から何を選択するかは学校が決めるらしいです)
文科省や学校はB型肝炎ワクチンの説明などもしているんですかね・・・。分母が増えると様々なアクシデントが起こりえますから、予防の選択肢があることの説明は当然ですね。
感染者探しや排除をすればいいという話ではありませんからね。
ほかには、接触でうつる皮膚の感染症などもあります。
全日本柔道連盟 「柔道選手のトリコフィトン・トンズランス感染症」知っておこう!〜その治療と予防法〜
大阪皮膚医会「柔道、レスリングをする人たちの間で流行っているカビの病気」
市中感染のMRSAの話もスポーツ関連の感染症の話題のひとつ。
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Infections Among Competitive Sports Participants --- Colorado, Indiana, Pennsylvania, and Los Angeles County, 2000--2003
MMWR August 22, 2003 / 52(33);793-795
問診の時に、スポーツでのボディコンタクト歴などもきかねば。
1980年代やら1990年代の情報と2012年の情報は大きく異なっていますので、卒業後に生涯教育単位認定のお勉強会などに参加してなければ医師も知らないかもしれませんし、学校でほとんど習っていないナースなどは、自分の子どもの予防接種の記憶だけで答えてしまうような人も残念ながらいます。
目の前の白衣を着た人の情報を信用していいのかという懐疑からの出発は、ただでさえスケジューリングに苦悩している保護者の負担となっています。
ネットにあったQ&A
「病院が肝炎ウイルスワクチン接種をしぶるのは何故ですか?」
しぶるんですか・・・
千葉県いすみ市や、茨城県の守谷市では、B型肝炎は公費補助がはじまっていますけどね。
新規感染の予防、また感染している人が偏見や不適切な扱いをされないよう安心して生活するためにもユニバーサルワクチンが重要なんですけどね。
1992年にWHOが各国に推奨しましたが、20年後の日本ではこんな状況があるわけです。
「日本のB型肝炎患者のほとんどは昔の予防接種の針のせいで感染したのだ」と社説にかいちゃうような新聞も複数あったりします(とほほ)。
IDATENで質問が流れていましたが、体液に曝露しやすいスポーツや生活環境では、血液体液由来の感染症の対策の標準化が課題となります。
スポーツの世界では、チームや団体・施設に所属している専門医や嘱託医が、その内容に責任を持っているんでしょうか?(産業医ですかね?)
流血するかもしれないスポーツイベント(例えばキックボクシング)などでは、参加資格のところに次のような記載がありました。
"最寄りの医療機関でB型肝炎ウイルス抗原(HBs抗原)とC型肝炎ウイルス抗体(HCV抗体)の検査を受け、検査結果の伝票を郵送またはFAXにて提出してください。※既に本イベントに出場された方は免除。"
個人情報をFAXで流すってのもどうかなとおもいますが、過去に1回検査したらもういらないってのも、このような状況下ではよくわかりません(--)
心配ししている市民もいます。「学校の生徒間のB型肝炎の予防について」(県政への声)
"B型肝炎は感染力が強いため、スポーツ(空手、柔道、バスケット、ラグビー等)の際の出血による選手間の感染や、蚊(蚊に刺されても感染はしないが、蚊を潰す際の血液)等でも感染の可能性が非常に高くなります。従って、米国等では、B型肝炎ワクチンを接種していないと入学を拒否されます。
この感染を防ぐため、WHOは、B型肝炎のワクチンを接種するように勧告していますが、知事は、B型肝炎ワクチンを接種するように県民に対して広報活動は考えていないと回答していますが、学校等のスポーツの際や蚊等による感染はどうやって防ぐのでしょうか。
私は、WHOの勧告に従ってB型肝炎ワクチンを接種するのが、最良の方法と思いますが、それ以外に感染を防ぐ方法があるのでしょうか。"
B型肝炎は、HIVやC型肝炎に比べて感染力がとても強いですが、幸い予防ワクチンがあります。
激しいボディコンタクトのある競技に参加するような場合は、もちろん接種をしておいたほうがいいわけですが。
スポーツの世界でそれはどのような話なっているのでしょうね?
(ちなみにHIVやB型肝炎、C型肝炎に感染している医療者の業務の考え方については、2010年にSHEAが出したガイドラインなどがあり、未治療の人、治療を開始している人、業務の内容によってその対応が整理されていて参考になります)
British Journal of Sports Medicineの2004年の記事から。
Blood borne infections in sport: risks of transmission, methods of prevention, and recommendations for hepatitis B vaccination
Br J Sports Med 2004;38:678-684
IDATENでコメントがいくつかついていましたが、そこでも紹介されていた報告。
そういえば、2010年に書いたものがありました 「B型肝炎とスポーツ」
さて。ワクチンがないC型肝炎やHIVはどうしましょう。
また、学校や大会などで、周囲に伝える義務があるのかという問もあります。 「伝えなくてはだめですか?」
こういった問題は難しいのですが思考停止にならず、どうしたら皆が守られるのかを考えることが必要です。
そういえば、文科省が柔道をとりいれたのでしたっけ。
(※「武道」の中からの選択。他の武道から何を選択するかは学校が決めるらしいです)
文科省や学校はB型肝炎ワクチンの説明などもしているんですかね・・・。分母が増えると様々なアクシデントが起こりえますから、予防の選択肢があることの説明は当然ですね。
感染者探しや排除をすればいいという話ではありませんからね。
ほかには、接触でうつる皮膚の感染症などもあります。
全日本柔道連盟 「柔道選手のトリコフィトン・トンズランス感染症」知っておこう!〜その治療と予防法〜
大阪皮膚医会「柔道、レスリングをする人たちの間で流行っているカビの病気」
市中感染のMRSAの話もスポーツ関連の感染症の話題のひとつ。
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Infections Among Competitive Sports Participants --- Colorado, Indiana, Pennsylvania, and Los Angeles County, 2000--2003
MMWR August 22, 2003 / 52(33);793-795
問診の時に、スポーツでのボディコンタクト歴などもきかねば。