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Channel: 感染症診療の原則
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選択 と その周辺   『選択の科学』

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青木編集長、聖路加国際病院の日野原先生のお招きにより帰国。
そこでした仕事の1つが抗菌薬の整理でした。

当時あった薬剤を5分の1に減らしました。
在庫管理が楽になり、毎月百万円単位の費用を抑制することができました。

リーダーの掛け声もさることながら、本当に必要なものはどれだろうと考えてくださった方々の存在が大きかったそうです。

第一世代1つ、第二世代1つ・・。多くのMRさんが泣いたのではないかと想像します。
電車を待つときはホームの後ろの方にたった方がよい、という助言をする人もいたとかいないとか。
レジデントにとっても、それぞれのカテゴリーの薬剤の本来のミッションや限界を考えて使うようになって教育としてもよい効果、という話でした。

お金をじゃぶじゃぶ使える時代ではなくなっていますので、抗菌薬適正使用チームができたら、抗菌薬の整理、もぜひご検討ください。


と、この話は関係あるようなないような・・・。


8月7日の毎日新聞でシーナ・アイエンガー先生が紹介されていました。
NHK コロンビア白熱教室 でご存知の方も多いかも。

42歳、コロンビア大学ビジネススクールの教授。
カナダ生まれのアメリカ育ち。3歳の時に診断された病気が原因で高校入学時に視力を失います(全盲)。

大学院生時代にした「ジャム研究」は、高級スーパの試食コーナーで、24種類並べたときと、6種類並べた時ではどちらがよく売れるか?という実験。

結果として6種類の方がよく売れました。
(上の話は抗菌薬をたくさん使おうという意味じゃないですよん)

「対象が多すぎると選びにくい」?。

・・・この話は、先日某学会で、なぜ最近の人は結婚しないのか(決断できないのか)のたとえにつかっていました。
(昔は近所のおばちゃんがもってきた2-3枚のお見合い写真だったしねえ・・・とか)

いろいろめうつりして、本来の自分の決定軸が見えにくくなって気づけば・・・アワワとか。


TED(字幕付き)講演コンテンツもあります。
 シーナ・アイエンガー:選択をしやすくするには

下記の本は第6講までは心理学やマーケティングの話ですが、第7講と第8講は、選択に関わる哲学の話。
例えば、高齢者医療における延命治療や、子どもの命や障害について保護者が判断しなくてはいけない場合の選択の問題がとりあげられています。

「選択の自由は、精神的、感情的な代償をともなうことが多いのだ。」


選択の科学文藝春秋

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