たいへんお忙しい寺澤先生が送ってくださった若セミでのQ&Aです。
ありがとうございました。
若い人を暖かく応援しつづける寺澤先生の周辺には、いつも若いドクターが集まっています。
寺澤スピリッツが広がっていくことを期待しております!
控え室でうかがった、医学教育マインドもたいへん勉強になりました。
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勤務医7年目
Q 呼吸数測定を院内に広げる作戦で良い方法はないでしょうか?
A ?呼吸数が役立つ事例をカンファランスやレクチャーで示すこと
?指導医自身が呼吸数を数えているところを見せること
?見学の医学生(来年の初期研修医候補)が呼吸数を測定しているかどうか見ていることを周知すること
勤務医7年目
Q 高血糖で血行動態性TIAが起きる機序は?
A 高血糖自体で起きるのではなく、血液の高浸透圧状態(過粘調血液状態)と循環血液量減少のために、脳血流の減少が著明になるのでしょう。
医師歴不明
Q 腹腔内出血で除脈になる機序は?
A 腹腔内出血だけでは生じないようです。激しい腹痛を伴った腹腔内出血の場合にみられるようです。痛みのための迷走神経反射も手伝って発生するのではないでしょうか。
勤務医10年目
Q 心タンポナーデも破裂もおきていない大動脈解離で除脈、低血圧を見かけます。
その機序は?
A おそらく、痛みのための神経介在性機序、あるいは大動脈の圧受容体への伸展刺激が有力な機序だと思います。
勤務医6年目
Q 失神の定義で「2、3分以内の---」と「3分以内の---」という記載の違いがあるようですが、3分程度という解釈でよいでしょうか?
A はい、実際には時計を見て測定できることは少ないので、それくらいのアバウトな解釈でよいと思います。
研修医2年目
Q 高齢者の転倒のリスクが上がる薬剤でNSAIDがありましたが機序は?
A 解熱薬として用いられた際に発汗による循環血液量減少による転倒だと思います。
研修医2年目
Q 高血圧のめまいの場合に頭蓋内疾患から攻めると、大動脈解離を見逃すことにつながらないでしょうか?
A 御指摘のとおりです!今回の提案における最も大きなリスクだと思っています。医療面接(初発症状、症状の移り変わり、随伴症状)や身体所見(血圧の左右差、ARの雑音)、胸部X線写真などで補っていただくしかないように思います。
研修医1年目
Q めまい〜意識障害での提案でしたが、頭痛、嘔気には応用はできませんか?
A はい、使える可能性があると思っています。血圧が高い頭痛、嘔気の場合には頭蓋内から攻めるというのは正しいと思いますが、血圧が高くない頭痛、嘔気なので頭蓋内疾患が否定できるというふうに使うと危険かもしれません。血圧が正常の頭痛、嘔気でもクモ膜下出血の患者さんが(少ないですが)いるのです。
研修医1年目
Q 病棟でさりげなく呼吸数を数えるよい方法は?
A 病棟でさりげなく数えるのは難しいかもしれませんね。僕自身は「普通の呼吸をして下さい」と指示して呼吸音の聴診をしながら数えることを時々やります。「普通の呼吸をして下さい」と指示して、患者さんの胸部か腹部に右手を置いて、左手首の時計を見ながら数える、というのでもいいと思います。
研修医1年目
Q 頭蓋内疾患や損傷では過換気と説明されましたが、教科書ではBiot呼吸も記載されています。実際の現場でBiot呼吸を見るのは多くはないのですか?
A 頭蓋内疾患や損傷で脳圧が上昇する時期には中枢性過換気ですが、脳ヘルニアが完成し、末期になりますとBiot呼吸(失調性呼吸)になります。頭蓋内疾患や損傷でBiot呼吸(失調性呼吸)が出現したら、重篤な状態で呼吸停止が近いと考えたほうがいいです。
医師歴不明
Q 急性冠症候群で右冠状動脈の事件では迷走神経、左冠状動脈の事件では交感神経が優位に興奮するという機序は?
A 医師になって間もない頃に循環器内科専門医から教わりました。心臓が形成される時期の心臓への自律神経支配と関係しているようです。心臓の発生学の講義や教科書などに記載されていないでしょうか。
研修医1年目
Q 日本でER型救急医になるために北米に留学する意味があるでしょうか?
A 御指摘通りです。今の日本ならば、日本で十分に優秀なER型救急医になれますし、北米でのER診療がそのまま日本には通じない領域も沢山あります。また、超音波検査や画像診断、消化器救急疾患など、日本のほうがレベルが高い領域もありますので、北米に留学する意義はかなり希薄になったと言えます。
ありがとうございました。
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寺澤スピリッツが広がっていくことを期待しております!
控え室でうかがった、医学教育マインドもたいへん勉強になりました。
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勤務医7年目
Q 呼吸数測定を院内に広げる作戦で良い方法はないでしょうか?
A ?呼吸数が役立つ事例をカンファランスやレクチャーで示すこと
?指導医自身が呼吸数を数えているところを見せること
?見学の医学生(来年の初期研修医候補)が呼吸数を測定しているかどうか見ていることを周知すること
勤務医7年目
Q 高血糖で血行動態性TIAが起きる機序は?
A 高血糖自体で起きるのではなく、血液の高浸透圧状態(過粘調血液状態)と循環血液量減少のために、脳血流の減少が著明になるのでしょう。
医師歴不明
Q 腹腔内出血で除脈になる機序は?
A 腹腔内出血だけでは生じないようです。激しい腹痛を伴った腹腔内出血の場合にみられるようです。痛みのための迷走神経反射も手伝って発生するのではないでしょうか。
勤務医10年目
Q 心タンポナーデも破裂もおきていない大動脈解離で除脈、低血圧を見かけます。
その機序は?
A おそらく、痛みのための神経介在性機序、あるいは大動脈の圧受容体への伸展刺激が有力な機序だと思います。
勤務医6年目
Q 失神の定義で「2、3分以内の---」と「3分以内の---」という記載の違いがあるようですが、3分程度という解釈でよいでしょうか?
A はい、実際には時計を見て測定できることは少ないので、それくらいのアバウトな解釈でよいと思います。
研修医2年目
Q 高齢者の転倒のリスクが上がる薬剤でNSAIDがありましたが機序は?
A 解熱薬として用いられた際に発汗による循環血液量減少による転倒だと思います。
研修医2年目
Q 高血圧のめまいの場合に頭蓋内疾患から攻めると、大動脈解離を見逃すことにつながらないでしょうか?
A 御指摘のとおりです!今回の提案における最も大きなリスクだと思っています。医療面接(初発症状、症状の移り変わり、随伴症状)や身体所見(血圧の左右差、ARの雑音)、胸部X線写真などで補っていただくしかないように思います。
研修医1年目
Q めまい〜意識障害での提案でしたが、頭痛、嘔気には応用はできませんか?
A はい、使える可能性があると思っています。血圧が高い頭痛、嘔気の場合には頭蓋内から攻めるというのは正しいと思いますが、血圧が高くない頭痛、嘔気なので頭蓋内疾患が否定できるというふうに使うと危険かもしれません。血圧が正常の頭痛、嘔気でもクモ膜下出血の患者さんが(少ないですが)いるのです。
研修医1年目
Q 病棟でさりげなく呼吸数を数えるよい方法は?
A 病棟でさりげなく数えるのは難しいかもしれませんね。僕自身は「普通の呼吸をして下さい」と指示して呼吸音の聴診をしながら数えることを時々やります。「普通の呼吸をして下さい」と指示して、患者さんの胸部か腹部に右手を置いて、左手首の時計を見ながら数える、というのでもいいと思います。
研修医1年目
Q 頭蓋内疾患や損傷では過換気と説明されましたが、教科書ではBiot呼吸も記載されています。実際の現場でBiot呼吸を見るのは多くはないのですか?
A 頭蓋内疾患や損傷で脳圧が上昇する時期には中枢性過換気ですが、脳ヘルニアが完成し、末期になりますとBiot呼吸(失調性呼吸)になります。頭蓋内疾患や損傷でBiot呼吸(失調性呼吸)が出現したら、重篤な状態で呼吸停止が近いと考えたほうがいいです。
医師歴不明
Q 急性冠症候群で右冠状動脈の事件では迷走神経、左冠状動脈の事件では交感神経が優位に興奮するという機序は?
A 医師になって間もない頃に循環器内科専門医から教わりました。心臓が形成される時期の心臓への自律神経支配と関係しているようです。心臓の発生学の講義や教科書などに記載されていないでしょうか。
研修医1年目
Q 日本でER型救急医になるために北米に留学する意味があるでしょうか?
A 御指摘通りです。今の日本ならば、日本で十分に優秀なER型救急医になれますし、北米でのER診療がそのまま日本には通じない領域も沢山あります。また、超音波検査や画像診断、消化器救急疾患など、日本のほうがレベルが高い領域もありますので、北米に留学する意義はかなり希薄になったと言えます。