昔、HIV感染症関連の治療薬が出ると、新しい薬のために患者さんは2週間に1回受診をしないといけないような時期がありました。
今は、東京都内には土日や夜間も受診できるHIV専門クリニックもありますので、「何度も職場にお休みを申し出ないといけない」という相談は減りつつあります。
また、そのようなクリニックに受診先を変更できる人は、治療も安定している方が多く、処方可能期間ものびたため、「3か月処方」つまり主治医に会うのは年4回!な人も増えました。
CD4が高くても、ウイルス量が低くてもおこるHIV特有の疾患もありますし、肝機能や腎機能等のチェックも必要ですからこれ以上あけるのはちょっと…と考える医師が多いためか、たいてい「3か月処方」となっています。
耐性になった人、肝炎など合併症の管理が必要な人、突然HIVとは関係ない別の年齢相応の病気になる人もいますので、理想論ばかり語れませんが、受診の負担も減りましたし、「このままでは外来がパンクする!」と危惧された状態の緩和にはつながっているのだとおもいます。
症例数の多い病院では、外来の部屋が足りない!とか、医師だけではたいへん!状態になっています。看護師やMSW、薬剤師がチームに加わると医師はとても気持ちも時間も負担が減りますので、ぜひ周囲を誘って診療チームを作っていただければと思います。
HIV診療は、(いろいろな見方はあるとおもいますが)薬害訴訟の関係で特別な対応をされています。
下記もそうなのかな・・と思いますが、HIVだけなぜ、ではなく、他のことも現場のニーズに即して検討して決めるべきなのだ、という論拠にしていくほうが得策ではないかと思っています。
以下、J-AIDSでの高田先生の紹介情報です。
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サムチレール内用懸濁液15%
新医薬品の処方日数制限の取扱いについて
(平成24年4月11日 中医協総会了承)
https://sites.google.com/a/mfeesw.com/2012yaku/d/120411
1.(略)
2.「サムチレール内用懸濁液15%」(以下「本剤」という。)については、次のとおり、本条件を満たすことから、例外的な取扱いとしてもよいものと考えられる。
(1)疾患の特性等
○ 本剤は、外来診療でも実施されるHIV感染症に係る多剤併用療法(HAART療法)実施時に併せて投与されることが通常であり、コンプライアンスの維持が重要であるが、他のHIV治療薬には処方日数制限がない中、本剤のみ制限を加えると治療に支障をきたすおそれがある。
○ また、HIV感染症の外来患者については、遠方の専門医療機関に通院する事例があるなど、2週間に一度の間隔で通院することが困難な場合がある。
(2)投与初期から14日を超える投薬における安全性等
○ 本剤については、外来患者を主な対象とした臨床試験において通院間隔が最長4か月に設定されており、(独)医薬品医療機器総合機構の審査報告書において、その安全性は許容可能であるとされている。
国内外ガイドライン及び教科書に記載されているように、本剤はST 合剤よりも副作用が少なく忍容性が高いとされていること及び第一選択薬であるST 合剤に不耐容である場合の選択肢の一つとして推奨されていることから、本剤の安全性については許容可能と考えた。
(審査報告書p74)
3.さらには、既にHIV患者に対し同様の位置づけで使用されている「ミコブディンカプセル150mg」については当初から処方日数制限が設定されなかったことも踏まえ、本剤について、「処方日数の制限は設けないこと」としてはどうか。
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不都合が生じないように先回りして動いて支援した人たちもいるのでしょう。
医薬品行政に詳しい方からもっといろいろ学びたい件。
今は、東京都内には土日や夜間も受診できるHIV専門クリニックもありますので、「何度も職場にお休みを申し出ないといけない」という相談は減りつつあります。
また、そのようなクリニックに受診先を変更できる人は、治療も安定している方が多く、処方可能期間ものびたため、「3か月処方」つまり主治医に会うのは年4回!な人も増えました。
CD4が高くても、ウイルス量が低くてもおこるHIV特有の疾患もありますし、肝機能や腎機能等のチェックも必要ですからこれ以上あけるのはちょっと…と考える医師が多いためか、たいてい「3か月処方」となっています。
耐性になった人、肝炎など合併症の管理が必要な人、突然HIVとは関係ない別の年齢相応の病気になる人もいますので、理想論ばかり語れませんが、受診の負担も減りましたし、「このままでは外来がパンクする!」と危惧された状態の緩和にはつながっているのだとおもいます。
症例数の多い病院では、外来の部屋が足りない!とか、医師だけではたいへん!状態になっています。看護師やMSW、薬剤師がチームに加わると医師はとても気持ちも時間も負担が減りますので、ぜひ周囲を誘って診療チームを作っていただければと思います。
HIV診療は、(いろいろな見方はあるとおもいますが)薬害訴訟の関係で特別な対応をされています。
下記もそうなのかな・・と思いますが、HIVだけなぜ、ではなく、他のことも現場のニーズに即して検討して決めるべきなのだ、という論拠にしていくほうが得策ではないかと思っています。
以下、J-AIDSでの高田先生の紹介情報です。
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サムチレール内用懸濁液15%
新医薬品の処方日数制限の取扱いについて
(平成24年4月11日 中医協総会了承)
https://sites.google.com/a/mfeesw.com/2012yaku/d/120411
1.(略)
2.「サムチレール内用懸濁液15%」(以下「本剤」という。)については、次のとおり、本条件を満たすことから、例外的な取扱いとしてもよいものと考えられる。
(1)疾患の特性等
○ 本剤は、外来診療でも実施されるHIV感染症に係る多剤併用療法(HAART療法)実施時に併せて投与されることが通常であり、コンプライアンスの維持が重要であるが、他のHIV治療薬には処方日数制限がない中、本剤のみ制限を加えると治療に支障をきたすおそれがある。
○ また、HIV感染症の外来患者については、遠方の専門医療機関に通院する事例があるなど、2週間に一度の間隔で通院することが困難な場合がある。
(2)投与初期から14日を超える投薬における安全性等
○ 本剤については、外来患者を主な対象とした臨床試験において通院間隔が最長4か月に設定されており、(独)医薬品医療機器総合機構の審査報告書において、その安全性は許容可能であるとされている。
国内外ガイドライン及び教科書に記載されているように、本剤はST 合剤よりも副作用が少なく忍容性が高いとされていること及び第一選択薬であるST 合剤に不耐容である場合の選択肢の一つとして推奨されていることから、本剤の安全性については許容可能と考えた。
(審査報告書p74)
3.さらには、既にHIV患者に対し同様の位置づけで使用されている「ミコブディンカプセル150mg」については当初から処方日数制限が設定されなかったことも踏まえ、本剤について、「処方日数の制限は設けないこと」としてはどうか。
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不都合が生じないように先回りして動いて支援した人たちもいるのでしょう。
医薬品行政に詳しい方からもっといろいろ学びたい件。