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Channel: 感染症診療の原則
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陰謀でもなくて敵でもなくて

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核種陰謀論の不思議さは、すごい大問題、こんなことがっ!とか叫んでいる割には、問題解決には興味がなさそうなことです。つるし上げろ、死ねとか物騒な言葉も並びます。人の心も動かしませんし、改善につながりません。陰謀論を語ること自体がアウトカムならしかたないですが、目指すところはなんなのか。
何度も問い返さないとずれていきます。

ところで、陰謀論ではなくても、陥りやすいワナがあります。それは「仮想敵」をつくることです。問題の根源は「このひとたちのせいだ」とすることです。
いろいろな方が説明をしていますので、関心ある方はぜひ勉強してみてください。

例えば、、、"「仮想敵」を共有することで精神的に楽になれる。"
「仮想敵」はなぜ必要なのか(blog はてな読み) 

(戦争や経済施策のプロパガンダなどでもよく使われます)

ワクチン含めた感染症対策などでも、対官僚や対マスコミの構図は、それはそれで実際にあるわけですが、解決のためには相手の仕事や信条・限界を知り、どのようなアプローチをすれば改善できるのかに迫っていく必要があると思いました。

他の領域はわかりませんが、厚生労働省には、医療系の免許をもった、現場経験のある(経験知はばらつきがあるとおもいますが)仲間もいるわけですので、彼・彼女らの仕事がしやすいようにするためにはどうすればいいかということも、何かに気づき、要求をする側の課題だと考えています。

その意味で最近読んだ本で面白かったのは、こちら。
やさしく書いてあり、霞ヶ関の官僚から、陸前高田市の副市長になった方です。1976年生まれ。
静岡のご出身で、大学は京都大学です。

私が官僚1年目で知っておきたかったことかんき出版

扱っているのは小さな出版社ではありますが、丸の内の大きな書店の平積みに並んでいました。


こちらの参考文献にあがっていたもので、過去に読んだことのあるものを並べてみました。

行政の仕事、対国民、対議員、対議会で何をしているのか、彼ら自身が困っていることは何か。対象理解として役に立ちました。
特に年間のスケジュールを知ることは、提案や相談をもっていくときに参考になります。

国レベルのことだけではなく、市議会、区議会、県議会などより身近なところでのやりとりをしてみませんか?

医師会の先生たちのはたらきかけによって、ある地域では子どもの任意の予防接種に公費支援制度ができたりもしています。

誰もいわなかったら、動かなかったら変化にはつながりません。実際に電話をする、資料を提示する(議会で使いやすいように)、専門家として意見をとりまとめて要望書を出すなど、こちらも実現可能性にせまる手法をとらなければなりませんので。

こちらはすでにベストセラーですが。

官僚を国民のために働かせる法 (光文社新書)光文社


対象理解の本。

官僚のレトリック―霞が関改革はなぜ迷走するのか新潮社


病院、医者とひとくくりにできないように、公務員の人たちの中にも、いろいろな改善を試みる人たちがいます。
感染症の診療が下から変わっていっているように、若手が活動しやすいようにすることって大事だなあと思いますね。

霞ヶ関維新――官僚が変わる・日本が変わる英治出版


霞ヶ関構造改革・プロジェクトK東洋経済新報社


一緒に仕事をするときに参考になり、自分の仕事でも役立ちました。

現場直言!プロ公務員の変革力―成功をもたらす7つの力学陽書房

できる公務員の交渉力学陽書房

医療でもそうであるように、外側から全部の事情はわかってもらえない。
制度や体力の限界のなかで、少しでもよいようにと働いていている人はそこかしこにいます。

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