編集長が旧厚生省の奨学金を頂くために勤務した宮古南静園(Hansen's Disease /Leprosyの療養所)。そこでは入所者の何割かが糞線虫症にかかっていました。
当時、イベルメクチンという特効薬がなくてチアベンダゾール(商品名:ミンテゾール)を用いました。好酸球が増えている人は治癒、増えていなかった人は治癒できなかったのが印象的でした。COVID-19にイベルメクチンが有効であった背景には偶然、こういった寄生虫を治療していた効果もあったかも知れません。
勿論、In vitroでのイベルメクチンの濃度は人体に使用した時に得られる血中濃度の100倍くらいだったらしいですが・・
という事で、糞線虫などが少ない米国内(KY州は多かったですけど・・)でのRCTが待たれていたのですが、今回もやはりCOVID-19に対する効果を証明できませんでした。
Effect of Ivermectin vs Placebo on Time to Sustained Recovery in Outpatients With Mild to Moderate COVID-19
A Randomized Clinical Trial
JAMA. 2022;328(16):1595-1603. doi:10.1001/jama.2022.18590
勿論、投与量が足りない、治療開始タイミングが悪い、もっと重症例ならば・・という議論は可能ですが、積極的に使用する理由は見つけられなかったのです。
我々はワクチン、パキロビットなど明確に有効性を証明できた予防・治療を広く普及させることに努力したいものです。