第10回(今年度最終)若セミリウマチ・膠原病 岸本 暢将先生 Q&A
1. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 急性単関節炎は化膿性であることを否定したいところです。
可動域制限は一つの指標になると思いますが、関節穿刺の出来ない場合は、できる施設への速やかなご紹介が必要でしょうか。
その際、関節液と血液培養は双方必要でしょうか。
回答
高齢者で膝の単関節炎で化膿性関節炎と偽痛風または痛風と鑑別に迷うケースがございます。
化膿性関節炎ならMortality 15%ですし、ドレナージが必要なケースも考えられ、整形外科の先生にコンサルトを行うことが一般的だとは思います。
2. 質問者 : 歯科医師 五十代
質問内容 : 青木先生のコメント 歯科医師も聞いてますので助かります
編集長:ありがとうございます。
3. 質問者 : 医師 内科
質問内容 : ぶどう膜炎と強膜炎は症状から区別可能ですか?
私はわからないので、すぐに眼科にコンサルトしてしまいますが、、
回答
症状からですと難しいので眼科コンサルト行っています。
治療も眼科的治療はお任せしております。
4. 質問者 : 医師 一般内科 60代
質問内容 : ANCA関連血管炎など、私の学生時代存在しなかった病名の疾患について、勉強しないとついて行けないのは良く解りましたが、医療の進歩は早いですね。プレッシャーで押しつぶされそうです。
回答
ご意見ありがとうございます。
5. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 不明熱の鑑別中、全身CTの役目はあるでしょうか。
もし適応があるとしたら、何に注目をされるのでしょうか
回答
セミナーでお話しましたが、抗菌薬に反応しない場合の膿瘍形成や、通常の培養や検査ではわからない悪性リンパ腫や結核等の病変(例、リンパ節腫脹等)、固形癌がみつかることもあります。不明熱であれば、感染症、悪性腫瘍が除外できるのであれば
若年では高安病、高齢では巨細胞性動脈炎を鑑別に大動脈炎がないか造影CTを行うこともあります。
6. 質問者 : 40歳代 内科
質問内容 : GCAの合併症に大動脈瘤や大動脈解離があるかと思いますが、PSLなどで治療し、炎症が治まっていても、数年おきに画像フォロ-(造影CTなど)は必要でしょうか?
回答
すばらしいご質問ありがとうございます。動脈の合併症をPSLあるいはTCZの治療で
予防できるか、に関してはまだわかっていません。Mayoクリニックの数十年GCAをフォローしたDataでは約15-20%の患者さんに動脈合併症が起きています(標準治療のステロイドは使用している)。特にGCAでも大動脈炎合併例では数年に一度フォローを行うことも考慮されます。
7. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : Localized PSSは全身性への進行はまれでしょうか。
フォローする際に、症状の他に定期検査は何をしたらよいでしょうか。
回答
限局性強皮症(以降Morphia/localized scleroderma)は、全身性強皮症(Systemic sclerosis:SSc)のようにPAHやIPなどの重度の全身合併症を呈することはなく、皮膚科でフォローされていると思います。私自身が長期にフォローした経験はございません。ただmorphiaのdiffuse(びまん)タイプではANA陽性率も多く、抗リン脂質抗体も陽性になるケースもございます。ですので抗体がでたらSScということではありません。やはり、皮膚硬化の広がり、爪甲毛細血管異常、その他SScの全身病変がでてこないかCXRや心エコーも確認した上でフォローすればよろしいかと思います。
8. 質問者 : 皮膚科 30代
質問内容 : 杏林大学病院皮膚科の小林と申します。大変勉強になりました。
血管炎について教えて頂きたいです。
CPNで全身症状のない患者さまでも全身の血管精査は一回は行った方がよろしいでしょうか。
基本的なことで大変恐縮ではございますが、ご教授頂けますと幸いです。
回答:ご質問ありがとうございます。ご存じのようにPANの診断は、EGPA->GPA->MPAを除外した上で行いますので、一般的な検査に加え、上気道病変、肺病変・腎病変がないか、確認が必要です。もちろん血管炎症候を呈するのはレクチャーでもお話しましたが感染症、悪性疾患の除外は必要です。また、Cutaneous PANの鑑別にlivedo racemose with summer ulceration等もあり、抗リン脂質抗体はチェックしています。以上、鑑別診断を行うための血液、尿検査、また免疫抑制薬を使用する場合は、結核スクリーニング、肝炎スクリーニング検査も行っております。
1. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 急性単関節炎は化膿性であることを否定したいところです。
可動域制限は一つの指標になると思いますが、関節穿刺の出来ない場合は、できる施設への速やかなご紹介が必要でしょうか。
その際、関節液と血液培養は双方必要でしょうか。
回答
高齢者で膝の単関節炎で化膿性関節炎と偽痛風または痛風と鑑別に迷うケースがございます。
化膿性関節炎ならMortality 15%ですし、ドレナージが必要なケースも考えられ、整形外科の先生にコンサルトを行うことが一般的だとは思います。
2. 質問者 : 歯科医師 五十代
質問内容 : 青木先生のコメント 歯科医師も聞いてますので助かります
編集長:ありがとうございます。
3. 質問者 : 医師 内科
質問内容 : ぶどう膜炎と強膜炎は症状から区別可能ですか?
私はわからないので、すぐに眼科にコンサルトしてしまいますが、、
回答
症状からですと難しいので眼科コンサルト行っています。
治療も眼科的治療はお任せしております。
4. 質問者 : 医師 一般内科 60代
質問内容 : ANCA関連血管炎など、私の学生時代存在しなかった病名の疾患について、勉強しないとついて行けないのは良く解りましたが、医療の進歩は早いですね。プレッシャーで押しつぶされそうです。
回答
ご意見ありがとうございます。
5. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 不明熱の鑑別中、全身CTの役目はあるでしょうか。
もし適応があるとしたら、何に注目をされるのでしょうか
回答
セミナーでお話しましたが、抗菌薬に反応しない場合の膿瘍形成や、通常の培養や検査ではわからない悪性リンパ腫や結核等の病変(例、リンパ節腫脹等)、固形癌がみつかることもあります。不明熱であれば、感染症、悪性腫瘍が除外できるのであれば
若年では高安病、高齢では巨細胞性動脈炎を鑑別に大動脈炎がないか造影CTを行うこともあります。
6. 質問者 : 40歳代 内科
質問内容 : GCAの合併症に大動脈瘤や大動脈解離があるかと思いますが、PSLなどで治療し、炎症が治まっていても、数年おきに画像フォロ-(造影CTなど)は必要でしょうか?
回答
すばらしいご質問ありがとうございます。動脈の合併症をPSLあるいはTCZの治療で
予防できるか、に関してはまだわかっていません。Mayoクリニックの数十年GCAをフォローしたDataでは約15-20%の患者さんに動脈合併症が起きています(標準治療のステロイドは使用している)。特にGCAでも大動脈炎合併例では数年に一度フォローを行うことも考慮されます。
7. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : Localized PSSは全身性への進行はまれでしょうか。
フォローする際に、症状の他に定期検査は何をしたらよいでしょうか。
回答
限局性強皮症(以降Morphia/localized scleroderma)は、全身性強皮症(Systemic sclerosis:SSc)のようにPAHやIPなどの重度の全身合併症を呈することはなく、皮膚科でフォローされていると思います。私自身が長期にフォローした経験はございません。ただmorphiaのdiffuse(びまん)タイプではANA陽性率も多く、抗リン脂質抗体も陽性になるケースもございます。ですので抗体がでたらSScということではありません。やはり、皮膚硬化の広がり、爪甲毛細血管異常、その他SScの全身病変がでてこないかCXRや心エコーも確認した上でフォローすればよろしいかと思います。
8. 質問者 : 皮膚科 30代
質問内容 : 杏林大学病院皮膚科の小林と申します。大変勉強になりました。
血管炎について教えて頂きたいです。
CPNで全身症状のない患者さまでも全身の血管精査は一回は行った方がよろしいでしょうか。
基本的なことで大変恐縮ではございますが、ご教授頂けますと幸いです。
回答:ご質問ありがとうございます。ご存じのようにPANの診断は、EGPA->GPA->MPAを除外した上で行いますので、一般的な検査に加え、上気道病変、肺病変・腎病変がないか、確認が必要です。もちろん血管炎症候を呈するのはレクチャーでもお話しましたが感染症、悪性疾患の除外は必要です。また、Cutaneous PANの鑑別にlivedo racemose with summer ulceration等もあり、抗リン脂質抗体はチェックしています。以上、鑑別診断を行うための血液、尿検査、また免疫抑制薬を使用する場合は、結核スクリーニング、肝炎スクリーニング検査も行っております。