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Channel: 感染症診療の原則
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コロナ医療崩壊への処方箋 #2    医療従事者が不足したら

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<<<日本人が苦手なContingency Planですが、仕方ありません。>>>
#医療従事者が不足したら(CDC:Strategies to Mitigate Healthcare Personnel Staffing Shortages)
Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)

○不足してきたら
・医療を安全に提供するために最低限必要な医療従事者の数を割り出す。
・地域、他府県の医療従事者も探す。医学生・ボランティア・引退者も検討・不足しているなりのシフト、ローテーションなどのスケジュール管理
・不要不急の手術などのキャンセル・延期(編集長の意見:予定手術の延期、病棟の消失により時間に余裕のある外科系医師なども)・緊急措置として都道府県が期限切れの免許証などについて許可する。

○発症した医療従事者の運用にあたっての注意点。
・・感染後、どのような時期にいるか(例:発症後1週間以上なので感染性が小さい)にいるか?
・・感染性の強い症状か否か(例:熱だけ)
・・患者との接触の程度(例:直接ケア vs. テレワーク。 例:病室から離れた部署で医療機器の整備)
・・どのような患者との接触があるか(例:免疫不全症例)
・・周囲に感染した医療従事者が居ても大丈夫と安心させる。

○曝露したが無症状の医療従事者を続けて働かせる方法を考える。
・体温、症状を報告させる。症状が少しでも出たら休職。
・曝露後、最低14日間はサージカルマスク使用を義務づけ(N95など、よりレベルの高いマスクの使用については同様)
・戦力として重要なのでPCR検査は優先的に受けさせる。

○全く崩壊したように足りなくなったら
・予め定めていた施設に患者を移送する。
・曝露したが無症状の医療従事者を働かせる。(サージカルマスク使用しつつ、体温や症状を報告させつつ。曝露後14日したら放免)
・それでも足りない場合には
・・働ける医療従事者は(有症状でも)働いてもらう。但し免疫不全症例は扱わない。
・・業務内容は以下のものから順番に
・・・患者や医療従事者と接触しないですむ業務へ(例:テレメディシン)       ↓
・・・コロナ感染が証明された患者のみをケア       ↓
・・・コロナ感染が疑われる患者のみをケア       ↓
・・・コロナ感染を疑われず、証明されてもいない患者をケア
・その他の注意点
・・かならず(発症から14日経過するまで)サージカルマスク使用
・・診療と無関係の場所でも患者や医療従事者を曝露させない(例:孤食)

#感染した医療従事者を現場に戻す (CDC:Return to Work for Healthcare Personnel with Confirmed or Suspected COVID-19 4.13.)
Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)

戻すにあたり一般的な条件:
①Test--based strategy (Better)
24時間以上の間隔でPCR検査2回陰性+熱・呼吸器症状改善
②Non-test-based strategy (PCR出来ないならこれで良い!)
熱・呼吸器症状改善してから最低3日以上経過+発症から7日以上経過
職場に戻ったら
・症状完全消失するか、発症から14日以上経過、まで常時サージカルマスク使用。(この期間N95その他、サージカルマスクより「上」のマスクを使用する時は、他の医療従事者と同様に使用)
・発症から14日以上経過するまで免疫不全症例には関わらない。
・自身の症状の再発その他に注意し、再発あれば診察を受ける。

無症状だった医療従事者の場合(PCR陽性だったが)
・PCR陽性結果が出た日から最低10日経過している事

タイトル図:
Situation update worldwide, as of 20 April 2020


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