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Channel: 感染症診療の原則
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日本の基幹病院をコロナから守るために必要な軸 その8

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誰を助け、誰を諦めるのか・・そしてそれを誰が決めるのか・・
NYでもイタリアの医療現場で医師らが毎日迫られている決断でしょう。やがて日本でも・・。それを現場の医療従事者に委ねるのは過酷に過ぎます。医療従事者は生涯消えない心の傷を負うでしょう。
拘置所で死刑執行する刑務官でさえ、複数名で執行のボタンを押して、誰のボタンで死刑が執行されたか分からないようにされている・・と聞きます。

この問題に対する回答:それは各臨床現場に直接関与していない専門家による委員会(編集長が想像するには集中治療の専門医に加えて、弁護士、宗教家などによって構成される委員会でしょうか?)の設置であるという記事がありました。
COVID-19 Triage: Who Lives, Who Dies, Who Decides?
by Molly Walker, Associate Editor, MedPage Today March 23, 2020

具体的には:
・救命措置を中断・選択しない基準の作成(例:不可逆性のショック)
・SOFA(sequential organ failure assessment score:重要臓器の障害度を数値化した指数)を用いて人工呼吸器の適応を選ぶ。
・定期的に委員会の決定を検討しなおす。

London在住の編集長が最も信頼する公衆衛生の専門家(といったら誰だか分かるかな・・)は、「もう蔓延期なのだから(=感染経路の追えない症例がMajorityになりつつある)医療現場を支える事に注力しなさい。帰国者、水際、クラスター・・などといった段階ではないでしょう」とMessageされています。
編集長としては、教え子達の必死の努力、疲弊を見るに付けて、医療現場を支えるためのPPEの確保などもさることながら、このような現場のメンタルな負荷を軽減する仕組みを用意する事が重要と考えます。
何でも困難は前線の兵士に押しつけて、自分は神学論争を繰り返す・・などという事が日本で起きてはならないのです。イタリアでは「医療従事者が自殺する」という悲しい事件も起きています。


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