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Channel: 感染症診療の原則
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セファゾリンは枯渇、ゾフルーザは560万人分

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編集長は「欧米では仮にセファゾリンといった抗菌薬が不足しても1ヶ月程度でもとどおりになる」といった話しをWashington, D.C.のID week2019で聞いたときに、何故、日本では結果として1年近く不足が続くのか・・・といった疑問を持っておりました。

他方、超新しい抗インフルエンザ薬のゾフルーザは、2018年10月から2019年2月の4-5ヶ月で、日本の医療機関に約560万人分供給されました。そして・・Human-to-Human Transmission of Influenza A(H3N2) Virus with Reduced Susceptibility to Baloxavir, Japan, February 2019 (Emerging Infectious Diseases Volume 25, Number 11—November 2019)の報告。Sigh

図は以下より・・https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/25/11/19-0757-f1

基本的な抗菌薬が枯渇している時に、感染症専門医たちの心配をよそに経験値の低い新しい感染症治療薬(ゾフルーザ)が大量に使用されていたのだ・・と今頃になって分かった(知るよしもなかったけど・・)編集長でした。

「抗菌薬の不足は中国依存の問題、安全保障の問題」と整理するのはもしかしたら、日本独特の本当の問題から目を反らさせているのではないか・・と危惧する次第です。


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