お待たせしました。第7回プライマリケア診断塾 「内分泌疾患 診断と治療のポイント」Q&A
①チラーヂンの非経口投与法について教えてください。
【回答】
静注製剤は残念ですが日本では発売されていませんので、重症例では粉砕して注腸か経鼻胃管で使用します。
②甲状腺腫大の定義がよくわかりません。見た目でわかるくらいであれば大きいとして良いのでしょうか。
【回答】
はい、見た目だけで分かれば、かなり腫大しています。必ず、甲状腺の触診を習慣づけてください、正常ではほとんど触れません。
③甲状腺全摘後の甲状腺機能低下症でもTSH正常範囲を目安にチラージンSを補充、維持量投与すればよろしいでしょうか。
【回答】
はい、その通りです。バセドウ病や甲状腺癌の術後では、TSHを正常範囲を保つように補充療法が必要です。
④半年以上続く無痛性甲状腺炎はありますでしょうか?
【回答】
はい、通常は3〜4ヶ月間で正常化します。半年間以上も甲状腺機能亢進が続く場合は、バセドウ病を疑い、甲状腺自己抗体(TRAbとTSAb)を再検査してみましょう。無痛性甲状腺炎は、バセドウ病の寛解期に発病する場合もあります。また、約2%ですが自己抗体が陰性のバセドウ病もあります。
⑤高血圧症、糖尿病や脂質代謝異常というのは、それぞれが症候群であると感じました。その背後に隠れたものを考えないといけないと。
【回答】
はい、おっしゃる通りですね。高血圧症と糖尿病がある場合は、必ず原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫は否定してください。また、高コレステロール血症では、必ず甲状腺機能低下症の除外が重要です。
⑥降圧薬内服中患者でPAスクリーニングを行う際はACEI/ARBと利尿薬を6週間中断してその間はCCBに切り替えるのが現実的でしょうか。
【回答】
以下が、日本内分泌学会のガイドラインでの推奨です。ACEI / ARBは、継続しても大丈夫です。
・・・・・・・・
利尿薬、抗アルドステロン薬、β遮断薬を服用している場合は、原則的には血圧に注意しながら、利尿薬と抗アルドステロン薬は6週間以上、β遮断薬は2週間以上前に、ほかの降圧薬に変更し、ARRを測定する。ほかの降圧薬としては、血管拡張薬のブドララジン(商品名:ブテラジン)、一部のα遮断薬やカルシウム拮抗薬が挙げられる。
⑦MMIはFT4値に応じて初期投与量を設定するようになっていますが、先生はどのような所見を指標に投与量を判断されていますか?
【回答】
以下が、日本甲状腺学会の「バセドウ病治療ガイドライン 2019」での推奨です。
・・・・・・・・
軽度から中等度の場合(FT4 7ng/dL未満) メルカゾール15mgで治療を開始する。
重度の場合(FT4 7ng/dL以上) メルカゾール30mgで治療を開始する。ただし最近は、メルカゾール15mgと無機ヨウ素(KI 50mg)併用療法の方が、効果および安全性の面で優れている。
①チラーヂンの非経口投与法について教えてください。
【回答】
静注製剤は残念ですが日本では発売されていませんので、重症例では粉砕して注腸か経鼻胃管で使用します。
②甲状腺腫大の定義がよくわかりません。見た目でわかるくらいであれば大きいとして良いのでしょうか。
【回答】
はい、見た目だけで分かれば、かなり腫大しています。必ず、甲状腺の触診を習慣づけてください、正常ではほとんど触れません。
③甲状腺全摘後の甲状腺機能低下症でもTSH正常範囲を目安にチラージンSを補充、維持量投与すればよろしいでしょうか。
【回答】
はい、その通りです。バセドウ病や甲状腺癌の術後では、TSHを正常範囲を保つように補充療法が必要です。
④半年以上続く無痛性甲状腺炎はありますでしょうか?
【回答】
はい、通常は3〜4ヶ月間で正常化します。半年間以上も甲状腺機能亢進が続く場合は、バセドウ病を疑い、甲状腺自己抗体(TRAbとTSAb)を再検査してみましょう。無痛性甲状腺炎は、バセドウ病の寛解期に発病する場合もあります。また、約2%ですが自己抗体が陰性のバセドウ病もあります。
⑤高血圧症、糖尿病や脂質代謝異常というのは、それぞれが症候群であると感じました。その背後に隠れたものを考えないといけないと。
【回答】
はい、おっしゃる通りですね。高血圧症と糖尿病がある場合は、必ず原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫は否定してください。また、高コレステロール血症では、必ず甲状腺機能低下症の除外が重要です。
⑥降圧薬内服中患者でPAスクリーニングを行う際はACEI/ARBと利尿薬を6週間中断してその間はCCBに切り替えるのが現実的でしょうか。
【回答】
以下が、日本内分泌学会のガイドラインでの推奨です。ACEI / ARBは、継続しても大丈夫です。
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利尿薬、抗アルドステロン薬、β遮断薬を服用している場合は、原則的には血圧に注意しながら、利尿薬と抗アルドステロン薬は6週間以上、β遮断薬は2週間以上前に、ほかの降圧薬に変更し、ARRを測定する。ほかの降圧薬としては、血管拡張薬のブドララジン(商品名:ブテラジン)、一部のα遮断薬やカルシウム拮抗薬が挙げられる。
⑦MMIはFT4値に応じて初期投与量を設定するようになっていますが、先生はどのような所見を指標に投与量を判断されていますか?
【回答】
以下が、日本甲状腺学会の「バセドウ病治療ガイドライン 2019」での推奨です。
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軽度から中等度の場合(FT4 7ng/dL未満) メルカゾール15mgで治療を開始する。
重度の場合(FT4 7ng/dL以上) メルカゾール30mgで治療を開始する。ただし最近は、メルカゾール15mgと無機ヨウ素(KI 50mg)併用療法の方が、効果および安全性の面で優れている。