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Channel: 感染症診療の原則
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oral sexの歴史 その1

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青木編集長がストックホルムに耐性菌の勉強にでかけている間に、本ブログの売りのひとつであるsexual ccntentsを久々に(?)ご紹介。
真面目で科学的な話なんですよ・・・。(編集長は「私のイメージに関わる」とシブい顔ですが)

導入ですが、、、、2012年1月19日に官報に掲載された、新しい性感染症の予防指針には、画期的といえる記載変更や追加記載があります。
性感染症について医学部や看護学部で教えるような人は知っておく必要があります。

「性感染症に関する特定感染症予防指針の一部改正について」健感発 0119 第1号 平成 24 年1月 19 日
まず1つは、コンドームだけでは予防しきれない性感染症がある、ことの明記。これまではコンドームと根性で予防できるみたいな書き方になっていました(非科学的)。
2つめはワクチンについての加筆。現在、HPVとB型肝炎、A型肝炎が性行為で感染し、予防ワクチンがあるわけですが、、、1次予防としてワクチンがコンドームと同じように重要であるという記載がありました。B型肝炎についても明記されました。
3つめは、咽頭感染のリスクが明記されたことです。

予防教育や啓発二当然加わるメッセージになるのですが、文部科学省関連の指導資料にはOral Sexについての記載はみかけたことがありません(どこかにあるのかも?)。
現場を支援するべく文部科学省や教育委員会がpoliticalに妥当な教育資料を作成してくれることを期待しています。
文科省に出向中の医系技官の方、整合性がとれるようによろしくお願いします。

さて。
医療の領域では、ペニス−膣性交以外の性的接触でも感染症がうつることはよく知られているわけですが(たぶん)、関連資料において下記のような記載が気になっています。

"最近では、若者を中心とした性行動の多様化や、風俗産業の多様化などにより、. 英語では orogenital contact と表現される、いわゆるオーラルセックスが定着したため"
"最近では、若者を中心とした性行動の多様化や、風俗産業の多様化などにより、 クラミジア・トラコマティスなどの性感染症関連微生物による咽頭感染を認める症例が増加している"
"近年セックスライフの多様化により、 クラミジア感染症や淋菌感染症は、咽喉への感染 が増加しています"
"10代や20代の女性の性活動の活発化,初交年齢の低下は若い世. 代の性感染症の急増をもたらしている.性行為の多様化は性器だけでなく口腔・ 咽頭への. 感染をもたらしている."


最近とか近年っていつ頃のことなのか? 若者が採用している”文化”なのか?ことさら、多様というようなことなのか? が疑問であります。

風俗産業については、以前、学術研究会で、泌尿器の先生方が「日本独自のサービス産業」という言い方をされていたので、oral サービスだけをするのは日本独特なのかもしれません(各国にoral only産業がないのかは調べてないのでよくわかりません)。

性教育でも話題になっています。 “The History of Fellatio”
実際、米国で「純潔教育/結婚まで性交をしない」を導入した結果、かわりにoral sexやanal sex、、という状況もあり、「quick and safe」あまり面倒じゃないし、早くおわって安全でいいかも(妊娠しないし)という認知が若者にあることはいくつかの調査が明示しています。

"Oral Sex Among Adolescents:Is It Sex or Is It Abstinence?" By Lisa Remez

「米国ではoral sexは1998年にはクリントン大統領と22歳のインターン女性の関連スキャンダルで広く子どもにも認知された」という話もききました(ニュース見て困った親多数)。

それはさておき。「近年」とか「最近」とはいつからなのか。昔の資料にあたってみたいと思います。
オランダのアムステルダム中央駅から徒歩3分ほどのメインストリートにある「Sex Museum」に少し資料が会ったので紹介したいと思います。
Sex Museum Amsterdam
入場料はたったの4ユーロ(500円ほど)。他の博物館が14ユーロくらいですから、格安です。

入り口の看板。たくさんの人が出入りしています。ちなみに年齢制限があって、入場できるのは16歳以上です。(日本だったら何歳ですかね)


目的のoral sexについてさがしたところ、あっというまにみつかりました。

これは南インドのお寺からみつかった木製のもの。

ヒンズー教のお寺にあるたくさんのerotic curving

いつ頃からなんでしょうね・・

こんなお人形もあったりします(^^;)



これはPompeiの遺跡にあったerotic plates(エロチックなお皿)。この博物館にあるのはレプリカです。


wikipediaの記載によると、"As the quotation from Butrica suggests, and an article by W. A. Krenkel shows, irrumatio was a widespread sexual practice in the Roman Empire"です。ローマ帝国時代の資料からはすでにいろいろ確認されています。

次はブロンズ像。この女性は修道院の方じゃないでしょうか・・


こちらは象牙。細かく彫刻されています。1750年(の発掘?)


1920年代、イタリアの象牙のケース。


髪の毛をとかす象牙のクシ。たぶんイタリアから。1800年。


こちらは写真。なぜこんな写真が?ですが、パリの写真館では当時、セクシュアルな写真をとる流行があったそうで。1880年頃のもの。


ということで、人間社会の歴史では、そんなに最近のことではなく、昔からあったといえます。


日本人だけ最近なのかも?という仮説は残ります。

日本の記事に続く>>>>>>



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