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第8回 若手医師セミナー がんの基礎知識(勝俣・森先生) Q&A

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第8回 若手医師セミナー ジェネラリストに知っていてほしいがんの基礎知識
Q&Aです。


質問者 : 外科医 40代
質問内容 : 進行するがんにも、治癒が可能な、まだ進行していない時期があるはずです。非進行がんと進行しないがんの区別がつかない以上、検診、治療はするべきと思いますがいかがでしょうか。

ご回答:
ご質問ありがとうございます。
現時点の医学では、がんが発見された際に、非進行がんや進行しないがんの区別をつけることは困難ですので、発見されたがんは治療せざるを得ないと思います。一部の前立腺がんや甲状腺がんなどは、超早期に発見された際には、Watchするようなことも行われています。
検診に関しては、すべてのがんに対して行われるべきではなく、死亡率低下のエビデンスがあるがん種で行われることが推奨されると思います。


質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 本邦のがん検診は、年齢で受けることが多く、高齢者も含め多くの方が受診されます。中にはリスクの低い方が、何年も続けて検診をすることもあります。一度に多くの検査がこなせないような内視鏡や低線量CTではリスクの高い方に行うことが必要かと思いますが、リスクを図って対象を絞ることについては、検診の効果は得られるでしょうか。

ご回答:
ご質問ありがとうございます。
内視鏡や低線量CTの検診は、高リスクの人に行う、というのは良いと思います。日本ではエビデンスが不足しているのに、やみくもに検診が勧められていますが、エビデンスの構築をしていくことが大切と思います。


質問者 : 医師 40代
質問内容 : アメリカでの癌検診の推奨年齢は理解しているのですが、実際に高齢者でもPSA/GF/ CFなどを毎年希望される方がいます。1年前に異常が無ければ、癌が次年度に見つかることは考えにくいと伝えてはいますが、今後どのようにしていけば良いのでしょうか。
日本とアメリカの違いは医療費や保険の問題があると思うのですが、なぜアメリカでは推奨年齢にない方も、日本では癌検診を希望されるのでしょうか。一番大きな原因は何だとお考えでしょうか。

ご回答:
ご質問ありがとうございます。
政策レベルの話と、個人レベルの話とは違うと思います。個人の患者さんレベルですと、個人で、色々な検診や人間ドックを希望されるかたはいます。個人の希望は、個人の希望レベルに応じてということになるかと思います。政策レベルでも、日本は、各自治体で検診がまかされている状況であり、自治体によっては、PSA検診やエビデンスのない腫瘍マーカー検診なども行っているところもあります。政策レベルでの意思統一や、検診管理を国レベルでしっかりと考えていく必要はあるかと思っています。


質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : がんの化学療法を病院で受けている方が、上気道炎症状や胃腸症状で診療所にお見えになる方があります。病院位連絡しても、まず近くで診てもらってといわれます。種類によって違うでしょうが、抗がん剤、放射線治療を受けている方が診療所にお見えになった時、注意すべき症候、所見、こういう時はすぐに病院へ連絡といったポイントはありますでしょうか。

ご回答:
ご質問ありがとうございます。
化学療法中の患者さんで、最も気を付けなければならない感染症は、発熱性好中球減少です。好中球が1000/mm3以下で、38℃以上の発熱がある際には、重症感染になる場合がありますので、そういった場合には、化学療法を受けている病院に連絡したほうがよいと思います。それ以外の患者さんであれば、症状に応じた対応をまずしていただけると幸いです。


質問者 : 薬剤師 30代
質問内容 : 私は以前は病院。今は薬局勤務です。
病院はレジメンを公開したがりません。
どんな治療をしているのか、私は病院にいたので想像はつきますが、そうでない薬局薬剤師が大多数です。レジメン名を処方せんに記載を義務化とかできないでしょうか?

ご回答:
ご質問ありがとうございます。
レジメンが分からないとお困りですね。

横浜市立大学附属市民総合医療センター薬剤部のように、
レジメンを公開していたり、お薬手帳に内容を記載したりする
取り組みを行っている施設は、まだまだ多くないですよね。

恥ずかしながら当院も、レジメン開示はやぶさかではないものの、
作業途中であり行っておらず、また、お薬手帳への情報提供も行っておりません。

情報提供を徹底することは、外来化学療法加算の算定要件にでも入らない限り
現実的には難しいとは思いますが、まずは病院と薬局との連携を確立された後、
他院での事例紹介などを含めた対応を模索されるのが地道ながらも近道だと思います。

もしくは、“外来化学療法加算”の算定要件を見ますと、“文書で説明”の文言がある通り、
患者には文書で説明されているかと思いますので、それを見せてもらうのも手かと思います。

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