先日の齊藤先生の「若セミ2017 外来における子どもの感染症疾患の見かた」、Q&Aを頂きました。
確認頂ければ幸いです。 編集部
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質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 家庭では、乳幼児の熱を測ることが難しいこともあり、いつから発熱したかがわかりにくいことがあります。保護者が熱かったと感じた時がそうかもしれませんが、測っていないことも多くみられます。私自身は、保護者の感覚を大事にしていますが、体温測定について保護者の方に何かご指導をされるでしょうか。
回答: ご指摘の通りかと思います。保護者がいつもより子どもが熱いと感じることは、非常に重要な感覚であり、それを信頼することはとても重要かと思います。また、多くの保護者の方は、そう感じられた時には、体温測定をされると思います。特に特別な指導はしておりません。
質問者 : 研修医1年目
質問内容 : 小児の敗血症を疑う上で、qSOFAのようなものはありますか?
回答: 小児に特異的な敗血症を診断する際、一般的に用いられているのが以下のGuidelineとなります。今までと同様、SIRSの基準を用いたものです。qSOFAは成人のもので、小児では使用できません。
Goldstein B, et al. International pediatric sepsis consensus conference: Definitions for sepsis and organ dysfunction in pediatrics. Pediatric Critical Care Medicine. 2005;6:2-8.
質問者 : 内科 40代
質問内容 : 成人では第3世代セファロスポリン系の経口抗菌薬をbioavailabilityが低いという理由から使うことが少ないのですが、小児の感染症領域では良く使われるものなのでしょうか?
回答: 成人と同様、小児では、使う状況は、極めて限られていると思います。しかしながら、幾つかの小児のガイドラインやハンドブックなどで推奨されていたため、未だによく使用されている薬剤です。現在のAMR対策の中で、抗菌薬の適正使用の動きが加速する中で、この薬剤の適正使用に関して、もう一度考え直す必要があると思います。ちなみに、私は、尿路感染症の治療で、第3世代セファロスポリンしか使用できない時以外は、この薬剤は使用しません。
質問者 : 内科 40代
質問内容 : 提示症例の身体所見での体温の測定部位は鼓膜でしょうか?、
回答: 今回の全ての症例は、腋窩の測定でした。
質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : ある講師がオランダでは中耳炎で抗菌薬使用をしないため、乳頭洞炎が増えたというデータがあるということで、抗菌薬使用を勧めていました。もともとウイルス性が多いのですから、waitして、細菌合併症が増えるとは考えにくいのですが、実際の臨床現場で乳突洞炎が問題になりますでしょうか。
回答: そのデータを是非ともお示し頂けますと幸いです。外来でのフォローアップが確実に行える日本の臨床現場で、乳突洞炎が問題となることはまずありません。急性中耳炎のWatchful Waitingは、細菌感染症にも使うことができ、特にモラキセラによる中耳炎は治りやすく、この戦略が使えます。尚、治りにくい肺炎球菌によるものであれば、改善がなければ、抗菌薬を使用するので、しっかりとした外来でのフォローアップが出来ていれば、その様な重篤な合併症が増えることはまず考えなくてよいと思います。
確認頂ければ幸いです。 編集部
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質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 家庭では、乳幼児の熱を測ることが難しいこともあり、いつから発熱したかがわかりにくいことがあります。保護者が熱かったと感じた時がそうかもしれませんが、測っていないことも多くみられます。私自身は、保護者の感覚を大事にしていますが、体温測定について保護者の方に何かご指導をされるでしょうか。
回答: ご指摘の通りかと思います。保護者がいつもより子どもが熱いと感じることは、非常に重要な感覚であり、それを信頼することはとても重要かと思います。また、多くの保護者の方は、そう感じられた時には、体温測定をされると思います。特に特別な指導はしておりません。
質問者 : 研修医1年目
質問内容 : 小児の敗血症を疑う上で、qSOFAのようなものはありますか?
回答: 小児に特異的な敗血症を診断する際、一般的に用いられているのが以下のGuidelineとなります。今までと同様、SIRSの基準を用いたものです。qSOFAは成人のもので、小児では使用できません。
Goldstein B, et al. International pediatric sepsis consensus conference: Definitions for sepsis and organ dysfunction in pediatrics. Pediatric Critical Care Medicine. 2005;6:2-8.
質問者 : 内科 40代
質問内容 : 成人では第3世代セファロスポリン系の経口抗菌薬をbioavailabilityが低いという理由から使うことが少ないのですが、小児の感染症領域では良く使われるものなのでしょうか?
回答: 成人と同様、小児では、使う状況は、極めて限られていると思います。しかしながら、幾つかの小児のガイドラインやハンドブックなどで推奨されていたため、未だによく使用されている薬剤です。現在のAMR対策の中で、抗菌薬の適正使用の動きが加速する中で、この薬剤の適正使用に関して、もう一度考え直す必要があると思います。ちなみに、私は、尿路感染症の治療で、第3世代セファロスポリンしか使用できない時以外は、この薬剤は使用しません。
質問者 : 内科 40代
質問内容 : 提示症例の身体所見での体温の測定部位は鼓膜でしょうか?、
回答: 今回の全ての症例は、腋窩の測定でした。
質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : ある講師がオランダでは中耳炎で抗菌薬使用をしないため、乳頭洞炎が増えたというデータがあるということで、抗菌薬使用を勧めていました。もともとウイルス性が多いのですから、waitして、細菌合併症が増えるとは考えにくいのですが、実際の臨床現場で乳突洞炎が問題になりますでしょうか。
回答: そのデータを是非ともお示し頂けますと幸いです。外来でのフォローアップが確実に行える日本の臨床現場で、乳突洞炎が問題となることはまずありません。急性中耳炎のWatchful Waitingは、細菌感染症にも使うことができ、特にモラキセラによる中耳炎は治りやすく、この戦略が使えます。尚、治りにくい肺炎球菌によるものであれば、改善がなければ、抗菌薬を使用するので、しっかりとした外来でのフォローアップが出来ていれば、その様な重篤な合併症が増えることはまず考えなくてよいと思います。