感染症治療の世界では、 use it, lose it というように、使用開始→耐性獲得開始となります。
例えば、指示通りに服薬をしなければ、血中濃度が低下してしまいますし。定められた時間に規定の量を服用しても、条件を守らないと(食事と一緒に服用、あるいは空腹時に服用等)吸収がおちるものもあります。
必ずしも世界中のひとが1日3食食べる訳でもなく、時計をもって生活しない人に毎回○時に飲むという概念はないかもしれません。
しょっちゅう何かをつまみ食いする文化では、空腹という概念の説明(食前1時間、食後2時間経過など)という概念の理解が難しいかもしれません。
高額な治療薬であるHIV感染症の薬は、人道的な見地、製薬会社の思惑その他で途上国にも導入され、アクセス改善がすすんでいます。
このことにより、健康をとりもどした大人が、子ども達の生活を支え、エイズ孤児となる子どもが以前より減っていることはすばらしいのですが、初期から薬剤耐性HIV拡大のリスクが指摘されていました。
そして時間の経過とともに、耐性となった人から性行為等で耐性ウイルスが地域に拡大していけば、その地域での治療の選択肢が失われる事を意味します。
抗HIV薬は、1stラインとよばれる最初の薬はジェネリック等で安く供給されていますが、治療に失敗したあとの2ndラインになると費用が高くなり、全員に提供できるのか、それに失敗した場合はどうするのかという問題があります。
HIV領域には特別な関心と予算が注がれてきましたが、経済状況の悪化とともに途上国支援よキャパシティは低下中で、また、もともと基本的なプライマリケアのインフラがないところに、HIVだけが特別な予算で治療薬が配られることについては、医療者からも大きな批判がでていました(もっと先にやることあるだろう、です)。
そのような中、いったいどれくらい耐性が問題になっているのかのデータが重要となっています。
日本国内でも、高流行国出身の外国人患者さんがHIV陽性と診断されますので、無関心ではいられません。
ランセットに関連のコホート研究データが発表されていました(フリーアクセス)。
研究予算は、オランダ政府外務省からでています(商業バイアスなし)。
Effect of pretreatment HIV-1 drug resistance on immunological, virological, and drug-resistance outcomes of first-line antiretroviral treatment in sub-Saharan Africa: a multicentre cohort study
The Lancet Infectious Diseases, Volume 12, Issue 4,
サブサハラアフリカ6カ国にある13の治療サイトでの2007-2009年の調査。
PharmAccess African Studies to Evaluate Resistance Monitoring (PASER-M) cohort
耐性の定義や指標、アルゴリズムについては、International Antiviral Society-USA とStanfordのものを使用。
日本でも初診時の患者さん全員に耐性検査を先にすべきか?という質問がときどきありますが、今回のコホートでは90%以上に、治療前の耐性検査をしています。
結果は上記リンクのFindingsに、治療失敗リスクとCD4数とあわせて書かれています。
例えば、指示通りに服薬をしなければ、血中濃度が低下してしまいますし。定められた時間に規定の量を服用しても、条件を守らないと(食事と一緒に服用、あるいは空腹時に服用等)吸収がおちるものもあります。
必ずしも世界中のひとが1日3食食べる訳でもなく、時計をもって生活しない人に毎回○時に飲むという概念はないかもしれません。
しょっちゅう何かをつまみ食いする文化では、空腹という概念の説明(食前1時間、食後2時間経過など)という概念の理解が難しいかもしれません。
高額な治療薬であるHIV感染症の薬は、人道的な見地、製薬会社の思惑その他で途上国にも導入され、アクセス改善がすすんでいます。
このことにより、健康をとりもどした大人が、子ども達の生活を支え、エイズ孤児となる子どもが以前より減っていることはすばらしいのですが、初期から薬剤耐性HIV拡大のリスクが指摘されていました。
そして時間の経過とともに、耐性となった人から性行為等で耐性ウイルスが地域に拡大していけば、その地域での治療の選択肢が失われる事を意味します。
抗HIV薬は、1stラインとよばれる最初の薬はジェネリック等で安く供給されていますが、治療に失敗したあとの2ndラインになると費用が高くなり、全員に提供できるのか、それに失敗した場合はどうするのかという問題があります。
HIV領域には特別な関心と予算が注がれてきましたが、経済状況の悪化とともに途上国支援よキャパシティは低下中で、また、もともと基本的なプライマリケアのインフラがないところに、HIVだけが特別な予算で治療薬が配られることについては、医療者からも大きな批判がでていました(もっと先にやることあるだろう、です)。
そのような中、いったいどれくらい耐性が問題になっているのかのデータが重要となっています。
日本国内でも、高流行国出身の外国人患者さんがHIV陽性と診断されますので、無関心ではいられません。
ランセットに関連のコホート研究データが発表されていました(フリーアクセス)。
研究予算は、オランダ政府外務省からでています(商業バイアスなし)。
Effect of pretreatment HIV-1 drug resistance on immunological, virological, and drug-resistance outcomes of first-line antiretroviral treatment in sub-Saharan Africa: a multicentre cohort study
The Lancet Infectious Diseases, Volume 12, Issue 4,
サブサハラアフリカ6カ国にある13の治療サイトでの2007-2009年の調査。
PharmAccess African Studies to Evaluate Resistance Monitoring (PASER-M) cohort
耐性の定義や指標、アルゴリズムについては、International Antiviral Society-USA とStanfordのものを使用。
日本でも初診時の患者さん全員に耐性検査を先にすべきか?という質問がときどきありますが、今回のコホートでは90%以上に、治療前の耐性検査をしています。
結果は上記リンクのFindingsに、治療失敗リスクとCD4数とあわせて書かれています。