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Channel: 感染症診療の原則
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薬剤師のためのBST2016 最終回 香坂先生のQ&A

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以下、香坂先生から頂いたQ&Aです。


【質問①】 :
スタチンはいい薬であるが、下げすぎると有害事象(悪性腫瘍・うつ等)リスクは増えないのか。ある程度数値が下がってくると、服薬を中止してもいいものか、もしくは飲み続けるべきなのか。患者様へのアナウンスでよいコメントはないですか。

> 海外の試験ではだいたいLDLを50くらいまで下げているデータが集まっていますが、今のところそうした副作用の報告はありません。数値がさがってからも服薬は中止しないのが今のやり方です。

【質問②】 :
高齢者で、虚血性心疾患・糖尿病を患っている患者さんでスタチン投与によりLDL・TCが基準値よりも低くコントロールできた場合、スタチンは継続するのか、中断するのかお考えを教えてください。

> こちらも上記と一緒で、中断はしないのが今のやり方です。ターゲット値を設定するよりも、なるべく高い用量で使うことが大事です。

【質問③】 :
メインテートとアーチストを最大量まで上げてない状態で併用する症例があるのですが、効果が相加することがありますか。

> いや、それは特にありません。どちらかに絞って漸増するのがよいでしょう。

【質問④】 :
ABCDEの治療が行われている患者が緩和医療となった場合、内服薬を整理する(減らす)必要が出てきたら、スタチンは中止しても緩和医療の質は変化しないという研究を読んだ事があります。アスピリンは最後まで飲んだ方が良いと思うのですが、ベータブロッカーについては症状を見て中止してもよいでしょうか?

> 末期を迎えたかたについてはスタチンは整理できることが知られています。βブロッカーもほぼ同様であろうと自分は想像していますが、まだエビデンスはありません。

【質問⑤】 :
二フェカラントとアミオダロンの使い分けにつきまして、御享受お願い申し上げます

> 最初はアミオダロンを使っていくのがよいのではないでしょうか?ニフェカラントは少数の臨床試験で効果が同等であるという結果はでていますが、安全性に関してはまだ検証が不十分ではないかと考えています(個人の意見です)。

【質問⑥】 :
PCI 実施後にDAPTでアスピリンの投与を中止してクロピドグレルを継続することはありますか。

> ありますが、通常はコストのことを考えてアスピリンを継続します。


【質問⑦】 :
一次二次予防を含め、スタチンは何があればいいですか。

> 一次であればどれをつかってもほぼ問題はありません。二次に関してはエビデンスで優位性がはっきりしているのがアトロバスタチンとロスバスタチンなのでそれを使います。

【質問⑧】 :
スタチン高用量と横紋筋融解症の関係。容量が増えると、増加するのでしょうか?

> 増加しますが、他に遺伝性多型の関連もあり、いちがいにそれだけとはいえません。

【質問⑨】 :
PCI後の患者さんでエフィエントをクロピドグレルに変薬することは可能でしょうか。

> 可能です。おそらくほとんどのケースで問題ないはずです。

【質問⑩】 :
CAST STUDYのお話がありましたが、「抗不整脈薬」はどのような場合に処方されるべき薬ですか。処方される意義はあるのでしょうか。

> 他に心臓の問題がない方で、症状が強い方に対して処方されます。その効果は50-60%といわれていますが、アブレーションだと侵襲が強いので、意義はあるかと思います。

【質問⑪】 :
心房細動に対して抗凝固薬を飲むほどではないので、かかりつけ医の判断でバイアスピリンを飲んでいるという患者さんがいました。薬剤師の対応(疑義照会など)としてはどのようなものが望ましいと先生はお考えになりますか

> 難しいですね。アスピリンはあまり抗凝固薬としては効果がないと考えられていますが、ワーファリンや他の抗凝固薬は「なぜこの方では禁忌なのでしょうか?」と聞いてみても良いかもしれません。

【質問⑫】 :
:心不全へのACE/ARBのドーズは高ければ高い方がよいとの事ですが、血圧の低下はどの程度まで許容されるでしょうか?

> 結構低くても大丈夫です。だいたい90くらいまでが許容範囲ですが、患者さんの訴えによって上下させます。

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